人体を支配するしくみ「人体にみる進化の痕跡」14
毎週水曜日は、Newton「人体を支配するしくみ」を、見開き2ページずつ読み進めるシリーズです。
どんなに難しい本でも、少しずつ読めば必ず理解できるはずというコンセプトなので、「人体の進化に興味はあるけど、難しそうだし面倒くさい」という方には、丁度いい内容になると思います。
僕も読んでいく中で学んでいく立場です。
ぜひ一緒に学び成長し、分かる楽しみを共有していきましょう。
ヒトの体が持つエラの痕跡
哺乳類や鳥類などが持つ副甲状腺は、エラに起源があった
本書によると、「これまで陸上で生活する脊椎動物は、進化の過程でエラを消失したと考えられてきましたが、遺伝子研究からエラは副甲状腺へと姿を変え働き続けていることが分かった」そうです。
副甲状腺とは
副甲状腺とは、のど仏の下にある甲状腺に張り付いている米粒大の器官で、副甲状腺ホルモンを分泌する機能があります。
副甲状腺ホルモンは、神経や筋活動の調整や、血液を凝固させる時に使うカルシウムが体内で不足状態になると、「骨からカルシウムを溶けださせる」という司令をだす物質です。
エラと副甲状腺の共通点
エラは形状・機能面で、副甲状腺とは全く異なるように感じますが、じつは体内のカルシウム濃度を監視するセンサーが備わっているそうです。
水中の脊椎動物は、体内でカルシウムが不足すると、エラを介して水中のカルシウムを取り込みます。
陸上に上がった生物は、水からミネラル(カルシウム)を摂取することができないため、エラを進化させ必要に応じて、自分の骨からカルシウムを抽出できるようにしたというわけです。
エラが副甲状腺になったというのにも驚きましたが、エラにカルシウムを調整する機能があることにも驚きました。
生物は形を変えても、必要な機能は変わらないんだなと改めて思いました。
次回(7/19予定)からは、第2章 遺伝子とポストゲノム編「遺伝子が解き明かす生と死のシナリオ」です。
それではまた