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「ジュリアンはマーメイド」わたげの絵本だより

絵本が好きで、子どもの読み聞かせの時間が好きです。そんな中で、印象に残っている絵本を紹介していきます。今回は流れるような人物の動きが楽し気なジェシカ・ラブ「ジュリアンはマーメイド」。


ジュリアンはマーメイド


柔らかな桃色の壁の前に立つのは、楽し気に着飾ってポーズをとっている男の子。大型本ですが、厚みがないせいか、はたまた、流れるような人物の動きが軽やかなせいか、重たい印象はありません。

ジェシカさんの描く挿し絵は、登場するキャラクターがとても楽し気で、愛おしく描かれているのが印象的です。そして、社会的にマイノリティな立場にいる人 LGBTQ+(もしくはLGBTQ2+)をテーマにして作られているのも、この絵本の特徴です。


本には どんなことが書かれているの?


ストーリーを書いてしまうと、せっかく楽しみにしている方に申し訳ないので、簡単に概要を紹介したいと思います。

先ほども述べましたが、社会的にマイノリティな立場にいる人 LGBTQ+(もしくはLGBTQ2+)をテーマにして作られています。社会の多様性を知る絵本としても、お勧めの絵本です。

主人公の少年と、おばあちゃんのやり取りが穏やかで、誰にでもあるかもしれない、幼い頃の夢のような体験を思い出させてくれるお話です。

軽やかに流れるようなイラストと、優しく楽し気な色使い。そんな挿し絵が印象的で、あなたが自由で心地良い「あなたらしく」いることを、柔らかく後押ししてくれる絵本だと思います。


どんな人が書いているの?


作者のジェシカ・ラブさんのキャリアは、とてもユニークで、もともとは演劇女優として13年間ニューヨークで活動をしていました。
「ジュリアンはマーメイド」は彼女のデビュー作で、出版社を見つけるまで5年の歳月をかけて、お話と挿し絵を制作したそうです。

「ジュリアンはマーメイド」は高い評価を受けて、ボローニャ・ラガッツィ賞(イタリア)、ストーン・ウォール賞大賞(アメリカ)などを受賞しています。

2019年には、同シリーズとして「Julián at the Wedding」が出版されています。こちらもとても美しい絵本なので、日本語版が出版されることを楽しみにしています。


わたしのこの本との出会い

いつの日か子ども向けに作ったブレスレット。
絵本の印象は、こんなキラキラした感じ。

この絵本との出会いは、アメリカのとある本屋さんで。ひとめぼれでした。
明るく楽し気な人の表情や動き、流れるような構図、家に着いて「どんな人が描いているんだろう?」と検索したのを今でも覚えています。

登場するキャラクターがとても魅力的に描かれていて、挿し絵の一つ一つが愛らしく、当時はまだ子どもが居ませんでしたが、いつか読み聞かせたいなと思い手に取りました。

幻想的で愛らしい世界観は、子どもだけでなく幅広い世代へ向けて、お勧めしたい絵本のひとつです。同シリーズの「Julián at the Wedding」も素晴らしい絵本なので、ぜひ。



それでは、また。
ふわりと お会いしましょう!

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