【伝え方が10割!】タイにおける訪日インバウンドプロモーションと仏教文化/タンブン(ทำบุญ)
タイで訪日インバウンドプロモーションを続けながら、日々感じていることは、タイ人の物事の受け取り方/受け止め方には「文化」が大きく関わっているということです!
この文章で読んでも何となく
「そうだよね!」と
ざっくり雰囲気で理解することが
出来る方は多いかと思いますが、
是非!!
この記事に記載する私の実体験等を通じて、もう少し「実感レベル」で理解をして、一緒にインバウンドプロモーションをしていきましょう**
0、記事を書く背景
記事を書く背景としては、
今まで、30名以上のタイの訪日インバウンドプロモーションを担当している方とお話してきましたが、「日本のこのコンテンツは、タイの好み!ツールはこれ!」とコンテンツの魅力をベースとしたPRの話をする人が多く、「伝え方」についてお話する人がほとんどいなかった事が挙げられます。
もちろんコンテンツ自体の魅力や伝えるツールは、重要です!
ただし、すでにあるコンテンツであっても「伝え方を工夫するだけ」で、タイの皆さんには魅力的に感じていただけますよ♪ということも知った上で、記事を手に取って頂いた皆さまと共に一緒にPRしたいと考えました!
まずは、タイトルにもありますタンブン文化について理解をしていきましょう(*‘∀‘)
1、タンブン文化
仕事やお願い事が上手くいったとき、もしくは人生において新たな出発を迎えてお願いをしたい時など、タイの皆さんは自身が信じるお寺に足を運んでお布施をし、読経をしてお釈迦様に祈りを捧げます。
こうした行為を、タンブンと言います。タイの仏教文化では欠かすことのできない観念で、徳(ブン(บุญ))をいかに積む(タン(ทำ))かで、現世ばかりではなく来世の幸不幸も決まってきます。
日本人的感覚でいうと、中には「来世まで?」と感じる人もいるかもしれませんが、多くのタイ人は来世の存在を心から信じている人が多いです。
ブンは「善行」の意味で、お寺に参拝することだけを意味しません。
1つ事例を挙げていきたいと思います♪
上の画像は、スーパーに売られている飲食や生活用品セットですが、これはお坊さんに食べ物や生活用品を差し上げる、言わば「タンブン用セット」です。
お坊さんは、お金を稼ぐ行為を基本的に行っておりませんので、生活用品や食べ物を差し上げて、お坊さんの修行を助けます。
お助けすることで、皆さんがお参りするお寺が繁栄し、多くの人に幸せが訪れると考えられています。
by ICEくん(人によって少し考えに偏りあり)
このようにお坊さんを支える以外にも、タンブンの方法は様々あります!
・貧しい人にお金や食物を恵むこと
・社会貢献や寄付など、見返りを求めない良い行い行いをすること
・鳥や魚など籠に入った生き物を逃がして自由にしてあげること
・お寺に行きお坊さんの説法を聞いて心を清らかにすること
これらにより積んだブン(善行)は行為者に留まらず、その両親や家族、祖先にまで伝播、転送されます。おもしろいことに、家族などに転送されたブンは減少せず、逆に増幅すると考えられています。
こうして家族や祖先が皆、幸せになっていく仕組みが誕生するのがタイの思想です。日本では一般的ではありませんが、息子が出家をしてタンブンすることは、母親に対する最高の親孝行と考えられています^^
このようなタンブンについて理解していただいたところで、タンブン文化が訪日インバウンドにどのように関係があるのか、2つの観点で見ていきましょう!
2、タイ人へ伝える時の必殺ワード
タンブン文化の話を聞いて、皆さんはどのように感じましたか?^^
上の文章を読んで、タイの皆さんの信心深さに驚いた方もいるのではないでしょうか?
このタイの考え方を踏まえた
訪日PRをすべきだと肌で感じた実体験について
お話していきます✨
舞台は、岩手県の代表的な観光名所「猊鼻渓」😊
船に乗って下りながら見る雄大な自然美は、個人的に東北の中でも一押しスポットの一つで、タイのチョンブリという地域にある工場の方々を報奨旅行としてガイドしておりました♪
川を下りながら、どんぶらこっこと進み、名物の場所に到着しました。
ご存知の方がいらっしゃれば嬉しいのですが、名物とは、画像の猪のような顔の目部分に石を投げ入れる「運玉(うんだま)」投げです!!
最初ここにタイ人グループをご案内した時に伝えたのは、「あの目をめがけて投げて入れると運がよくなるよ!挑戦しよう!」という内容でした。
反応は、「あ、そうなんだ」程度でチャレンジする人はゼロ😢
そこで、タンブンを思い出しながら
「この石には、それぞれ福、緑、寿、愛、願、運、忠といった意味が込められて、皆さんの家族や友人、自身の将来のために願いながら入れてみましょう!一投一投、心を込めながら投げること!入れるために苦労した分、ご利益がたくさんありますよ!」
と、本来の意味を丁寧に話しつつ、伝えたところ、
「どれどれ!!私も私も!!!」と
石を販売するところがパニックに(笑)
全力で投げながら、
「やった!!苦労して『福』の石が入った!!これで、家族の将来が日本の神に守られた」
「くー、、だめか!日本の神様のハードルは高い。またタイで徳を積んでから、リベンジしにこよう!」
など面白い感想を述べながら
ご老人を除く全員がトライされました**
私が伝えるときに意識したことは、
①家族など周りの人にも良い影響がある行いであること
②苦労した分だけ、利益がたくさんにあること
③「なぜ有名なのか」という理由を具体的に伝えること
です!
恐らく、この記事の前半で
タンブン文化部分を理解したひとには、タイの人たちの心が動くポイントが少しわかってきたのではないでしょうか?
間違って理解してほしくないのは、
この気持ちを悪用して、どんな場所でもPRできるよ!と言いたいのではないということです。
本来の日本が持つ真実の魅力をタイ人が受け取りやすいように伝えると、魅力の伝わり方が格段に違いますよ!ということを伝えたいです^^
日本人にとって、「パワースポット」と呼ばれるところはたくさんありますが、今のところタイの人にとっては「漠然と運がよくなるだけ」というイメージがあります。
「親孝行に繋がる親子三世代旅」など、より具体的に対象を伝えて日本観光をPRしていくことを、今後皆さんと意識しながら実施していきたいです!
3、タイ人の食とタンブン文化
もう一つ、注意事項に近い訪日PR時のPRの仕方についてです!
先ほど、タンブンの種類の部分に
「魚や小鳥を逃がす」
とありましたが、ここは訪日をPRする上では要注意なポイントです!
日本ではウナギなどを地域の魅力としてPRしている所もありますが、
タイ人がタンブンで逃がす魚にはウナギが多く
逃がした魚を食べる=善行を台無しにする
と捉えて、ウナギや魚を食べないタイの方もおられます*
もちろん、「海外旅行の時だけOK」という方など信心深さのレベルは、人それぞれです。
過去に、ウナギを自慢にしている地域に、私が信心深い方とご一緒した時には、自慢の一品として伝えたいという皆さんの思いを汲んで
「日本のウナギにはとある伝説があります。1671年、大和国北葛城という場所でとある女性が病の父にウナギを食べさせたところ、治ったというものです。もしよければ、一口。ウナギ以外のメニューも注文できますので、何なりとお伝えください♪」と精一杯伝えたこともあります。
その方は、
「父がちょうど目の病気なので、小さく一口、感謝しながらいただきたい。KENさんの方で、感謝の言葉を日本の神様がわかるように日本語で述べていただいて、そのあと合図をください」というお答えが返ってきて、
小さく一口だけ食べられたこともありました///
味はとてもおいしく、命の有難さを感じたとのこと*
日本にも「ウナギは神様」と扱い食さない地域が、山梨県や群馬県には昔あったそうです(今もかどうかは未確認><)。
タイも日本も通ずるところがあるなあと感じる今日この頃(^-^)
自身の地域の魅力とタイの文化をお互い配慮し合いながら、丁寧に魅力を伝えて受け取り合える信頼関係を築いていきたいと感じた経験でした。
4、まとめ
皆さん、いかがでしたでしょうか?^^
タイのタンブン文化について、どのように思われましたか?
この記事を通じて、タイの文化を知りタイへの理解を深めていただきつつ、訪日PRとタンブン文化の関係についても、理解いただくきっかけを提供できておりましたら幸いです**
訪日PRをタイに行う際には、まずはタイのことを知ること(堅くいえばmお客様を知ること)が大切ですので、楽しみながら知っていきましょい!!わっしょい(^O^)/
「こういう伝え方はどう?」
「いやいや、この考え方は違うよ!」
など、様々感じたことある方もいらっしゃるかと思いますので、是非コメント欄にて交流させてください**(^^)
いつも読んでいただき、誠にありがとうございます(*^-^*)
今日もみなさんの1日が幸せでありますよう、タイでお祈りいたします♪
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