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住民のアイデアを集めれば商店街活性化は成功するのか?


4店舗しかお店を開いていない商店街の活性化

昭和30年代には多くの商店がお店を開いていて、活気のあった商店街ですが、今ではお店を開いているのが4店舗しか無い商店街を活性化するのに県から助成金をもらって活性化に取り組むことになりました。

衰退を何とか食い止めたいと言う切実な願いを実現しようとする気持ちはとても大切で、私の出身地でもあるので協力することになりました。

自分自身は、インターネットで100%完結する仕事をしているので、事務所を移転しても何も問題は無いので、この機会に空き店舗に移転も検討しています。

ゴールを描かないリーダーたち

商店街活性化の助成金をもらって事業を行うことに住民に説明を行った際に「昭和30年代のような商店街が本当に出来ると思っているのですか?」と疑問を投げかけられましたが、何も具体的な回答をすることは無く、当時同席された県の職員の方からも、「何が出来るか分からないけれど、何か少しでも変化するように行動することが重要だ」との意見もあり、目指すゴールはうやむやにしたまま会合は終了しました。

その後の役員会でも、目指す商店街の理想像については全く議論されず、「皆さんの意見を聞かなければ」と言うばかり。

空き店舗の有効活用のアイデアを住民に聞くことに

固定資産税程度の負担をすれば貸しても良いと言う空き店舗があることから、その空き店舗の有効利用について住民にアイデア聞くことになりました。
「旧○○商店の空き家をどのように活用すればよいか?」と言う内容で、グループに分かれて、ブレーンストーミングを行って、まとめるワークショップを行いました。

出て来たのは商店街活性化では無く、老人福祉

私は、商店街活性化でワークショップを行っても意見は出てこないと思っていました。
実際に始まって見ると、商店街活性化のためのアイデアでは無く、自宅に引きこもっている老人が集まる場にして提供するや、カラオケ喫茶、麻雀、将棋が出来る場、子ども食堂を運営する。認知症カフェの運営。地域文化の保存などの地域住民へのサービスで、商店街活性化のアイデアとは思えない町外からの集客にはならない内容がほとんどでした。

問いかけた内容も「旧○○商店の空き家をどのように活用すればよいか?」で、商店街の活性化のための活用を聞いている訳では無いのです。

自宅にこもっていた老人が町に出ることで僅かに賑わいは出て来るでしょう。しかし、それが目指している商店街活性化なのかとても疑問です。

商店街を良くしたい?

今回のワークショップを経験すると、目指しているのは商店街を活性化(良くしたい)では無いのかな?と思ってしまいます。

本当に商店街を良くしたいと思っているのでは無く、地域課題を解決したいのでは無いかと感じています。

地域課題の解決も必要なのだと思いますが、商店街活性化と言って旗を上げたのなら、まずはそれに集中する必要があるのでは?

住民サービスは助成金が無くなれば消滅する

税収の減少により行政サービスも低下して来ているので、老人に対する支援が必要なことは理解しています。
しかし、受け取っている助成金は、商店街活性化のためのものです。

老人が住み良い町にするために空き店舗を使ってしまうと、収益化を描きにくくしてしまい、助成金が無くなれば事業は廃止になる可能性が非常に高いと思います。

リーダーたちは、今後、継続出来るような運営方法を考えると言うのだろうけれど・・・。

住民サービスは商店街活性化で生まれた利益で!

住民サービスが必要なことは十分に理解できますが、実施する以上は、利益を生み、助成金が無くなっても永続出来るものでなければ意味がありません。
住民サービスの様々な施策を出来る限り赤字を出さずに継続できるようにすることは勿論ですが、住民サービスが必要なのであれば、尚の事、商店街活性化で利益を生み出して、その財源から住民サービスの補填を出来るようにしておく必要があるのでは無いかと考えます。

自分自身では、商店街の活性化のゴールは考えて来た

自分自身はホームページのマーケティングを仕事にしているので、どんなキーワードがどの程度検索されているかなど、調査することが可能なので、商店街の活性化のゴールとしては、ユーザーを集客出来るコンテンツを空き店舗に設置して、活性化を行うのがベストだと考えていました。

自分では、商店街活性化(商店街の滞留人口の増加)の一点に集中して、ゴールを考えて来ました。

イベントの企画などは、商店街そのものに魅力が無いので、取り組みとしては考えられないし、商店街で統一したテーマの商品なども店舗数が少な過ぎて不可能で、全国の商店街の活性化の成功事例は全く採用出来ません。

商店街として集客する力が無いので、集客出来るコンテンツを作ることが問題解決になると考えています。

商店街の活性化とは?

ネット上にあった商店街活性化の定義は

商店街の活性化は「商店街のなかの繁盛店を増やすこと」に尽きます。

商店街活性化事業とは、商店街への来街者を増加させ中小商業・サービス業者の顧客増加や事業拡大を図るために、商店街振興組合等が地域住民のために行う事業です。

手段の連続は迷走の元

明確なゴールを決めずに目先の手段のみを決めて行くのは、最終的にどこへ向かうのか全く分からず、しかも住民に意見を聞いて手段を決めることは「船頭多くして船山へ登る」になりかねない。

恐らく、商店街活性化のリーダーたちは手段と目的の違いを明確に理解出来ていないか、目的を決めずに手段を連続することの危険性を理解していないと感じています。

明確なゴールを描いて住民に理解を得ることが重要なのでは?

商店街活性化を行うことは、経済活動であり、ボランティア活動ではありません。経済活動には強いリーダーシップが必要で、住民の意見を聞いて迷走することはあってはならない。

少なくとも、助成金を申請して商店街活性化のリーダーとなったのなら、地域住民よりも一歩も二歩も先を行っていて、活性化に成功している事例の調査や、商店街の現状や強み、弱み、魅力、などの現状把握や、何を強化すれば活性化に繋がるのか、何を生み出せば活性化に繋がるのかを勉強していないといけないと思います。

商店街活性化の課題を明確にして、課題をひっくり返す施策の検討などを事前に検討している必要があると思います。

明確なゴールを設定して、そのマイルストーンとして、老人の集まる場所の提供があるのなら問題無いが、何もゴールが無く、老人が集まる場所を作ることが商店街の活性化だとすり替えるのは大きな問題だと思います。

それをせずに、ただ助成金をもらったからとリーダーシップを発揮せず、何も調査せず、住民任せに進めることは花火を打ち上げただけになりかねない。

この状況に対する自分自身の考え(行先の分からない船には乗れない)

今回、活用のアイデアの募集対象になった旧店舗へ事務所移転を検討していますが、私からどれだけ言っても、手段と目的の区別が付かず、手段についての議論ばかりになっています。

どんな人でも同じだと思いますが、行先の分からない船には乗れないのです。

少なくとも現状での認識の違いは、私は、商店街活性化と考えて、滞留人口の増加をゴールと考えて来たが、地域の人たちは地域課題の解決を目指しているようで、持続性が描けない点です。

明確なゴールが見えず、地域が一体になって、ゴールを目指すような状況にならないのであれば、私が事務所を移転しても、助成金が切れれば空き店舗の存続が出来なくなり、事務所を元に戻さないといけなくなる可能性が非常に高いと思っています。

事務所移転そのものを撤回するか、まだ頑張って、ゴールを明確にするように促し続けるか迷っているところです。

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