- 運営しているクリエイター
#タロット講座
『占いの世界』のタロット付録
ライダー版の原理主義者の私としては、基本的には他の絵柄を使うということはないのですけれど、だからと言って、他の言うなれば「解釈」を否定することはありません。
この『占いの世界』は120巻出るということですので、まだまだ先は長いのですけれど、しばらくはタロットカードの一部がついてくるそうです。今回は、大アルカナで言うと「愚者」と「魔術師」です。比較すると、なかなか興味深いです。
細かいところを言
The Tower:塔
見た感じ随分恐ろしげなカードです。背景は黒。そしてそこに描かれているのは、落雷、火災、人々の墜落、王冠の崩壊。
いずれも避けたいものですが、あくまで主役は「塔」です。災難が続くというべきか、それでも立っているというべきか。
冠を落としそうなところは、この権威が失われることも意味していましょう。いえ、正確には「失われようとしているかもしれない」というべきしょう。完全に落ちてしまっているわけではな
Temperance:節制
まずは言葉の意味から。
temperance(行動、行為などが)「控えめ、穏健、節度、自制」といった意味があります。諺としても、Temperance is the best medicine「節制こそ最上の薬」というのがありますね。
「禁酒運動」なんて時も、このtemperanceを使います。
元々はtemper「気分」といった意味から。「調整する、穏やかにする、抑える」といった意味もありま
The Hanged Man:吊られた男
このカードの存在そのものが興味深い。ひょっとすると、0番の「愚者」と並んで、もっともタロットをタロットたらしめているカードではないかと思う。
そもそも、彼は誰かによって吊られたのか、それとも、ある程度自分の意思で「吊られる状態」になったのか。吊られる状態に関心がいっても、なぜ彼は吊られたのかを考えると、読みに深みが増すのではないか。自分で自らこの状態になったとするのと、なんらかの事情でこの状態に
Justice:正義
この「正義」という字を見て人名と思った方は、ある意味鋭い、と思ってもいい。もちろん「正しい」ということでもあるけれど、Justiceという語は人名としても使われている。
Justinといえば、多くの人が用いるファーストネームであるのは周知の通りだし、ドイツはフランクフルトのレーマー(Römer)にある女神の像は、まさにこの「正義」を表すユースティティアの像である。正義の女神ともいう。
ところで
Wheel of Fortune:運命の輪
まずはFortuneを考えてみよう。fortuneは、ラテン語のfors「偶然」をその語源とする。そして、Fortunaというと、古代ローマの運命の女神である。他にも、辞書を探せば、「富、財産、資金」といったような意味も出てくる。
雑誌にもFortuneとあるけれど、これは占いの本ではなく、経済誌である(Bloomberg Businessweek, Forbesとともにアメリカの三大経済誌とし
The Hermit:隠者
Hermitというと、自動的にロシアの美術館を思い出す。エルミタージュ美術館だ。これは隠れ家という意味を持つ。
隠れる者、そんな意味合いだろうか。西洋の文化の中にも、もちろん日本の文化の中にも、いわば世捨て人のような施設も人物もいる。古今東西、といって差し支えないかもしれない。そういう意味では、「隠者」とは極めてユニバーサルな、どこにでもいる(つまりあなたのなかにもいる)存在なのだろう。それゆえ