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脱ひきこもり後の新たな問題

 僕は元ひきこもりだ。「元」と言ってもほんの数ヶ月前くらいからの話だ。去年の夏頃までは外出することが本当に苦痛で仕方なかった。外出しようとするだけで下痢は止まらず、頭がフラフラになり、冷や汗をかき、嘔吐をし、ましてや働くことなんてとてもじゃないが想像できなかった。前に勤めていた職場のCMがテレビに流れたり、求人票を見るだけで吐き気をもよおし、調子を崩していた。自分の部屋だけが安らげる空間だった。そのようなひきこもり期間は3年に及んでいた。

 そんな僕だが、今年に入ってからバイトを始めた。昨年の秋頃から調子が良くなってきたのだ。薬が効いてきたおかげだと思う。お昼を食べに外出をしたり、友人に会いに行ったり、イベントに遊びに出かけたりするようになった。外出する際に、今までほどの苦痛を感じることが減ってきたのだ。多少不調を感じるが、薬を飲むなどして対応できる程度になったのだ。活動的になったことで交友関係も広がり、そのために遊ぶお金が欲しくなってきた。そこでバイトを始めようと思ったのだ。

 バイトを始めるまでにはとても苦労があった。求人票を見ると不安感が襲ってきて、面接がとても怖かった。自分なんかにできる仕事があるとは思えなかった。だが紆余曲折を経てピザ屋で働くことになった

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