【#Real Voice 2022】 「大学生活最後の思考」 4年・平田周
現在11月23日30時30分@東京ドームのトイレ。ブログは26日。資格試験と卒論と部員ブログが見事に重なり、ただでさえ土下座して日にちを変更してもらったため、もう遅れるわけにはいかない。武道館で2時間突っ立ってる間に時給が発生しているのと同時に頭で考えていた内容を書きなぐる。
「辞めます。」
いつだかの試合後、内田さん(GKコーチ)に伝えた。
「今思う言葉を言っても薄っぺらくなってしまうから、一度考えさせてほしい。またすぐに話そう。」
4年間、どんなことでも内田さんに話して、言いたい放題言ってきたのをすべて受け止めてくれた内田さんが、動揺を隠しきれずにそう言ったのを、鮮明に覚えている。
数日後、電気が消えた真っ暗の東伏見グラウンドで内田さんと23時頃まで話す。
練習に出ても全く出番を与えられない、そもそもボードにネームマグネットがない、練習中に存在を忘れられてる、公式戦メンバーなのに発表時名前を呼ばれ忘れる、人一倍声を出していたつもりが「元気がない」という理由で序列が落ちる、関東に2番手としてベンチに入るも翌日何事もなく4番手になり前日なぜベンチに入ったのかわからない、繋がりとは言いつつもこれらの事象に何の説明もコミュニケーションもない。ヘラヘラしながら形式的に謝られたのは一回あったな。表面的な、外側に対してのものとは、実際は全くもって違う。
そんなことには、3年時にもう慣れた。期待していない。されたところで今更何も感じなくなった。
自分の思うところは、もう、いい
そんな中、
生方(4年・生方聖己)が鬱で消える。
豪(2年・竹中豪)がしわ寄せの犠牲になる。
公平(2年・北村公平)が元気そうに振舞ってはいるがよく見れば辛そうな顔でいる。
特に後輩は、自分もかつてした経験に苦しんでいた。
かくいう自分は、朝起きて朝食を食べていると、なぜか涙が出てくる。
「あ、やべーな」
やっと異変に気付く。
仲間が辛そうな姿を見て、自分がくらってた。
決定打だった。
こんなことを内田さんに話したのを覚えている。
ここでの時間がまだ長い後輩を思うと、辛くなってしまう。
どうしても身体に力が入らない、常に内側がどんよりとしている、不意に原因不明の涙が出てくる。
皆の前では、最低限のまともさを保てるが、
一人になると止まらない組織への思考。
ここまでメンタル的に支障をきたしてまで、なぜここにいるのか。
終わりのない螺旋の中にいる気がした。
話し終わったあと、隣りに座っている内田さんの顔が見えた。
悲しそうな顔。
「今すぐにはよそう」
それだけは思えて
「すぐじゃなくて、一旦考えることにします。」
そう言って、また螺旋に戻る。
朝を迎えるのが憂鬱。
寝れない日々。
仕方がないから真夜中にベランダに座る。
この時間が、一番落ち着いた。
何日経ったか、
6月10日深夜3時半、生方から電話が来た。
号泣している。
理由は、なんとなくわかる。
第一声、「社会ってこんなんなの?!」
いつもの問いかけをされる。
同じようなストレスを抱えてきたあいつと、お互いひどい状態で改めて話して、気持ちばかり冷静さを取り戻した。
復帰するという知らせを聞けたことも大きかったのかもしれない。
「こんなにも憔悴したのは初めてだなあ」
ふと思った。
疑問は、怒りに。
怒りはパワーにしてきた。
ストレスは?
たまり続けていただけだった。
安らぎもあったが、上回ってしまったか。
どんなにきついときも、一日でケロッとしてたんだけどな。
「ああ、だいぶ自分のこと考えれるくらいにはなってきた」と実感する。
この日から、少し寝れた。
また東伏見に向かう。
こんなにも無気力。
だけれど、無情にも日々は過ぎていく。
辞めるといったのに、結局またここにいる。
「結局辞めれねーんだな」
部室前の横断歩道からかすかに見えるグラウンドを眺めながら、そう思った。
4年間すべてを受け入れてくれた内田さんがいる、馬鹿をしてきた仲間がいる、かつての俺と同じ苦しみの中にいるやつらがいる。
辞めて、皆を見なくなって、俺は抜け出せるのか。
抜け出せねーな。
抜け出せないから、降りる。
人はいつか死ぬのだから、
余計なことは考えん。
囚われん。
引きずり込まれるな。
見えてる何か、見えない何かと戦うな。
至極勿体ない。
とことん俺のスタンスでやらせてもらう。
とことん俺のやり方で示す。
とことん楽しませてもらう。
そして俺も、誰かのここに来る理由の欠片にでもなれればいいか。
やっといつもの感じ、戻ってきたわ。
こういうのって、いつも突然なんだよな。
色々あった割にこれかい。
俺もそう思う。
事象の肯定はしないが、でもそれなりの意味はあった。
やっと寝れるようになった。
そしてあいつが戻ってくる。
「人っていつか死ぬんだよな」
そう言った。
そういやこいつよく言ってるわ。
読んでいただきありがとうございました。
あまりにもまとまらなすぎて、削ぎ落として削ぎ落として、最後まで迷走。
なんかしら伝わればと思います、、、
最後に、
内田さんは、4年間言いたい放題言ってきた自分を受け止めてくれて、常に向き合ってくれました。
内田さんがいなかったら、自分は最後までいなかったと思います。
かけていただいた言葉の数々は、自分の中に大切に秘めています。
僕が言うのはおこがましいですが、本当に素晴らしい方です。
ありがとうございました。
この場を借りて最大の感謝とリスペクトを送らせていただきます。
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