見出し画像

男性アイドルのライバル遍歴(90年代~00年代)

男性アイドルは、1960年代のグループサウンズ70年代の新御三家、学園ドラマの俳優、80年代のたのきんトリオ、チェッカーズなど、さらにアイドルの定義を変えたSMAP、国民的アイドルになった嵐、その一方で独自のスタイルを構築したDA PUMPやEXILE、菅田将暉ら特撮ドラマ出身の俳優、K-POPアーティストなど現在にまで多くの男性アイドルが活躍しているが、今回は1990年代、2000年代の男性アイドルとライバル構図だった歌手たちに関して紹介したいと思います。

※1980年代
たのきんトリオ(田原俊彦、近藤真彦、野村義男)、シブがき隊、光GENJIなどのジャニーズ勢に対抗して沖田浩之、風見慎吾、吉川晃司、竹本孝之などの男性ソロ歌手、C-C-Bやチェッカーズといったアイドルバンドなどが活躍した。

■1990年代 - ヴィジュアル系 vs ジャニーズの時代

1990年代に人気を博したV系バンドとジャニーズアイドルたち

この時期はアイドル冬の時代と呼ばれ、男性アイドル人気も下火となる。その代わりにX JAPAN、LUNA SEA、L'Arc〜en〜Ciel、GLAYといったヴィジュアル系バンドが若い女性層から人気を博す。事実上、ヴィジュアル系バンドが男性アイドルのポジションを埋めるような役割を果たした。このような状況から男性アイドルの競合が無くなり、ジャニーズ事務所も停滞期を迎えるが、1994年頃からSMAPがブレイク。その後に続いてTOKIO、V6、Kinki Kids、嵐がデビュー、同時期にジャニーズJr.も人気を得てジャニーズ全盛期と呼ばれる。この状況に触発されたライジングプロダクションが安室奈美恵やSPEEDに次いで売り出したのが男性グループのDA PUMPだ。SMAPの対抗馬として歌やダンスだけでなくバラエティ、コマーシャル、ラジオ、ドラマ、映画など様々な分野で活躍をし、ジャニーズアイドルと共に男性アイドル界を盛り上げた。ジャニーズはマルチタレント的な路線での活躍を目指したのに対し、DA PUMPはアイドルではあるがジャニーズとは違った優れた歌やダンスを武器に活躍するアーティスト路線を目指し、最初からジャニーズとの競合を避ける形で活動した。

■2000年代 - ジャニーズ vs イケメン俳優の時代へ

2000年代に人気を博したイケメン俳優たちとジャニーズアイドル

ジャニーズのライバルは他事務所の男性アイドルではなくイケメン俳優に取って代わることになる。ジャニーズ事務所は、90年代後半に全盛期を迎えたものの、SMAPやKinki Kidsなどのグループが20代となり、2000年代に入ると人気が落ち着いた。2001年頃から2006年にKAT-TUNがブレイクするまでの間、なかなか大衆的人気を獲得するグループを排出できず、しばらく低迷期を迎える。その一方で、90年代後半から00年代前半にかけてスーパー戦隊シリーズ・仮面ライダーシリーズといったニチアサ特撮番組に出演していたイケメン俳優、ジュノン・スーパーボーイ・コンテストからデビューした若手俳優陣たちの活躍が目立ち、中高生や若い女性たちから大人気となる。ジャニーズ事務所は他の男性アイドルと競合しなくなったため、ジャニーズのライバル枠が空白となっていた。その空白枠を狙ってデビューしたのがEXILEやw-inds.などのダンス&ボーカルグループたちである。歌って踊れる男性アイドルがジャニーズのライバルでなくなったため、そのポジションを狙ってデビューするダンスグループが増えたというわけだ。

※2010年代 - YouTuber vs K-POPアイドル
そして2010年代、前半はジャニーズやLDH系列グループなどが人気を継続したが、中盤からはYouTubeで活動しているHIKAKIN・はじめしゃちょーをはじめ、東海オンエアやフィッシャーズといった男性ユーチューバーたちが台頭。「近所のお兄さん」・「男友だち」的な感覚で視聴者と身近に繋がれる存在として女子中高生から大きな支持を集める。それに加えてK-POPアイドルたちも10代から人気を得た。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?