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家族以外に頼れる相手がいますか?助けてと声を出せますか?

東洋経済の連載、公開しました。今回のテーマは「親元未婚」です。

「未婚化が進んでいる」「単身世帯化が進んでいる」というふたつの事実を重ねて、「未婚の単身世帯が増えている」という誤認をしがちですが、実は親元にいながらの未婚=親元未婚が激増しているという事実を提示しています。

未婚とか少子化とかを個人の価値観の問題にすり替える人も多いですが、これらの問題及びソロ社会化は経済問題でもあると思います。8050問題は未既婚問わず全員に降りかかるリスクでもあります。

※8050問題とは、80代の親と50代の子が暮らす世帯が経済的に困窮し、社会から孤立してしまう問題を指します。

少し長いけど是非読んでいただきたいと思います。

言いたいことは以下の通りです。


家族以外に頼れる人はいますか?
本当に困った時「助けて」と言える勇気はありますか?
「助けて」と言われた時手を差し伸べる優しさを持っていますか?


今回もたくさんの反響いただきましてありがとうございます。ヤフーの記事ではコメントが1000件に達しています。ランキングも、例の次官のセクハラ問題の記事を抜いて5位です(国内ランキングでは3位でした! )。

…と思ったら、なんとアクセスランキングでは総合で1位! 

あまたあるヤフーの記事で一番読まれています! ありがとうございます! 


ヤフコメでは「いい年して実家暮らしなんて気持ち悪い」という声が多いのですが、実数は7割の未婚が親元暮らしですからね。マジョリティは実家暮らしなんですよ。


また、東洋経済の方に気になるコメントがありました。

僕のスタンスを確認したいのでしょうか?そんなの拙著「超ソロ社会」を読めばわかるはずですなんだけどなあ。

でも、まあ、せっかくなのでお答えすると、(1)でも(2)でもないです。

(1)に関しては、全く正反対の意見です。

そもそも今更どんな政策をしたところでこの流れは止まりませんし、もともと「少子化の何がいけないのか?」と思っている方だし、現在の1億2千万人の人口そのものが異常だと考えているので。というか、政治に何ができるの?って話ですよ。何もできません。たとえ政治家の首をすげ替えても、政党が変わっても、そんなもので何かが変わりましたか?変わりませんよ。

(2)に関しては、前半部分の「独身者がこれから増えるのは不可避であり、こうした独身者が卑屈になることがないよう」まではその通りです。ですが、別に「独身者の権利を主張していこう」なんてこれっぽっちも思っていません。つか、誰に主張をして、誰に認められたいのでしょうか?主張して誰かに認められたら、独身者たちの自己肯定感があがるんでしょうか?そんなわけはない。


未婚化、少子化、人口減少、離婚の増加も含めたソロ社会化は不可避です。だからといって、「移民を入れろ」とかも思いませんし、現役世代の減少で生産性が下がるとも思っていません。仮になんらかの人口増加政策が奏功したところで、それが機能するには100年かかります。


10年先の未来のテクノロジーすら予測できないのに、100年先の何がわかるっていうんですか?


現時点で、未婚化や人口減少によって起きる未来のリスクを大げさにのたまっている「訳知り顔」の学者とか有識者なんて、過去の流れの中でしか未来を予測できていない。人口でしか労働生産性が担保できないなんてそれこそ20世紀の考え方にすぎない。

それこそ、50年後は人類が「有史以来続いてきた妊娠と出産」というイベントから解放されるかもしれないんです→人工子宮が導入されれば、女性は自分のお腹を傷めずに子を作ることができます。それの道義的な是非はともかく、そういう未来が来る可能性だってある。今ある仕事のほとんど9割はAIとロボットによって代替可能だったりする。

だから人間は働かなくていいとかそういうことじゃない。今の尺度で物事を考えたってしょーがないでしょ?って話。


今考えるべきは今の話です。


社会が個人化していく中にあって、我々はひとりひとりが個人として自立していく必要があるし、それは結婚しようが独身のままだろうが、正社員で働こうがフリーランスで働こうが、カネをたくさん稼ごうが、あまり稼げなかろうが、そういう「状態とは関係ない」んです。それこそイデオロギーとか社会の体制とかもどうでもいいわ。

どんな状態かどうかは関係なく、ひとりひとが精神的に自立する社会が作れるということは、公務員も官僚も政治家もそういう自立心を持つ個人になるということです。


誰かに認められようとする前に、自分で自分を認められるようにしましょうよ! 


そのためには、個人が個人の枠の中だけに閉じこもることなく、人とつながり、自分の中の多様性を生み出すことが必要です。自分を変えるのではなく、新しい自分を生み出すのです。

それは、それができる人とできない人とで区別する自己責任論ではない。できる人もできない人も直接的ではなく間接的にどこがでつながることができるからこそ「ゆるいつながりは強い」のです。


「自己責任でなんとかする」or「国の社会保障に頼る」の二者択一じゃないんですよ。


そうして個人が「ソロで生きる力」という精神的自立心を身に着けた時、みんなが…

家族以外に頼れる人がるし
本当に困った時「助けて」と言えるようになっているし
「助けて」と言われた時手を差し伸べる優しさを持つようになっている

のだと思います。

そんなことできるのか?わかりません。

しかし、社会が変わらなければ何も始まらないと受け身でいるより、まずは自分の行動を変えて、新しい自分を生み出すことはやりようがあるでしょ?

社会全体を変える必要なんてないんです。自分と自分の周りを変えれば。それが連続した時、社会も自然と変わってる。

そう思います。

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荒川和久/独身研究家・コラムニスト
長年の会社勤めを辞めて、文筆家として独立しました。これからは、皆さまの支援が直接生活費になります。なにとぞサポートいただけると大変助かります。よろしくお願いします。