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攻めと守りのシステム基盤改革。マルチプロダクト開発を支える“最終防波堤”としての矜持
合計6つのプロダクトをBX(ブランド体験)プラットフォーム「BOTCHAN」として提供するwevnal(ウェブナル)。マルチプロダクトという強みを武器に、組織も急成長を遂げる中で開発の精神的支柱として支えてきた人物がいます。それが、23年7月に一人目のSREとして入社した今岡祥さんです。
14期上半期全社総会では、入社して半年ながら表彰を受賞。組織で唯一のSREとして、プロダクト全体の信頼性向上のために取り組んできた実績が評価されました。
入社から約1年が経ち、今岡さんが感じているwevnalにおけるSREの役割や存在意義とは何か。具体的な取り組みとともに、今後の展望についてお話を伺いました。
※前回の記事はこちら
アーキテクチャのモダン化で目指す開発体制の効率化
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──この1年間ではどのような業務に取り組まれてきたのでしょうか。
CTOの鈴木さんと密に連携をとりながら、各プロダクトの基盤統一に向けて取り組んできました。
各プロダクトの障害対応と日々向き合いながらも、システム上の技術負債の解消やインフラを含めたアーキテクチャのモダン化を目指しています。
アーキテクチャのモダン化とは、システムの基盤を最新の技術に置き換えて、より効率的でパフォーマンスの高い運用を目指すこと。具体的には、古いツールやシステムを新しいものに更新し、全体のパフォーマンスの向上を目的に行われます。
そこで私がこの1年間で取り組んだのは、オブザーバビリティの向上でした。オブザーバビリティ、つまり「可観測性」を強化することは、システムの健康状態を把握し、エラーの予防や検知ができるようにするために非常に重要です。
まず、レガシーなシステムを対象に Datadog を導入しました。これにより、システム全体のメトリクスをリアルタイムで監視できるようになり、異常を迅速に検知することが可能となりました。また、モダン化されたシステムには New Relic を導入したことで、アプリケーションのパフォーマンスを詳細に分析し、ボトルネックの特定と改善が実施できるようになりました。これらと並行して、Sentry の導入も進めたところ、エラートラッキングと例外管理が容易になり、これまで検知しづらかったエラーにも迅速に対応できるようになりました。
これらのツールの導入により、監視体制の強化に加え、有事の際の社内対応プロセスの整備にも取り組み、全体的な運用効率が向上しました。このように、システムの可視性が大幅に向上し、問題の早期発見と迅速な対応が可能となったことで、今まで顕在化していなかった課題も発見できたことは、悲しくも嬉しい誤算ではありましたね。
──アーキテクチャのモダン化は、プロダクトにおけるシステムの信頼性向上のほかにもメリットがあるのでしょうか。
システム基盤の統一により、組織全体における開発リソースの整合性を高めることができます。
またエンジニア自身の心境としても、労力や負担のかかる古いアーキテクチャを使い続けるよりは新しい技術を扱うほうが開発意欲も上がるかもしれません。
運用業務を効率的にすることで「攻め」の開発への貢献につなげたいと考えています。
開発を止めない。「守り」と「攻め」のバランスを保つ難しさ
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──近年、SREはどのような役割を担っているのでしょうか。
SREはシステムの信頼性や運用性などさまざまな観点から管理する役割を持ちます。
とくにインシデントが発生したときには、速やかに解消して正常に利用できるようになるまでの対応とその後の防止策を講じる必要があります。
もともとはGoogleがシステム運用の方法論として提唱したもので、サービス・会社の規模の大小を問わず信頼性向上のために有効であると考える企業も増えてきました。
私としては1年前のインタビューでもお伝えした通り、開発部にとっての「最終防波堤」として存在することがSREとして働く上での矜持となっています。
だからこそ、他部署では対応できなかった問題が回ってくるのですが……何としても解決させなければならないプレッシャーや大変さはあるかもしれません。
──wevnalは「BOTCHAN」シリーズとして合計6つのプロダクトを展開しています。SREとしてマルチプロダクトを扱うことにはどのような難しさがありますか?
各プロダクトのリリースタイミングやフェーズも違うため、プロダクトごとに異なる環境のまま開発が進んでしまったケースもあり、ガラパゴス化の解決は難しいですね。
またプロダクトの成長に伴ってデータ量やトラフィックの量が右肩上がりに増えていく一方で、サーバーのリソースは有限です。
プロダクトの成長を止めないようリスクを最小限に抑えながらも、並行してシステム基盤の最適化を進めていくか。そのバランスが悩ましいですね。
集中管理から分散管理のネットワークへ
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──この1年間振り返ってみて、どのような変化がありましたか?
今ではさまざまなメンバーから有事・平事関係なく相談をもらえるようになったことは嬉しい変化です。
エンジニアだけではなくセールスやCSのメンバーが、システムに対して理解を深めてくれていることも有難い限りです。全社的に、監視ツールのデータをもとにしたコミュニケーションがとれている実感があります。
──それでは最後に、今後の展望をお聞かせください。
まずは、この1年間ひとりでSREの業務のすべてを担ってきたので、さらに集中的にコントロールしてサービスの安定性を保てるよう、今後はチームを成立させることができればと考えています。
ただこれはSREとして独立したチームを持つという意味ではありません。
各プロダクトごとにSREとしての役割を担えるようなメンバーが所属していて、それぞれが有機的に連携を行いながらシステムの安定性を保つ。
実体ではなく、概念として組織に根付かせて集中管理から分散管理のネットワークが社内に出来上がることがwevnalで目指すSREとしての完成系ですね。その理想の実現に向けて引き続き取り組んでいきます。
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