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小説◆変わりゆく景色

小説◆変わりゆく景色

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(俺の信じてきた永遠ってなんだったんだろ……)

少しずつ柔らかくなっていく日射しが春を教え始める頃。

俺は冬に逆戻りした気分で街を歩いていた。

つい先程の行きつけのカフェでの出来事が頭の中をグルグル回っている。

「ねぇ、私たち、最近つまらなくない?」

恋人である由萌がミルクティーを一気に飲み干した途端、告げた言葉。

「つまらない……って、

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