『報徳の開拓者 安居院義道』をめぐるエピソード(『報徳』2023年12月号巻頭言より)
安居院義道庄七
安居院義道庄七は、江戸の末期に遠州に報徳を伝え、維新後に全国展開になっていく報徳社運動の基盤をつくった人ある。ドラマに満ちた人生で、神奈川県秦野の修験者の家に生まれ、米屋に婿に入ったが、晩年に相場で破産。ただで金を貸してくれる人が桜町に居ると尊徳を訪ねるが相手にされず、風呂番を二十日間程して周りの人たちから報徳の考え方を知り、秦野に帰ると「元値商い」で家を立て直す。万家を興したい欲求が沸き起こり、家をゆずって伊勢講に加わり東海道を行き来する中で、浜松の下石