見出し画像

325*企業の戦略と実行を繋ぐもの


マイケル・ポーターの『競争の戦略』より

競争戦略を考える際に、重要な3つの質問。

(1)企業がいまやりつつあるものは何か。
(2)企業環境に何が起こりつつあるか。
(3)企業は今後何をしなければならないか。

この3つのの質問に回答を出すことが、この本の目的であるとポーターは書いています。

自社は今どんな戦略を立てていて、それはどのような仮説からなのか。
自社が身を置く業界・競争業者・社会の分析と、それと比較した時の自社の長所と短所の分析。
現在の戦略と仮説が有効なものであるか、他にどのような戦略がありうるのか、自社にとってどのような戦略がベストであるか。

そして、実行しようとしている戦略が適切なものであるかを判定するために、提案された目標とポリシー(方針)の首尾一貫性を次の項目に沿って検証していきます。

①内的な一貫性があるかどうか。

目標とポリシーが合致しているか。1つ1つの目標が互いに阻害しあうものではなく強化しあう関係になっているかどうか。

②環境と適合しているか。

それらは業界の好機や脅威に対応できるのか。適切なタイミングであるか。社会的な関心事に対応できるのか。

③企業資源と適合しているか。

競争相手よりも、会社で利用可能な資源にマッチしているのか。会社が変化できる能力に応じたタイミングで、目標とポリシーが作られているのか。

④コミュニケーションと戦略実行力はどうか。

目標は実行担当者に十分理解されているか。目標とポリシー、実行担当者の情熱が一致しているか。戦略を上手く実行させるだけの十分な経営能力があるか。

特に④の壁にぶつかる企業が多いのではないかと思います。

会社規模が大きくなるほど、戦略を立てる側と実行する側の人間が異なる場合が多い。どのような背景や仮説でその戦略を立てているのか。どのような意図で組織への指令を出しているのか。実行する側に明確に伝わらないと、戦略を有効に作用させることはできません。

しかし、単にこういう理由だからと説明したところで、その土台にある社会的な背景や会社の現状を理解してもらわなければ意味がありません。

自社の強みや弱み、競合や社会の情勢などを一緒に分析する場があると、より会社の中で戦略に対する理解が深まると思います。経営陣から方針や目標が提示されたときに、そういう背景があるからかと納得できるかどうかで、実行する側の姿勢も違ってきます。

強制ではあまり実施する意味がないと思うので、まずは興味を持つ人を増やすところから。最初は少人数でも、徐々に広げていけば、確実に会社は変化するはず。

そうした機会を社内外で作っていきたいです。
今までは立場的なものを言い訳に、積極的に踏み込めない部分がありました。私自身の関わり方も切り替わっていくタイミングなので、今後はもっと広く発信していきたいと思います。

応えるを超えたその先へ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?