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絶対音感を持つ私のちょっとした悩み。

絶対音感があることを自覚したのは、確か中学生になった頃。
入部した音楽部の顧問でもあった音楽の先生が気づき、私に教えてくれたんだったと思う。

絶対音感は簡単に言うと、

音を聞いたら、何か基準の音がなくてもすぐに音名(ドレミ)が分かる能力

といったところだろうか。

ちなみに、『何か基準の音があれば聞いた音の音名が分かる』のは、相対音感があるってこと。


世間一般において、絶対音感がある人=スゴイ、みたいなイメージを持つ人が多いように感じている。
…というのも。過去から今まで、自分から「絶対音感がある」と積極的に言うことはなかったものの、気づく人は気づくので、聞かれたら素直に答えていたのだけれど。伝えると大抵「スゴい」「いいな~」「うらやましい」などと返ってくることが多かったからである。

ただ、私はそう言われると恐縮してしまう。
なぜなら、絶対音感の中でも性能レベルのようなものがあり、私自身はMAXレベルではないからだ。

相手が思う『絶対音感があると出来ること』のイメージと、私が『実際出来ること』に差が生まれているのでは…という懸念があったし、現にそうだったこともある。その差が発覚するたびに、相手からの期待を裏切るようで何だか勝手に切なくなってしまう🤣

かといって、差を無くすために毎度詳しく説明するのも大変だし、そこまですることでもないよな…とも思ってしまったりで、だから現在も自らあまり公言しないスタンスをとっている。


私の絶対音感レベルについて


『私の絶対音感はMAXレベルではない』と書いたが、じゃあどの程度なのか?
以下、簡単に羅列してみる。

  • 基準音無しに、ランダムで出された音の音名が分かる(ピアノの白鍵、黒鍵すべて)

  • 流れてくる曲を音名に変換して聴ける(聴こうと思えば歌詞のある曲も)

  • 初見で(楽譜を見てすぐ)アカペラで歌えたりピアノで弾ける

  • 複数回、耳で聴いただけの曲をアカペラで歌えたりピアノで弾ける

  • 簡単な曲であれば、聴いて楽譜に書き起こせる(耳コピできる)
    ※ただし音が重なれば重なるほど難しくなる

  • 学校のチャイム、救急車のサイレン、時報、踏切音、機械のモーター音などの音名が分かる

  • 自然音、大体の生活音はほぼ分からない(超集中して聴けば分かる音もある)

  • その音が何Hz(ヘルツ)かまでは分からない(高め、低めは何となく分かる)

…こんなレベルである。
『こんな』と表現してしまうのは、もっと高レベルの方々がいるから。

とはいえ過去において、いや!これだけでも充分スゴいから!と言ってくださる方もいたのだけど、つい「そんなそんな私なんて…」と言っちゃってたことが多々あった。
けれどマインドも変化してきたのもあって、これからは自分を卑下せず素直に受け取ろうと思ってる次第。嬉しい。ありがたい。


いつ、どこで、どうやって身についたのかは、自分でもよく分からない。
でも、小1から習い始めたピアノの影響を強く受けて、自然と身についたのではないかと思っている。
(ピアノ自体は中2まで約7年、レッスンに通っていた)

中学で先生に指摘されるまでの間、私の中ではこの能力があることが"普通"で"当たり前"だった。だから、そこまで珍しいモノだなんて、皆が皆持っているモノではないなんて、自分とは別の『ない世界』があるなんて、まったく思ってなかったし知らなかった。
しかも、この能力に名前までついているとは。まさに寝耳に水。当時の私はすごく衝撃を受けたのだった。


絶対音感があることで感じたメリット


悩みを書く前にまず、絶対音感を持っていて良かったと感じたことを挙げてみようと思う。

  • 楽譜を読むだけで演奏前に曲のイメージが掴める

  • 結構早く暗譜できる

  • 耳コピで着メロを作れる(古w

  • 耳コピで楽譜を起こせる

  • 自分1人で楽器のチューニングがある程度できる

  • アカペラで正しい音程で歌える

…とまぁ、良かったのかどうなのか何ともいえないモノもあるけどw、とりあえずはこんな感じかと。

メリットを一番感じたのは、中学・高校時代。
中学では、ピアノを習っていたこともあって、毎年合唱コンクールのピアノ伴奏を務めていた。早く正確に暗譜出来たのはありがたかったな。

高校では吹奏楽部に入部した関係で、絶対音感をかなり活用していたから、中学以上に価値を感じていたと思う。
自分の楽器のチューニングが短時間で出来たし(とはいっても最終的にチューナーとかを使ってきちんと合わせてたけど)、コンサートマスターとして基準音を出し、その音に合わせて各パートごと・楽器全体の音を揃えていくのにも役立った。

この頃が一番、音に触れている時間が長かったから、耳の感度も一番良かったんじゃないかなぁ。倍音もばっちりすぐ聞こえてたし。
今はかなり意識しないと聞こえないから、やっぱり使ってないと徐々に衰えてきちゃうのかもね。


絶対音感があるがゆえの悩み


いざ、本題へ。
絶対音感持ちの私が抱える、ちょっとした悩みとは…

①原曲キー以外のキーでは歌えない

カラオケに行ったりすると、歌いやすいよう自分の声域に合わせてキー調整をおこなう人が多いかと思う。だが、私はキーをずらすと歌えなくなってしまう。
聴いたキーのメロディをドレミで記憶しちゃうからかなぁ。変えると曲の雰囲気もあわせて変化するし、とにかく違和感を感じちゃう。

ただ、事前に移調したバージョンを聴いておくか、時間をかけて頭で考えれば歌えなくもない。移調後のメロディをまたドレミで覚え直す作業をおこなうのだ。…うん、疲れるからあまりやらない🤣


②歌が上手いと思われる

はい、コレ。

絶対音感がある=歌が上手い

…ではない!!!!!

この点に関しては、そう思われていることが本当に多いので、声を大にして言いたいっ!上手い人は他にわんさかいるから!!w
過度に期待しないで!ハードル上げないで!!🤣

確かに、狙った音をほぼ外さずに出せはする。音程は正確に取れる。
だからといって、それだけで『歌が上手い』とはならないよね。抑揚やビブラート、ミドルボイス等々のテクニックを使ったり、発音や声量、リズム感も関係してくるし、何より表現力も必要だろうし。

それを踏まえると、私はほんと平均的な感じだと思う🤣
そこまで声量があるわけでもなく、どちらかというと滑舌も良くなく、テクニックも特に習得しておらず。1曲歌いきることに必死で、なかなか「こういう風に言葉を届けよう」って表現するまでに至ってない状況。
機械のごとく、ただただ原曲キーで正確に歌える、そんな感じなのである…!

上手くなって、もっと楽しく歌いたいよねぇ。ボイトレ受けてみたい。


ちなみに…以前までは、

絶対音感があることを明かすと、誰も一緒にカラオケへ行ってくれない

という悩みも持っていた🤣

理由を聞くと、

「自分の下手さが浮き彫りになるから」
「音痴がバレるから嫌」
「口で言われなくても、心の中で何を思われてるか分かんないから怖い」

…との回答が多数。
お姉さん、言われるたびに正直しょんぼりだったよ…!🤣

対応策としては、

  • 絶対音感があることをむやみに明かさない

  • 私をまるっと受け入れてくれる人&特に気にしない人と行く

  • ヒトカラを楽しむ

ってところに落ち着いてるかなと🎤笑


③音楽を聴きながらの作業がやりづらい

店内で流れる音楽に耳を傾けながら、あるいはヘッドホンやイヤホンをしながら、勉強したり仕事したり、読書したり。
周りを見渡せば、よく目にする光景。私にとっては、ちょっと憧れてしまう光景でもある。

なぜなら、私は基本的に何か音楽を聴きながら作業すると、集中しにくくなり、スピードダウンしてしまうから。クオリティにも影響するので、特定の環境下では出来ないことなのだ。

これは、何をおこなうかだったり、音楽のジャンルによっても、度合いが変わってくる。
例えば、家の中や店内で音楽が流れている場合。
人と話している時や食事中は、自然と絶対音感スイッチをオフにして、音名への変換をストップしている。なので、特に何も気にすることなく話すこと、食べることに集中できるし、楽しむことができている。

そう、絶対音感が必要でないシーンでは使わずにいることができる。
…はずなんだけど。

このnoteも含め、SNS等で発信するために文章を書く時、誰かにコメントしたり返信したりする時、1人で内観したりアイデアを書き留めるためにノートへ書き出す時、読書する時などは、何故かうまくスイッチオフできない。音に引っ張られがちで、どうにも集中できず作業が進みづらいのだ。

流れてくるBGMの他にも、イヤホンを装着して歌ありの曲やラジオ、ポッドキャストを聴きながらだとか、動画を視聴しながらの作業も厳しい。
書く・読む文字や内容に加えて、曲の歌詞、話の内容、メロディが変換された後のドレミ等、それらが頭の中へ一気に流れ込んでくる感じ。軽くパニックになってしまう🤣

それでも、落ち着いた曲調のクラシックやジャズ、インストならまだ大丈夫。でも歌無しの曲だとしても、メロディを一度覚えてしまうとドレミに変換しちゃうのでNG。
逆に、完全な無音環境でも静かすぎてソワソワするから、イヤホンして自然音やホワイトノイズを聴き流してる時が一番作業がはかどってるかなと思う。

ただ例外的に、読書についてはマンガや雑誌とかなら何を聴きながらでも大丈夫なんだよね…w
すべてのジャンルを試したわけではないけど、多分、脳内で情景をイメージしなくて済む本であれば、音を気にせず読めるのかもしれない。


④注意が必要な処方薬がある

あまり起こらないことなので、悩みとまではいかないかもしれないけど。
数年前、風邪を引いた際、予想以上に長引いてしまい、結局病院へ。
そこで処方された薬を飲んだところ、珍しいことに副作用が出てしまったのだ。

その副作用の内容は、

すべての音が半音下がって聴こえる

…というもの。
飲んで数時間後、この違和感にすぐ気づき、翌日再度受診。
診断結果は『聴覚異常』。
薬の服用は1回きりで止めたものの、元に戻るまで確か1~2週間はかかったと思う。

絶対音感のない人にとっては、生活を送る上で特に支障はないかもしれない。が、私にとっては予想外の大打撃…!
音感が戻るまでの間、耳に入ってくるさまざまな音がすべて、いつもと異なる音程で聞こえるという苦痛。もう不快感MAX!!でも人の声はそこまで気にならなかったのが救いだったかな。
ともあれ、常に混乱状態だわ、仕事も集中しにくいわで、かなりストレスフルな状態で生活することとなったのだった。あれはもう二度と経験したくない!🤣

普段、何気なく聞き流している音が、こんなにも自分に影響を与えているとは…そのことを身をもって体験した出来事だった。
ちなみに、処方されたのは「フラベリック」という咳症状を緩和する薬だったんだけど、改めて軽く調べてみたら、2020年に販売中止となっていた模様。なんと…!


⑤音に敏感で疲れやすい

これは絶対音感だけではなく、聴覚過敏なのも関係があるかと思う。
イヤホンをしないまま人混みや繁華街、駅などのざわついた場所へ行くと、いろんな音を一気に拾ってしまいやすいのか、特に疲れやすい。何とか帰宅するも、ぐったりしてしまいしばらく寝込んだり、数日外出できなくなることもある。

私自身の体や心の調子にもよるが、上階や近隣の家から聞こえる生活音なんかも結構大きな音で響くので、つい気になってしまいがち。気温が上がるにつれて窓を開ける家庭も増えるから、一層聞こえやすくなって余計に気になっちゃう。
これはもう、イヤホンしたり窓を閉めたりして日々乗り切ってるんだけど、根本的な解決策としては引っ越すしかないのかなと思ってる🤣

あとは、時計の秒針音やペンのノック音、キーボードを打つ音なんかも、気になる時は気になるかな。

最近、買ったはいいけど耳にフィットせず、ストレスを感じていたイヤホンを母へ譲渡したので、早急にNewイヤホン or ヘッドホンが欲しい。骨伝導のやつとかも気になってる。




以上、ちょっとで済んでないような済んでるような、そんな悩みをつらつらと書いてみた笑
表にはそんなに出さないけど、実はこういう悩みを抱えてたりするのである。

この記事全体を通して、私を含め、絶対音感のある人たちが生きる世界について少しでも知ってもらえたら、伝わっていたら嬉しいな~なんて思う😎

今現在、絶対音感を活かすようなことはしてない(見つかってない)んだけど、もし何かお役に立てることがあれば、ぜひお気軽にご連絡くださいませ💌

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