見出し画像

逃げたっていい、でも諦めないで


東京都慰霊堂。

近くを通りかかったので、久々に立ち寄りました。公園内はそこそこ人がいたものの、慰霊堂の中は数人の見学者がいるくらいで、静かな空間が広がっていました。

ちなみに、この慰霊堂は、関東大震災と東京大空襲の犠牲者を弔うために建てられたものです。これらの災難から復興してきた東京の下町のシンボル。地元の小学生は、一度は見学に来ます。(今もおそらく…)

画像1

構内の写真は、こちらの公式サイトからお借りしました。

奥にあるイチョウの紋。
これは東京都のシンボルマークです。

このマークを眺めていて、ふと疑問に感じました。

なぜ、この建物が墨田区に作られたのか?

墨田区に住んでいて、小学校での見学会で説明を聞いて、その後も時おり足を運んでいました。ここにあることが当たり前に感じていた。ですが、改めて考えてみると当たり前ではないことが多いですね。

震災や空襲の犠牲になったのは、墨田区だけではありません。台東区や江東区、江戸川区など、下町を中心に周辺地域も大きな被害を受けました。

それでも、この墨田区の両国が選ばれた。その理由は様々だと思いますが、少なくとも偶然ではないと思っています。そして、その墨田区に私が生まれ育ったことも。

この場所に自分がいることには、何か意味があるはず。だから伝えていかなければいけない。そう感じました。

今の職場や関わる会社、そこで働く人たちとの出会いも、すべては必然のこと。その意味を考えて行動したい。自分だからこそできる貢献をしたい。

慰霊堂内の椅子に座って、目を閉じると、小学生の頃に見た空襲の映像が浮かびました。

焼夷弾の雨。夜の暗闇と爆撃による火災の赤色の中、人がごった返す橋の上を必死で逃げる人々。熱さに耐え切れず、校庭の隅のプールに子供を抱えて飛び込む母親。夜が明けて照らし出される一面の焼け野原。

住む家も仕事も失い路頭に迷った住民たち。
子供と生きる未来を奪われた親たち。
親や兄弟と引き離され孤独に放り出された子供たち。

逃げたくても逃げられなかった人たちがいる。
人生を諦めなければならなかった人たちがいる。

本当に辛いなら、逃げればいいと思います。別の道、もっと良いやり方があるのなら、その道を選び直すこともできます。今よりも自分が頑張れる環境があるのなら、そこで頑張ればいい。

それを諦めとは思いません。
諦めないためには、時に逃げることも大切。

成長するためには背伸びも必要。
でも無理してやり続けることはない。
自分らしく努力できるのが一番。

ですが同時に、頑張らなければいけないなと。

ここでの「頑張り」とは、”諦めないこと“ です。
叶えたい夢や理想、それを自分の軸として持ち続けることを。
そして自分らしく生きることを。

やりたいこと、叶えたい夢を諦めなければいけなかった人がいるのだから、どんなに辛くても諦めたくない。

逃げること、そして諦めないこと。
一見すると矛盾していますね。

どうしたら、無理をせずに自分らしく頑張れるのか?

相反するように感じるこの問いの答えを見つけていきたい。それを自分なりの形で伝えていきたい。

これを読んでくれたあなたに、これだけは伝えたいです。

逃げたっていい、でも諦めないで。


東京都慰霊堂20210206


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?