生きること、死ぬこと

この二日、三日、何をしていたかというと、まずは「方丈記私記」を読んでいた。この本は難しい、読み解くのに時間がかかる。

ただ堀田善衛ほったよしえさんの考えていること、そこで書かれていることに惹かれ、読み進めてしまう。「時間」も面白かったけど、堀田善衛さんの他の本ももっと読もう。

それ以外でいうと、硫黄島いおうとうについて。ある連載をきっかけに硫黄島と戦争のことについて知り、これは詳しく調べねばと本屋に行こうとした。だが、秋田ほ大雨によっていつもの本屋が営業しないことに。

その他でいうと、宮崎駿の最新作「君たちはどう生きるか」を見た。感想は色々あるが、ジブリの映画は一貫して「この世は生きるに値する」ということを伝えてくれる。ぼくはそれが好きだし、
今回の映画で、改めてそれを感じ取れただけで、満足だった。


話を大きく変えて…

といったところで、少し話は横道に逸れるが…「生きる」ことや「死」について。おぉ、急に重いテーマに…。

というのも、なぜか今、戦後や戦時中のこと、さっき挙げた硫黄島のことなど、色々と本で「戦争」について読んだりしている。これはたまたまで、ぼくの興味関心はいつも行き当たりばったり。

なんだけど、そこを勉強していくと、昔と現代では「生きる」こととか「死ぬ」ことへの価値観?捉え方?が違う気がしてきた。

やっぱり戦争が身近にあった時代。その記憶や温度が残っている時代には「生きたくても生きれなかった大勢の人がいる」というのが、どこか人の心にあったように思う。

死ぬことは痛いこと、辛いこと。でも国のために死ぬことは立派なこと。そういった考え方に、疑問を持ちはじめた人もいた時代だと思う。

じゃあ現代は?戦争や色々なものから時が経った現代は、その感覚が薄れている。それは当たり前のことで、そういうものだと思う。

今の時代の「死」。それは「別世界」として捉えている人が多いかも?と、思ったりする。映画のような?アニメのような?二次元空間のような?

「死」の世界は、辛いところや苦しいところではなくて、楽なところ、好きなことができる場所。
「現世が辛いから、死んだ後の世界に逃げたい…」そんな感覚を持っている人も多い気がする。

現世が楽しくない、不安しかない、辛い。誹謗中傷や暗いニュース、色んなことがひしめき合う。そんな時代を生きている僕らの死生観や生きることへの価値観は、やはり昔と比べ変容しているんだと思う。

じゃあぼくは?この時代を生きる当事者である僕は、どう感じ、どう考えているか。

生きるということは、辛いこともあるし、大変なこともある。それでも、「この世は生きるに値するのではないか…」と、思う。

むしろそれが生きることの尊さなのではないか?と、思ったり、ふと考えたりもするのである。


色々と書きましたが…

少々難しいことを書いたなぁ~。でも秋田で働きはじめて、生死の境目にいる人とも関わるなかで、感じてきたこともある。

死にたくなる気持ちと、逃げたくなる気持ちは近い。きっとみんながどこかで持っているし、特別なものでもないと思う。

人生は、色んなラッキーや偶然の連続で、今がある。ぼくもその今を生きていて、色んな巡り合わせで、福祉の仕事を選び、今日を生きる。

色んなことを経験するし、大変なことも、涙する日もあるし、それでもやっぱり生きていて良かったと思えるように、日々を送りたい。

「この世は生きるに値する」宮崎駿監督やジブリが貫いてきたメッセージを、また受け取った、そんな最近でした。

ぼく自身も、この「この世は生きるに値する」ということを大切にしていきたい。やっぱりそれが福祉を仕事にする理由の一つでもあるし、それを大切にしながら、大変なことにも、逃げたくなる夜にも、向き合っていけたらと思います。


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