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行わせられている...だと?【1分大学講義】(都市・地域政策論:2)


教授「これは○○市の条例なんだけど、この文章を見て違和感を覚える人はいるかな?」


そういって教授が見せてきたのは、ある市の「公園管理のボランティアに関する条例」でした。

この要綱は、市が行う公園等の公園管理業務のうち日常的な清掃、除草その他の業務を自治会、老人会等において自主的に組織された清掃美化協力員会に行わせることによって、自らの公園としての意識と愛着をもってもらい、もって公園を常にすがすがしいものとすることを目的とする。

公園などで、完全ボランティアで働いているご高齢の方を見たことはありませんか?暑い中花壇の花を植えていたり、雑草を抜いていたり、思わず「ありがとう!おばあちゃん!」と声をかけたくなっちゃうような人たち。

彼らは清掃美化協力委員と呼ばれていて、この条例は彼らに関する条例です。


でね、先生が強調したのは条例のここです。

日常的な清掃などを清掃美化協力員会に行わせることによって、自らの公園としての意識と愛着をもってもらい、、

どうです?何だか上から目線な印象を受けませんか?


市の偉い人「公園の清掃?あぁ、そんなもん地域の清掃美化委員にやらせとけばいいんですよ。そしたらね、あの人たちが勝手に公園に愛着もつんだから。やらせてあげましょ。清掃くらい。」


裏でこんな会話があったようにも感じられませんか?

外面良くつくられたはずの条例ですらこんな印象を与えるのですから、実際の会議はもっと上から目線で進められた可能性が高いです(と、先生が言っていました笑)

さて、ここで一つの表を見てみて下さい。

こちらは住民参加論という学問における重要な表で、「政策に住民を参加させるときにどれだけ本質的なところまで参加してもらうか」について表した表になります。

市などの多くの地域コミュニティは、このような枠組みで「住民を参加」させているのです。

でも、①②とか見るだけで「うわっ、怖っ」ってなりませんか。「ガス抜き」「操作、ごまかし」って。。車じゃないんだから。これらは、政策に住民を参加させることで、住民の不満を抜いたり操作しようとしたりしているわけです。 うーん、なんかすごくいやな気持になりますよね。


あなたが今まで参加したことのあるイベントや会、ボランティアなどがあれば、それはこの表のどこに位置づけられるのか、考えてみるのも面白いかもしれません。

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