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一番得するのは誰?

日本初の「ムーミン」テーマパーク、本格オープン

お金の匂いがプンプンする。フィンランド発の人気キャラクターで、日本でもお馴染みの「ムーミン」を題材にしたテーマパーク「メッツァ」(埼玉県飯能市)がグランドオープンした。4月にNHKで始まるアニメ「ムーミン谷のなかまたち」とのシナジーを発揮し、当面、多くの来場者が見込まれる。利害関係者の懐を存分に潤しそうだ。先行きは東京ディズニーリゾート(TDR)のように長生きするテーマパークになるかが焦点。周辺の自然や住人たちとの調和も重要になる。個人的に話のネタとして行ってみたいが、奥さんにはその気がまったく見られない。

※「ムーミン」シリーズ:「『そうだけど、それが何か?』

「メッツァ」の成功は、企画・運営するムーミン物語だけでなく、移動の足となる鉄道・バスの運用会社のほか、ホテルや宿泊といった宿泊施設にも大きな売り上げ増をもたらす。テーマパークに行かないと買えない限定販売グッズも、根強いムーミンファンの収集癖をくすぐり、定期的なリピート訪問も期待できるだろう。

来場者が電車からバスへの乗り換えで使うテーマパーク最寄りの西武線・飯能駅周辺の商店街が潤う可能性がある。また埼玉県、飯能市も税収増が見込めるなど、利害関係者は多い。それでも一番儲かるのはムーミン物語の親会社で、おそらく、このテーマパークの構想を描いただろう投資銀行のフィンテックグローバルか。これを実績に取引先を増やすことも期待できる。

友好の架け橋

このテーマパークは16日にムーミンの世界観を楽しめる「ムーミンバレーパーク」が開業。これに先立って営業を始めていた北欧のライフスタイルを体験できる「メッツァビレッジ」と合わせ、本格的なオープンを迎えた。ムーミンの原作者であるトーベ・ヤンソンの母国、フィンランド以外の国では世界初のムーミンテーマパークだ。

この日、開かれたオープニングセレモニーには、原作者の姪でムーミンキャラクターズ会長のソフィア・ヤンソンも出席。駐日フィンランド大使館によると、とても上機嫌だったとか。日本とフィンランドの友好の架け橋となるよう期待されているが、架け橋となるのはテーマパークではなくムーミンで、そこには個人的に違和感を感じる。

自然豊かな宮沢湖の湖畔にあり、周辺の環境を楽しめるサービスを提供する。そのため、TDRやユニバーサル・スタジオにあるような従来のハリウッド型のアトラクションを多く備えるテーマパークに比べ、アトラクションの更新費用が抑えらそうだ。収入が増えれば増えるほど、利益が膨らむ仕組みと言える。

奥さんはムーミンテーマパークにあまり関心がない。「そこにあるそのままの自然の方がよっぽど良い。そもそもテーマパークはお金を取る。自然を生かすと言っても儲けが中心になる」と一刀両断。たとえ、4月にスタートするアニメで、スナフキン役に大好きな高橋一生が抜擢されても考えは変わらないらしい。さらに寂しげに言葉を継ぐ:

「わたしの中のムーミンは岸田今日子が声優じゃない時点で終わったのよ」

(写真〈上から順に〉:16日にムーミンバレーパーク開業=「ムーミン」公式HP、ムーミン屋敷「ムーミタロ」を再現=ファッションプレス、かつてムーミンの声を担当した故・岸田今日子の若かりし姿=miima)

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