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The Devil:悪魔

ところで、このカードは「悪魔」とあるのだが、一体誰が悪魔なのだろうか。そこから考えてみよう。

いやいや、当然この中心の恐ろしげな生き物ではないのか、という。それはそうだろう。そこに描かれているのは私たちが容易に思いつく悪魔なのであるといってもいい。しかし、それは正しいのか。見た目だけで判断するのは、本当に正しいのだろうか。

下に描かれている男女は何者なのか。そんなことも考えると、この三人が悪魔なのか。あるいは、真の悪魔こそは下の人間の格好をした二人なのではないか。あるいは、そのうちの一人か(The Devilと単数で書かれている)。

自分の持つ「悪魔性」を、恐ろしげなものに投影させるのは容易だろう。しかし、それは逆に、自分の悪魔性を自分では引き受けないという態度でもある。自分の持つ恐ろしげな部分を自分では認めないということでもある。これはなんと恐ろしいことか。

恐ろしいことは恐ろしい姿のものに。この考えも、ある意味大変危険なことだろう。

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