不倫がテーマの小説の解像度

先月読んだ不倫ものの小説山田詠美のA2Z。


不倫に対する解像度が高くてそれなりに楽しく読めたので、このモードで不倫ものの小説をいくつか読んでみようと思い、まずは角田光代の紙の月を読んでみた。


既婚女性が年下の男とできてどんどん貢いでしまう話である。
ホスト狂い界隈でも昔からみられる構造だが、なぜ女はこんなに頭が悪いのか?という感想しかなく、先のA2Zの歳の差カップルと同じ構造であるにもかかわらず何故か共感が持てない。
まずは自分に自信の持てない女が好きになれないのかもしれない。
男女どちらが上でも下でも良いのだが、歳の差カップルといえども精神的には対等に近いバランスでなければただのグルーミング(性的手なづけ)ということになってしまうのが嫌悪感を抱くポイントなのかもしれない。

もう少しマシな不倫小説はないかと探していたところ東野圭吾も書いているということで「夜明けの街で」を読んでみた。


こちらは既婚男性が同僚の未婚女性と不倫関係に陥るという話にサスペンス要素が入った内容である。
結論から言うと恋愛ものなのかサスペンスものなのかどちらにしても中途半端でこれまた解像度が低い。
東野圭吾自信の若かりし頃の実体験をもとにした恋愛ものなのかもしれないが、それほどエグい内容になっていないし、とにかく男の方がほだされて、男ってこんなに馬鹿なのか?と思ってしまうような幼稚な不倫なのだ。
サスペンスにしたって動機が中途半端でやはり松本清張先生は偉大だな思うばかりである。

私の周りでも会社の同僚、同じような人間関係の中での不倫というのはよく見られるケースだ。
なんとなく趣味嗜好や経済的側面、あらゆる方向性がまあまあ近いのでわかるのだが、いずれにせよ近場で不倫をするとすぐにバレる上、ろくな結果にならないのが常だ。

不倫なんてものはもちろん自慢できたものでもないが、実際のところ人生のうちで一度や二度は経験するものである。
それでボロボロになる人も見てきたが、逆にうまく乗りこなし楽しい人生を送る人もいる。

先日昔の会社の同僚と飲む機会があった。
彼には妻、妻の連れ子が一人と夫婦間の子供が三人いる。
結婚して10年前後といったところだが、セックスレスになって2年ほどだという。
妻のことは愛しており、人生のパートナーとしては最高とのこと。別れる気は全くないのだが、彼は彼で性欲には抗えずたまにそんな雰囲気になると浮気をすることはある。
ただ恋愛感情は持てないため、ワンナイトということが多いのだとか。
もうすぐ50歳になるという年頃だが、昔から女遊びが激しくモテるので女性にはさほど困っていないようだ。
ただ、恋愛の関係になるのがもう面倒くさいとのこと。

これが女の立場になるとワンナイトというわけにはいかないことがほとんどだ。既婚女性が不倫をするパターンも近くであるが、彼女の場合はやはり特定の男性と一定期間関係を持っている。

この辺りの解像度の高い小説はないものだろうか?
男女の温度差などがリアルなものが読んでみたい。

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