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復職するためにリワークに通ってみた

 昨年の2月に休職し、8月からリワークに通い始めついに今月卒業の運びとなりました。

 リワークに通う前はとても心配でした。優しい世界に身を置いてしまうと、復職後にギャップでまた打ちのめされてしまうのではないか?
 また、リワークの内容を確認すると計算ドリルや読書感想文の時間もあり、いい大人が何でこんなことをせねばならんのだ!とプンスカした時もありました。

 しかしそんな我儘は言っていられません。このままでは本当に社会復帰できなくなる。そんな思いで何とか這いつくばりながら4ヶ月間必死に頑張った結果、心身共に健康を取り戻すことができました。
 今後もこの健康を維持し、未来の自分を助けるため継続していきたい事をここに記録します。

リワークとは?

 リワークとは、精神疾患で休職した人たちの職場復帰を支援するプログラムのこと。「return to work」の略語で、医療機関や地域障害者職業センターのほか、企業内でも実施しているそうです。
 仕事に近い内容の作業を行ったり、認知行動療法などの心理療法を受けたりすることで、復職後も再発しないように準備をしていきます。私が参加したリワークでは、本の要約や集団での討論を経験しました。
 期間は私の場合4ヶ月でしたが、短いと数週間、長い所だと年単位で参加することもあるそうです。

リワークに行って良かったこと

①自分の病気に本気で向き合えた

 リワーク通所以前も双極性障害についての本は読んでいました。しかしリワーク後に「全然自分のこと分かっていなかったな」と痛感しました。

 リワーク中に読んだ本は計6冊。中には病状を記録して体調の波を把握するワークブックが収録されているものもあり、4ヶ月間じっくり向き合い記録し続けました。

 その結果、体調を可視化して客観視することができ、自分の中で最も悩まされていた過集中を防ぐコツを掴めるようになりました。この本のおかげで大変助けられたので、同じ病で悩んでいる方がいたらぜひ試してほしいワークになっています。


②体調管理ができるようになった

 4ヶ月間毎週、1週間の行動予定と振り返りを紙に書いて提出していました。働く社会人ならスケジュール管理なんて当たり前では?と思われるかもしれませんが、ここまでじっくり振り返りの時間を取れたのはリワークのおかげだと思います。

 私はPDCAのC(Check)が甘いせいで改善が思ったようにできないという悪い癖がありました。提出義務があったことはかなり大きいですが、毎週目標を立てて週末に分析したことで自分の体調に合った行動サイクルを把握でき、結果「1週間終日活動しても疲れない動き方」を見つけることができました。

 例えば「毎朝散歩する」を目標に掲げた週は、結局疲れて帰宅後寝るという失敗に終わりました。そこで「朝散歩」ではなく「朝10分日光浴」に切り替えたところ、眠気に負けずに気分良く過ごせました。
 このように、分析の時間をしっかり取ることの重要性に気付けたことは、大変大きな収穫となりました。

③コミュニケーションに自信がついた

 これは本当に、本当に、大きな改善でした。
 休職前の自分は(かなり性格が悪いのですが)「雑談は意味がない」と思っていました。業務上必要なコミュニケーションが取れていればそれ以外の時間は他者に費やす必要がないと本気で思っていたのです。

 そこで自分に革命を起こしてくれたのが「アサーション」です。アサーションとはコミュニケーションスキルの1つで、相手の気持ちに寄り添いつつ、自分の主張もしっかり行うという自分も相手も大事にするコミュニケーション方法です。

 雑談をおざなりにしてきた私にとって、初対面の人たちとの会話練習は「この人はどうしてこの言葉を選んだんだろう?」「こうすれば相手を傷つけないかな?」など、相手に傾聴し共感するという考え方の変化を生みました。アサーションには細かいテクニックもあるので、参考にしていた本を紹介します。


おわりに

 結論、リワークは通って本当に良かったです。上記3点以外にもメリットはたくさんありました。生活リズムの安定、集中力改善、コミュニケーション能力の向上、夫の親戚と臆することなく雑談できるスキルなどなど…。

 復職を目指しているがまだ自信がない、リワークを考えているが続けられるか不安、などの悩みを持っている方がもしいたら、この記事が少しでも一歩踏み出す助けになれば大変嬉しく思います。

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