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思い出づくりはしないと決めたのに、暮らす旅は矛盾が多い。(家族移住体験:群馬県沼田市#4)

起きた時に何となく疲れているように思ったのは、雪道の運転の緊張や(乗っていただけだが)、雪遊びの疲れが残っているからかもしれない。

朝ごはんは焼魚と納豆とお味噌汁。そして直売所で購入したキウイ。

お皿に対してのキウイの量よ

焼き魚や納豆は、個人的には一番好きな朝ごはん。それだけで少し気力が湧いてくるように思う。(気力が減ることは何もしていないが)

「キウイはポジティブフードなんだって」
と言いながら夫がキウイを剥いてくれる。
メンタル不調などを予防・改善してくれる上に疲れが取れるらしい。

こんな風に効能を聞きながら食べると、本当にポジティブになってきたような、疲れも取れてきたような気になるから不思議だ。比較的単純な自分で良かった。

おしゃれな庁舎兼複合施設「テラス沼田」

もしかして疲れているのかな、と感じている時は大体既にかなり疲れている時なので、今日はゆっくり過ごそうと思いつつ、沼田で過ごす際の家以外でのリモートワークのイメージもつかみたく、テラス沼田の多目的スペースへ向かう。

市役所の入り口がおしゃれ

テラス沼田は、市内に分散していた庁舎が1つに集約して手続きなどがスムーズになった、便利かつおしゃれな庁舎兼複合施設だ。

壁に施されたシルエットにワクワクする。

こういうのがたくさんある
遊び心がいっぱい

多目的スペースには実際に勉強や仕事をしている人もちらほら。
静かな空間で集中して仕事ができた。

静かで広くて、キッチンもあった

囲炉裏に足湯に…重要文化財沼田市南郷の曲屋

ゆっくりしようと思っていたのに、外に出て冷たい空気に触れたら、気持ちもシャキッとしてきたので勢いに乗っておでかけしてみる。仕事を終えていることも足取りを軽くしているように思う。

まずは重要文化財にも指定されている沼田市南郷の曲屋(旧鈴木家住宅)へ。

雪がまたいい感じ
縁側は暖かい

囲炉裏があたたかく、なかなか離れがたい。(床が冷たいからなおさら)

パチパチ音がする
子どもたちは囲炉裏から全然離れない

外には足湯があり、冬だというのに躊躇せず靴下を脱ぎ捨て足湯を満喫する夫と子どもたち。
(囲炉裏からは離れなかったのに)

息子のくつろぎ様
本当に寒くないのだろうか

私はデニムの下にタイツを履いてきたから断腸の思いで諦める。
そもそも寒いしタイツを履いていなかったとしても入らなかったね、なんて思い込もうと頑張ったけれど、やはりすごく羨ましい。(くぅ…!)

本物は全長108メートルの大蛇みこし(のレプリカ)と雛人形と遊び心

南郷温泉しゃくなげの湯の直売所で野菜を調達し(沼田市は直売所が本当に多い)、
その後は利根観光会館に展示されている「大蛇みこし」を見に。展示されていたのは30メートルのレプリカ。(本物は全長108メートルもあるそう)

これで30メートル

レプリカといえどここまで長く大きいと迫力がある。
レプリカの大蛇の周りには、クスッと笑ってしまう吹き出しと一緒に、表情豊かな雛人形が飾られていた。

コメントが攻めてる
確かにそれはやばいし髪型も整ってない

「びっくりひな飾り」に嘘偽りはなかった


どうやら「びっくりひな飾り」というイベントが開催されている様子。

大変失礼ながら、「びっくり」と自ら謳っているイベントは期待値が高くなってしまうせいかそんなにびっくりしたことは今までなかったのだが、これは正真正銘の「びっくり」だった。他の「びっくり○○」と一線を画すためにも「正真正銘のびっくりひな飾り」などにした方がいいのではないかと思ったほど驚いた。

まず入り口付近にドーーン
奥にはさらにドドーン
ドドドドドーーーン

沼田市の各会場に、なんと全部で7000体も飾られているとのこと。
ここ利根観光会館には5000体の雛人形がいて、思いがけず圧巻のひな飾りを見ることができた。

小さい頃の自分を沼田に連れてきてあげたいと思った

それにしても、沼田市の祭りの種類の豊富さに驚く。
天狗に大蛇に7000体もの雛人形。
私の場合、小さい頃に「少し怖いな」と感じた祭りの記憶の方が、楽しかった祭りの記憶よりも今も鮮明に残っている。そしてそういった祭りには、幼心に何か神聖なものを感じていたなと思い出す。

我が子は天狗も蛇も全く怖がっていなかったけど、私は怖がりだったから怖がって目を両手で覆いながらも、指の間からしっかりと覗いていたのだろうなぁなんて、小さい頃の自分を沼田に連れてきてあげたくなった。

ちなみに雛人形はただただ圧巻で、表情が楽しくて、怖さは一切ない。
7000体もいたら、私のおじちゃんにそっくりな右大臣や(左大臣かもしれないけど)、前の職場の上司にそっくりな5人囃子などがいたりして面白い。

叱ったりケンカしたり天を仰いだり思い出にしたり、矛盾した夜

娘が「そろそろお家に帰ろうよ」と言う。
滞在二日目からは、トライアルハウスに入る時の挨拶が「おじゃまします」から「ただいま」に変わった。
そんなところから、子どもたちも暮らしを体験しているんだなと思う。

夜は星を観たいと思っていたけれど、みぞれのような雪が降っていて家族全員目をしっかりつむって暗闇の中天を仰いだだけだった。

思いがけず、リモートワークのイメージもつき観光もできた今日。

沼田市を満喫しているものの、仕事もしているから仕事内容で落ち込むこともあれば、何回言っても片づけない子どもを叱ったりもする。夫婦げんかも派手なものはないけれどあるっちゃある。

旅行だと、楽しく仲良く過ごしたいという思いから「せっかくの楽しい旅行中に叱ってしまった」とか「ケンカしてしまった」などと落ち込むこともあるのだけど、この滞在ではなるべくいつも通り過ごしたいと思っている。

普段から叱らないで済むなら叱りたくないしケンカも疲れるからしたくはないけれど、思い出づくりにしないようにしたいなと思う。

そう思いながらも、今日雛人形や蛇を見てワクワクビクビクしていた子どもたちの鼻や耳が真っ赤だったことを思い出して、いい思い出になったなと思いながら布団に入る矛盾した夜。

つづく

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