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「ブランド」の力 ブランド構築と消費者心理

どーも、うぇいです。みなさんは、好きなブランドはありますか? 僕はアディダスが好きです。

自分が購入したい商品の中に好きなブランドがあると、優先的にそのブランドの商品を手に取ってしまう、そんなことがあると思います。

本記事は、僕たちの購買行動に密接に結びついているブランドについて、考えていきたいと思います。青木幸弘「ブランド構築と消費者心理」、杉本徹雄編『マーケティングと広告の心理学』、朝倉書店、2013年を主に参照しています。

内容は、以下の通りです。第1章は、そもそもブランドとは何かを説明します。第2章では、ブランド知識の構造について検討します。第3章では、ブランド知識が構築される流れを見ます。

1. ブランドって何?

もともと「ブランド」(brand)という言葉は、古代ノルド語のbrandr(「焼き付ける」の意)に由来します。また、英語のburnedから派生した名詞であるとされています。すなわち、ブランドの元来の意味は、自分が所有する家畜などを他の人の所有と区別するための「焼き印」であり、その後、陶工などの職人が自分の作品につけた目印を指すようになっていったらしいです。

以上のように、ブランド及びその付与行為としてのブランディング(branding、ブランド化)の歴史は古いのです。

ただ、今日的な意味としては、米国マーケティング協会の定義を参照することにしましょう。すなわち、ブランドとは「ある売り手の財やサービスを、他の売り手のそれと異なるものとして識別するための名前、用語、デザイン、シンボル、その他の特徴」と言うことができるのです。

ブランドの機能をざっくり分けると、①識別(標識)機能、②出所表示・品質保証機能、③意味づけ・象徴機能という3つの機能になります。順に説明しましょう。

まず、ブランドは、当該製品を他の似た製品から識別・区別させてくれます。その機能を担保するため、商標法などの法律があります。

ブランドが製品パッケージに使用される場合、その製造業者名が併記されるのがふつうです。ということは、その製品がどこで作られたかと、誰の責任において作られたかをブランドは示しているのです。

また、識別手段(標識)としてのブランドは、それが文字であれ記号であれ図形であれ、社会に共有される何らかの意味を有しています。それが結果的に、製品に意味を付与したり、ブランドの意味や価値を伝達していることになっているのです。


消費者の購買行動におけるブランドの役割は、さらに掘り下げると①探索コストの削減、②知覚リスクの削減、③情報処理コストの削減が挙げられます。

まぁ、これら3つをざっくり説明すると、商品を買うときにブランドを基準にすると選びやすくなるよねってことです。例えば、僕がスポーツウェアを買おうとする際に、僕はアディダスが好きだからまずアディダスの商品を優先的に検討します。他の選択肢が眼中にないから、選択肢が絞られて選びやすいのです。また、アディダスであればまぁまぁ品質もいいだろうと考えられるわけです。こんな感じで、ブランドは消費者の購買行動に影響を与えいることがわかります。

アディダスパンツ

2. ブランド知識構造の理解

前章では、ブランドとは何かについて見ました。本章では、ブランドの知識に資産的価値が認められることと、ブランド知識がどのように仕組み化されているかについて紹介したいと思います。

2.1 ブランド・エクイティ

1980年代後半に、ブランド・エクイティ(brand equity)の概念が登場した。すなわち、マーケティング活動の結果としてブランドに資産的価値(エクイティ)が蓄積されていくということが改めて認識されたのです。

その後、ケラーが「顧客ベース・ブランド・エクイティ」(customer-based brand equity)の概念を提唱しました。顧客ベース・ブランド・エクイティとは、「あるブランドのマーケティング活動への消費者の反応に対して、ブランド知識が及ぼす差異的な効果」と定義されています。

差異的な効果とは、同じような製品やサービスであっても無名ブランドと有名ブランドとでは、消費者の反応に違いが出るよねということです。

したがって、企業(売り手)は好意的な評価をもたらすようなブランド構築を目指さなければならないのです。

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2.2 ブランドと連想

ブランド知識は、消費者に二次的なイメージを抱かせたり、関連した事柄を思い起こさせます。

二次的な連想の例としては、上場企業、老舗企業、革新的企業といった企業イメージ、日本産やドイツ産といった原産国イメージが挙げられます。これらのイメージを効果的に利用できるかがカギです。

関連した事柄を思い起こさせるとはどういうことかを、これまたアディダスを例に考えます。アディダスというブランドは、スポーツ、シンプルなデザイン、ドイツなどを連想させます。

このようなブランド名から広がる連想は多岐にわたりますが、マーケティング戦略の見地からすれば強固で、より好ましく、かつユニークな内容であることが好ましいと言えます。なぜなら、それが他社製品との「差別化ポイント」(point of difference : POD)の形成につながるからです。

差別化ポイントが、「購買理由」(reason to buy)になるのです。

3. ブランド知識の構築ステップ

一般的に、ブランド構築のステップは、①ブランドの知識構造をポジショニングという形でデザインし、それを価値提案として提示するまでのフェーズ、②そのポジショニングと価値提案を具現化していくためのブランド化やコミュニケーションなどの取り組みのフェーズという2つの段階に大別されます。

前者には、ブランドの価値領域や中核顧客層の設定、競合関係を踏まえた上でのポジショニングの決定、そして価値提案の策定などの作業が含まれます。

一方後者には、名前やロゴなどのブランド要素による製品のブランド化、コミュニケーションによるブランド知識形成、顧客との関係性の構築・維持といった取り組みが含まれます。

本章では、後者のブランド知識の構築ステップについて見ていくことにします。

ケラーはブランド構築の枠組みとして、「ブランド・ビルディング・ブロック」の考え方を提示しています。強いブランドを構築するために、土台から積み上げていくという感じです。

具体的には、次の4段階から成り立っています。すなわち、①アイデンティティ、②ミーニング、③レスポンス、④リレーションシップの4段階です。以下、順番に説明します。

3.1 アイデンティティ

ブランド構築の第1段階は、深くて広いブランド認知の確立です。

当該ブランドのセイリエンス(顕著性・突出性)を高め、それが製品カテゴリーに含まれる選択肢であることを、消費者に識別・同定してもらう必要があります(カテゴリー・メンバーシップの確立)。

3.2 ミーニング

第2段階は、様々な内容のブランド連想を戦略的に結びつけ、当該ブランドに関する意味(ミーニング)の総体を形成することです。

このブランド連想は、消費者自身がブランドに接した経験から直接的に形成される場合と、広告やクチコミなどの情報を通じて間接的に形成される場合があります。そのため、消費者との接点(コンタクト・ポイント)の設計と管理が重要となります。

3.3 レスポンス

第3段階は、第2段階で形成されたブランド連想の内容を踏まえて、そこから消費者の適切で望ましい反応(レスポンス)を引き出すことです。

ここでブランド・レスポンスとは、ブランドの意味内容をベースに消費者が何を思い、感じるかということです。レスポンスには、論理的・理性的反応(品質、信用、考慮、優位性)と、情動的・感情的な反応(あたたかさ、おもしろさ、興奮、安心感、社会的承認、自尊心)があります。

3.4 リレーションシップ

最後の第4段階は、レゾナンス(共鳴・調和)という概念で表されます。レゾナンスは、消費者が当該ブランドと共鳴しあう状態を指します。認知と感情という2つの要素が統合され、全体として調和のとれたブランド知識構造となるのです。

この概念は、消費者とブランドの間の関係性(ブランド・リレーションシップ)の質を反映しています。

4. まとめ

本記事では、「ブランド」とは何かについてと、ブランドの果たす役割についてを解説しました。

ブランドは、第一義的には他社の製品との差別化をもたらすものです。主な機能としては、①識別(標識)機能、②出所表示・品質保証機能、③意味づけ・象徴機能という3つが挙げられます。

消費者のブランドに対する知識は、企業の資産的価値(エクイティ)と言えるでしょう。

ブランド知識構築の流れは、①アイデンティティ、②ミーニング、③レスポンス、④リレーションシップの4段階なのでした。

5. うぇいから一言

僕のネット活動はどのようにブランディングしていくべきか、考えさせられました。

哲学、心理学・脳神経科学、ビジネスというトピックと、公式キャラクターであるうぇいくんと、大学生という社会的立場は、どのように生かせるのでしょうか。

とりあえず現在最優先ですべきなのでは、僕の存在を多くの人に知ってもらうということなのでしょう。

思考の材料

参考文献

その他


最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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