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祈りの「効用」——自己の関心の明確化と願いを遂行しようとする意志の強化

「ご利益」ばかり気にする利己主義者の皆さまこんにちは😆 うぇいです。

本記事ではお祈りの「メリット」について考えたいと思います。というのも、最近神社に行ってお願い事したりおみくじ引いたりしたときに、そもそもなぜ人は祈るのかを疑問に思ったからです。

「祈っても何も変わらない!」と言う人もいますが、祈っている当人には何かいいことがあるから祈っているのでしょう。ほんとに何の役にも立たないもの・単なる時間の無駄だったらすぐにその習慣はなくなるはずだからです👍

本記事は、世俗的な損得勘定の視点からお祈りについて考察したいと思います(したがって、きちんとした「信者」の方には失礼な記事になると思います。ただ僕は宗教に対して否定的ではないことは述べておきます)。

結論から言えば、お祈りのメリットは3つあると思います。1つ目は、いまの自分が最も大切にしたいことが把握できるということです。2つ目は、自分が「本当に成し遂げたいこと」への意志が強くなることです。3つ目は、自分は「小さい」存在であるが、「祈る」という行為を通して「世界」に影響を与えることができると感じられることです。以下、順に説明します。

1. 自己の関心の明確化

お祈りの際お願いする内容というのは、自分の最も大切な事柄ではないでしょうか(お寺・神社・教会と言った場所、何教を信仰している/してない等は関係なく)。

例えば健康であること、親しい人の幸せ、志望校への合格、ステキな人との出逢い、ビジネスの成功等、何をみなさんが祈っているかは存じ上げませんが、いずれにせよみなさんが祈る際に最も関心を寄せている事柄を祈っているはずです。(今日の晩御飯のメニューが決められますようにといった)些末な願い事はしないはずです😅

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これ、各人にとって重要なことを意味していると思うのです。

というのも、祈りによって、自分の価値判断ないし状況判断においての「軸」と言うべきもの、「妥協したくないポイント」を自分自身が的確に言語化するということを遂行しているからです。些末な諸条件を一旦度外視して、「本当に自分が大切だと思うこと」を他の誰でもない自分自身が明らかにしています

祈る際にする「お願い事」こそ、いまの自分が大事にしたいことなのです。

2. 遂行への意志の強化

前章で確認したように祈りが「自身の価値観の核」を明示化する一側面を持つとすれば、祈りを通して、その価値観を追認し強化することになります。つまり、「〇〇が叶いますように」と願うことで、自分にとって〇〇は大事だよねと(再)認識し、より強い意志を持ってその〇〇を実現させていこうあるいは維持していこうと決意するのです。

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しかも、基本「神」とか「仏」っていう超越的な存在(ヤバイ存在)に誓っているわけですから、実現不可能だと思うことや変なこと言わないはずです。

これが私の願いですと提示し、それが実現するための援助を願うと同時に、自らが援助を得るに値する存在であるようにつとめることを誓うのです。

祈りは、自分の願いを「自分自身で遂行する」という意志を強化することになります😄

3. 矮小であるがインフルエンサーたる自己

祈るということは、祈る対象(神など)を自分より格上だと(一応)思っているということでしょう。その意味で、自分は「ちっぽけな存在」と言えそうです。(ガチで自分を信用する「自分が教祖兼信者」は神社とか行かないんですかね?)。

ただ祈る自己が矮小な存在であるとしても、そのことは「自己が無力」であることを意味しません。祈ることは、超越的存在(ヤバい奴ら)とコミュニケーションをとることだからです。

つまり、神様たちにお願い事を聞いてもらうということは、自分を取り巻く環境世界や自己そのものを変化させてくれと神様たちに「要請」しているわけですよね😊

「真剣に」祈っているならば、この祈るという行為に何らかの「意味」があると当人は感じているはずです(「祈り」が状況を変化させ得るものとして機能すると期待しないのに祈るのはwaste of timeだからしないはず)。

みなさんは超越的存在との関わりを通して「世界」に影響を与えるインフルエンサーなのです😎

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(ここから踏み込んだ記述をしますが)僕は実際に、祈ること自体が祈る人の「世界」を変容せしめるものだと考えます。世界の認識はあなたの認識のフィルターを通してしかなされない(脳が構築する像だ)とすれば、祈りをきっかけとして認識が変化するからです。

つまり、自分の関心に即した形で「世界」が認識されるのだから、自らの想いが変われば「世界」が以前とは異なる形で把握されることになるでしょということです。

(以上の議論は人間存在が世界内存在:in-der-Welt-seinであることを考慮すれば当然だと思われる。また脳神経科学的にも妥当な推論だと言えよう。なぜなら、神経細胞の結びつきの強さが世界の知覚に関わっているからだ。)

4. まとめ

本記事で明らかにしたかったのは、祈りの効用(utility)でした。お祈りの利点は大きく3つあると僕は考えました。

1つ目は、自己の価値観の核の明確化、2つ目は、価値実現あるいは価値の維持への意志の強化、3つ目は、卑小な存在であるが「世界」に影響を与えられる存在であるという自覚の促進でした

「ガチの」信者でなくとも、お祈りの意味はありそうですね😁

5. 思考の材料

参考文献

本記事のトピックに興味のある方は、学術的に宗教学を学ぶことを勧めます。下2冊は僕がこれから読みたい本です笑。

宗教についての知識がないと「実は宗教っぽいもの」にも気づけないので、そういう意味でも「宗教」への意識は大切です。

その他

内省

神社に参拝したこと

イラスト

SatsuKiさん

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