"巨星"墜つ(上)
ー漫画家/さいとう・たかを
ここ1カ月だけで、一時代を築いた各界の"巨星"が相次いで堕ちた。ハードボイルド劇画『ゴルゴ13』の作者、さいとう・たかを。人気ゲームソフト『ドラゴンクエスト』シリーズの音楽を手がけたことでも知られる作曲家・すぎやまこういち。そして、甲子園を沸かせた「ハンカチ王子」こと、プロ野球・北海道日本ハムファイターズ投手の斎藤佑樹が球界から引退を決めた。いずれも存在感が大きかっただけに寂しい。ただ、各界に新陳代謝を起こすきっかけにもなるだろう。新たな時代への期待感もある。
『サバイバル』シリーズ
さいとう・たかを。9月24日、膵臓がんのため死去。享年84歳。さいとう・たかをといえば、何と言っても『ゴルゴ13』。ただ個人的には、1976年から78年にかけて『週刊少年サンデー』に掲載された『サバイバル』シリーズがお気に入りだ。もちろん、リアルタイムで読んだことはない。後になって単行本を友人に借りて一気に読んだ。
大地震で生き残った少年・鈴木サトルが、過酷な環境下で生き抜く姿を描いたストーリー。自然の中で、誰に頼ることなく、知恵と工夫で難しい状況を乗り越えるサトル少年に、憧れとライバル心を密かに抱いたものだ。学生時代、運動部に属する一方で、バックパッカーになったのは、この作品の影響も決して小さくない。
期待と不安
『ゴルゴ13』を連載中のビッグコミック編集部によると、『ゴルゴ13』はこの先も続くそうだ。「今後は、さいとう・たかをの遺志を継いださいとう・プロダクションが作画を手がけ、加えて脚本スタッフとビッグコミック編集部とで力を合わせて連載を継続していく」という。今後、この作品がどんな形になるか、気を付けて見ていきたい。
新たな時代の『ゴルゴ13』に期待と不安が入り混じる。(続く)
(写真〈上から順に〉:『りすの独り言』トップ画像=フリー素材など基にりす作成、「最も発行巻数が多い単一漫画シリーズ」としてギネス世界記録に認定された漫画『ゴルゴ13』とさいとう・たかを〈作者〉=GIGAZINE)
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