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めめの目から〜アダプト雑感〜

本文に織り込まなかった雑感です。 レポートとかではなくあとがき的な。 長い長い独り言もといツイートみたいな。 何も有益さがないのでこれは本当の蛇足です。 不特定多数の目に入るTwitterではあんまりネガティブなことを思ったとて発言しないようにしているので、今回はマイナス部分も書いたつもりだったのだけど、結局結構なベタ褒めレポートになってしまいました。好きはとことん甘やかしてしまうタイプなので仕方ないのだけど……。その分ここでは最後に忖度なく

    • めめの目から〜アダプト評⑩〜

      いよいよ今ライブの総括に入りたいと思う。 前項までの『フレンドリー』についてが途中に思えるかもしれないが、この項を通してそのテーマ性にも触れながら進めていくつもりであるから、気長にお付き合い頂けると幸いである。 ①でも記したが、今回のアダプトプロジェクトは大変に挑戦的な物であったと感じる。言い換えれば特異としても差し支えない。それは何故か。絶対に外せないのが、この2年に及び今なお続く「禍」の存在であろう。世界的に様々な活動が止まり、各々が脅威を前に思案し選択し適応してきた

      • めめの目から〜アダプト評⑨〜

        『忘れられないの』が終わり、暗転。 ONLINEでは『フレンドリー』が、 TOURではアンコールの拍手が始まる。 双方を混ぜたレポートとしてここまで綴ってきたが、ここからは後者の流れで書き進めていこうと思う。 ステージ衣装からツアーグッズに着替えを済ませ、メンバーが戻ってくる。「5年後10年後にも愛される曲を」「15周年を前にあの頃の曲を」等のMCを挟み、20曲目(アンコール1曲目)に『三日月サンセット』が、続く21曲目(アンコール2曲目)には『白波トップウォーター』が演

        • めめの目から〜アダプト評⑧〜

          歩き始め、周りを見回すことで他者と自己を見つめ直し、"どこへ行こう"かとその目的地を思案する──。そんな『夜の踊り子』がこの17曲目にやって来る。 正直、筆者は同曲に対しやや食傷気味であった。もちろん、当初からそうであったわけではない。当時、某奇妙な冒険を思わせるような装いのジョンテモーニングが踊るモード学園のTVCMが先行して放送されていたと記憶するが、その突き抜けるようなサビは非常にキャッチーでかっこよかったし、いざSCHOOL OF LOCK!で初フルOAされた時には

        めめの目から〜アダプト雑感〜

          めめの目から〜アダプト評⑦〜

          前項においてようよう立ち上がったところに続く『アルクアラウンド』が13曲目にやってくることで、"この地で(この血で)"今ここからまた歩き始めるのだ、とそういう決意と覚悟がさらに強調されることとなる。 4つ打ちのダンスロックにシンセサイザーのエレクトロ感、フォークを下敷きとするメロディセンス、そしてどこか物悲しい文学的な詞を特徴とする同曲が、筆者とサカナクションの出会いだった。正確には例の緻密なMVがその初邂逅である。当時高校2年生。多感な時期に強い衝撃と憧憬を抱いたのを今で

          めめの目から〜アダプト評⑦〜

          めめの目から〜アダプト評⑥〜

          明けて10曲目に『DocumentaRy』のDJスタイルから第二幕が始まる。新たにJINS MEMEの音が加わり今のドキュメンタリーを紡いでいく。それは現在のリアルとメンタルをぶつけて生まれた火花を、これからまた次の音楽へと変換していくことを示唆していたのかもしれない。また、先程までの感動や余韻を損なわずに浅瀬へ連れ行く導線としても上手く機能していると感じる。こんな風に綴っているが、浴びた当時はそんな余裕があるはずもなく、踊り狂っていたのは言うまでもない。そして忘れてはならな

          めめの目から〜アダプト評⑥〜

          めめの目から〜アダプト評⑤〜

          9曲目。破壊と再生の曲『目が明く藍色』 ティザーの段階から同曲のイントロやCメロが使用されており、セットリストに入ってくることはまず間違いないだろうと思われていた同曲がここで入ってくる。実現することはなかったが、昨年出演予定だった夏フェス(ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2021)では1曲目に演奏される予定だったことがサカナLOCKSでも明かされている。そのため、もしかしたら今回の1曲目に入ってくるのではないか、という予想も散見されたし筆者自身もあり得るなと考

          めめの目から〜アダプト評⑤〜

          めめの目から〜アダプト評④〜

          三日坊主という言葉があるが、それは無事に越えられたようである。長文駄文であるにも関わらず、根気強くお付き合い下さっている方もおられるようでありがたい限りだし、同時に恐縮もする所である。この場を借りて謝辞としたい。 さて、本日は7曲目の『ティーンエイジ』から続けていきたい。 夜から朝を待ち、ここで完全にそれを迎える。静かに立ち上がるイントロから、"壁は灰色 雲の影が動いた 朝が来るな"と歌われ、やや寒色じみた照明の中にメンバーたちの姿が浮かび上がる。静謐な早朝のイメージ

          めめの目から〜アダプト評④〜

          めめの目から〜アダプト評③〜

          夜毎に綴り、早3日。まだ4曲しか書けていないという事実に我ながら辟易としてしまう。これ、ずっと読んで下さる心優しい方なんているのだろうか……。そう言いつつも、元より果てしなく自己満足な文章であるから、今もこうして書き進めようとしているのだが。 続いて5曲目『バッハの旋律を夜に聴いたせいです。』 サカナクションにとって、ある種のエポックメイキング的な位置付けになる楽曲がここでやってくる。同曲のMVは、今プロジェクトでも総合演出を担当し、これまでも様々な場面でタッグを組んでき

          めめの目から〜アダプト評③〜

          めめの目から〜アダプト評②〜

          前回はまさかの1曲目『multiple exposure』への想いだけで終わってしまったので、その続きから綴っていきたい。 2曲目は新曲だった。月夜のシルクロードが浮かんでくるようなその楽曲のタイトルは『キャラバン』 確かリアルライブの方ではここでタイトルがサービスモニターに現れたと記憶する。つまり『multiple exposure』は映画でいう所のオープニングや導入部にあたり、ここから本編が始まっているような気がするのだ。『multiple exposure』で世界

          めめの目から〜アダプト評②〜

          めめの目から〜アダプト評①〜

          綴ることを躊躇っていた。綴るには今回の体験はあまりにも深く、重い。また、そこに付随する暗く長い2年間がどうしても首をもたげてくるからだ。自分自身も歳を重ね、昔ほど時間と体力に余裕もない。では何か配信で話せばいいのではないか、とも思った。だが、結果的にはやはり綴ることにして、今こうやって言葉を紡いでいる。これが僕にとって最も素直に心の中を表現できる媒体であり、それは同時に頭の中の整理にも繋がるからだ。そして、この自己満足を何かしらのカタチに残すことで自分の忘備録としてはもちろん

          めめの目から〜アダプト評①〜