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経理配属と言われた僕が、人事をやっている話

フーモアの新卒一期生の中で、僕は一番最後に内定が言い渡され、一番最初に配属先が決定した。

「前衛が活躍する場所を作るために、パーティーの後衛として会社の状況把握、課題解決、未来への打ち手などを考えられる能力を付ける!」

そんな思いは、選考を受けた去年の春先から徐々に持ち始めた。
その為にフーモアの管理部で総合的な経験を積み、同期や社員さんたちを支えられる存在になろうと思ったのもその頃だ。

「総合的な経験」とはあるものの、数字を読む能力は早いうちに身に付けるに越したことはない、との事で選考の段階で経理・財務のポジションに着くことも決定した。

正式な配属発表は10月の内定式で行われるわけだが、僕は同期の中で唯一緊張を感じずに「自分は管理部で経理・財務に行く」と思いながら当日を迎えた。


事実、そのような発表が社員全体に向けて行われ、僕は全体に向けて「右も左も分からない状態ですが、どうぞよろしくお願いいたします」とそれっぽい挨拶をした。


そんな自分に、新しいポジションが言い渡された。


今日からの新ポジション

これから僕はフーモアの人事として活動することになった、らしい。

理由は色々あるのだが、会社に人事を強化したいという思いがあったことが最も大きな要因だそうだ。
その中で、採用ナビサイトの運用やカジュアル面談などを通じて採用に携わる事が多かった僕の活動が評価され、今回の変更に繋がったのだと思う。また、内定者から人事を作るのであれば、そもそも同じ部署に配属されている僕を動かすことが最も筋が通るのだろう。


ー正直なところ、心境は複雑だ。

裏方業務が好きで、数字が得意だからフーモアに採用されたと思っており、そこに自分の存在価値を感じていた。

攻撃力が高い同期の面々を見る度に、このメンバーと競いあっていくには自分が最も得意とするところを出し惜しみすることはおろか、そこを更に尖らせていかないと一緒にいることが許されないとも思っていた。

人事業務に関して全くの自信が無いと言えば嘘になるが、僕はここで大きく花が開くこともないだろうとも思う。どれだけ行っても、トップは取れないだろう。

ほんの少しだけ、心が折れそうになった。


自分がなくなりそうで、どうにもやりきれなくて、一人では抱えきれなくて。
半ば愚痴に近い相談を同期や先輩たちにぶちまけた。


初心に立ち戻る意味

「気持ちは分かるけど、間違ってる。
 そもそも何がやりたくてフーモアに入ったんだっけ?」


少し考えてから、ああなるほど、と。

前衛が活躍する場所を作るために、パーティーの後衛として会社の状況把握、課題解決、未来への打ち手などを考えられる能力を付ける!
その為にフーモアの管理部で総合的な経験を積み、同期や社員さんたちを支えられる存在になろうと思った。

いつからか会社を数字面から支えることが僕の使命だと感じていたが、そもそもスタートはそこじゃなかった。
僕は管理部の全業務がやりたくて、フーモアを選んだんだ。
その思いの中には、人事としての業務も当然含まれている。

全てを始める前に経理から、というのは後付けでしかない上、現時点で会社に人事として価値を提供できると思わせたなら、そこに飛び込むのは至極当然のことだろう。
おそらく自分は人事に向いていない、と感じるなら尚更、後からここの経験を積むことは出来なくなってしまう。僕にとって、専任で人事を行うチャンスは今しかない。

先輩には「数字の理解は後からでもいいし、何なら人事をやりながらでもいい」とも言われ、僕のリソース次第ではそっち方面のタスクも振ってもらえるという話になっている。


なんだ、悩む理由がなくなってしまった。


全ての就活生と、その先の世代へ

偉そうに聞こえるかもしれないけど、まあ人事だからね、なんてごまかして就活生に伝えたいことができた。

会社というのは非常に曖昧なところだけど、その中でどうか目標を見失わないでほしい。

どんな会社やポジションであれ、仕事というのはそれはそれは忙しくて、自分がいつか大切にしていた夢や目標がかすれてしまう事がある。

想いを熱弁してようやく入れた会社でも、就活を始めた頃に立てた計画も、無感情な会社都合で簡単に崩れたりする。
特に優秀だったり真面目な学生ほどキャリアプランが緻密であることが多く、そこから外れた行動を取ることになった際、焦りが一気に襲ってくる。


ただ、そんな時はすぐに計画を修正し、決まったことを踏まえた上での最善手を考え続けることが大事なんだと思う。

そうやって考え続けた先に、今回の僕のように
「実はこれも最初からアリな道だった」
と気付くケースもありえるし、
「当初は思い付かなかったものが出来るようになった」
みたいな事もあるかもしれない。

もちろんこんなにキレイな決着がつかない事もあるだろう。
でもとにかく、配られたカードで勝負するしかない訳で、計画に不具合があったとしても、それを利用して有利な状況を作り上げる必要があるのだろう。


最近見た映画で「一番いい計画は無計画だ」なんて言ってのけた人がいて、それも一つの正解なのかなと思った。
それは思考タイプの話でしかないし、そうやって動ける人は尊敬する。

ただ、それが出来ない多くの人は、この記事で伝えたかった考え方を利用して強くあってほしい。
こんな記事を少しでも「面白い」なんて思ってくれたら、また僕の小さな挫折に意味を持たせられるから。


文責:清田

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