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「遺伝のしくみ」を理解しよう(17)

毎週水曜日は、Newton「遺伝のしくみ」を理解するシリーズを配信しています。

どんなに難しい本でも、少しずつ読めば必ず理解できるはずというコンセプトですすめています。

今回からは、「もっと知りたい遺伝Q&A」を全4回で掲載します。

男の子は母親似、女の子は父親似が多いって本当?

<ニュートンの回答>
A:科学的な根拠はありません。異性間で似ていると印象に残りやすいのでしょう。

ニュートンの回答では、気のせいということですが、みなさんはどう感じましたか?

僕は、「本当に?」とはじめ思いましたが、この回答に至る根拠を聞いて納得しましたので紹介します。

なぜ「科学的根拠がない」と言われるのか?

理解する上で必要となる 2つの知識

今回の「根拠がない理由」を理解する上で、必要な知識が2つあります。

①性別の遺伝にはXとYの染色体が関係し、男性はXY、女性はXXをもつ。
②男性(XY)のXは100%母親から遺伝したもの。

①は知っている方も多いですが、②はいかがですか?

僕は②について、今まで考えが及ばなかったので、「根拠がない」という回答に納得がいかなかったことが分かりました。

腑に落ちていない方は、ぜひ最後までお付き合いいただけると嬉しいです。

なぜ男性のX染色体は、100%母親から遺伝するのか?

性染色体は両親から50%ずつ遺伝し、「XXなら女性、XYなら男性」となります。

男:(X + X) + (X + Y) → XY
女:(X + X) + (X + Y) → XX

つまり男性の場合、Yは男親からしか遺伝しないので、Xは必然的に女親になるというわけなんです。

もし仮に、男親からXを受け継ぐと、女親からもXを受け継ぐので、XXとなり女性となります。

・息子のXは、100%母親から遺伝される
・娘のXは、50%父親から遺伝される

X・Yで決まるのは性別だけ

性染色体で決まるのは性別だけで、顔つきや性格は他の遺伝子や生活環境の影響を受けます。

とりわけ遺伝に関しては、両親から50・50受け継ぐため、影響も等しくなります。

おそらく、母親と娘、父親と息子が似ていても当たり前でしかなく、逆に異性間が似ていたら印象に残りやすいことから、今回の誤解が生まれたんではないかと言われています。

ChatGPTの回答

今回の疑問をChatGPTにも投げかけてみましたが、同様の回答が返ってきました⇩。

<ChatGPTの回答>
これは、一般的に言われる"男の子は母親似、女の子は父親似"という言葉についての俗説です。しかし、科学的には正確な表現ではありません。

人間の遺伝においては、子供は両親から遺伝子を受け継ぐため、外見や性格、身体的特徴などには両親の要素が混ざり合います。ただし、どちらか一方の要素が強く表れることもあります。

しかし、個々の特徴は複雑な遺伝子の組み合わせと、環境要因によって決まるため、必ずしも母親似か父親似かということで一括りにできるわけではありません。また、遺伝子の影響が強く表れる部位や領域によっても異なるため、一概に言えないとされています。

つまり、"男の子は母親似、女の子は父親似"という表現は、あくまでも俗説であり、科学的に正確ではありません。遺伝要素は複雑であるため、個人差があることを理解する必要があります。


いかがでしたか?
僕個人としては、曖昧だったことが晴れて、とてもスッキリしました。

次回は、「隔世遺伝」についてです。
それではまた

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