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トレーナーが知っておきたい関連痛の話

運動の指導をしていると、何らかの身体の痛みなどを訴えられてくるクライアントさんもいらっしゃると思います。

その原因としての多くは筋肉や骨格の問題であるのですが、ケースによっては内臓に由来するものや、その痛みの裏に重大な問題が隠れている場合があります。

しっかりとリスク管理を行う上でも押さえておきましょう!


1.関連痛とは

関連痛とは、身体のある部位が原因で起こる痛みをその部位とは離れた別の部位で感じるという現象のことです。

主な原因としては内臓であるのですが、実際に痛みを生じるのはその内臓から離れた別の部位であるということになります。

なぜ関連痛が起こるかというと、内臓からの痛みの信号が脊髄へ感覚情報として入力されるときに、その入っていった脊髄が支配している皮膚の感覚を司る神経からの指令だと誤って認識されてしまうためという説が最も有力です。

脳が内臓からの痛みを皮膚や筋肉の痛みと勘違いしてしまうということですね。


2.関連痛の具体例

早速、代表的な関連痛を見ていきたいと思います。

心臓の疾患・・・左胸部、左上腕内側、左前腕内側
        左手の小指側、奥歯
肝臓、胆嚢の疾患・・・右肩周囲、右腰部、右肩甲骨下角 
肺の疾患・・・左頚部                   
腎臓の疾患・・・鼠径部、腰部                 
虫垂炎・・・みぞおち、上腹部
胃の疾患・・・上腹部、背部
膵臓の疾患・・・みぞおち
膀胱の疾患・・・下腹部、上臀部の中央

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3.痛みの鑑別について

実際に現場で痛みのある方への運動指導を行うケースも多いかと思います。

その出現している痛みについて、もちろん姿勢や動き方が原因である筋骨格系由来のものがあることもほとんどと思います。

その場合にも例えば以下にあげるような項目を丁寧に聞くことや評価することがとにかく重要です。

・具体的にどういった動きや姿勢で痛いのか
・痛みの強さはどの程度か
・痛みが強くなったり再現されるのはどういったときか
・どのような痛みの種類、性質なのか
・いつ痛みが強くなるか
・内科的な問題で指摘を受けたことがあるかどうか
・アプローチでの即時的な変化はあるか
・痛みに対しての心理的な感情はどうか


いずれにしてもとにかくアセスメントを徹底して、その原因に向き合っていくことが重要になります。
筋骨格系由来の痛みであれば、必ずその痛みを作っているきっかけがあります。
それを網羅的に見た上でも矛盾が生じてきたり、説明ができない可能性もあるということを踏まえて多角的に症状を見極める必要性もあるのではと感じます。


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