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【#Real Voice 2023】 「成長と衰退」 3年・舩越嶺

「期待しなければそこまで失望しない」



『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』に登場するヒロインのセリフだが、親和性を強く感じた。

人生うまくいかないことの方が多い。多くの人が感じているし、実際そうである。
だからこそ、「自分が望んだ状況にならない度に落胆するのであれば、うまくいかなかった場合を想定して心の余裕を持った方がいい」「うまくいくはずがない、望んだ状況になればラッキー」といったマインドを密かに持ち続けてきた。
共感する人はいるのかな?


率直にその方が楽だった。
友達や仲間が同じ状況に陥ったとき、「なんでそんなに落ち込んでるの?」「それくらい事前に想定しとけよ」とさえ心の中で思っていた。
「俺は常に先のことを考えて備えている」という小さな優越感を無意識に抱いていたのかもしれない。


今回、過去の振り返りを交えて、改めて自分自身を見つめ直してみました。
拙い文章ですが、最後まで読んでいただけると幸いです。






これまでの21年間、学業や部活動、学校行事といったさまざまな経験をした上で、「どのような事象が起こりうるか、今何をするべきか」といった具合に考えて行動できるようになった。もちろん今も成長途中だし、まだまだ足りていないのは言うまでもないが、恵まれた環境のなかで1人の人間として成長できたのは間違いない。
でも…




日常生活や部活関連の仕事・運営では、さまざまな状況が考慮され、起こりうる事象および対処方法も少なくない。


サッカーはどうだろうか??

試合中は常に次のプレーを予測して、考えて、ポジションを取りプレーを選択する。
これが今できていればAチームでプレーしているかもしれない。
これに関してはやり続けるしかない。
それはさておき…




試合の結果は単純だ。
90分間どんな内容であろうが、勝ち、引き分け、負けの3パターンしかない。
当然のことだが、勝ちたい気持ちは強いし、負けるのは嫌である。
勝つために何ができるかを考え、最大限実行しようとしている。
でもさ…



冒頭でも述べたが、普段の自分は「期待しなければそこまで失望しない」「自分が望んだ状況にならない度に落胆するのであれば、うまくいかなかった場合を想定して心の余裕を持った方がいい」といったマインドを持っている。


続きを綴ることが恥ずかしい。
とても顔向けできない。


勝負事にあたって、勝負する前から負けた場合を無意識に考えてしまう。
負けた場合を想定してしまう。
負けた場合の心構えをしてしまう。
負けた場合の準備をしてしまう。

それが楽だから。
落胆したくない、心の余裕を持ちたい。



「あぁ、サッカー選手として終わってんな」



ブログを書きながら強く感じた。
他にも…




足の速さでさえ、学年トップに執着していた小学生時代。
中学、高校、大学に進むにつれて、自分より速い人を潔く認め、記録に執着しなくなった。
気がつけば現在チームトップレベルの鈍足。


MFながらゴールを量産していた中学時代。
高校、大学で自分よりシュートが上手い選手、点を取れる選手と出会い、自身のシュート数が着実に減っていった。
「自分は点をとる選手ではない」と現状をただ受け止めた。
結果、ア式に入って公式戦・練習試合で未だノーゴール。


自分の武器にしていた球際やセカンドボールの回収。
泉(3年・泉颯 / 静岡学園高校)の球際が強い」「伊勢(3年・伊勢航 / ガンバ大阪ユース)のボール回収率がえぐい」
他にもア式には良い選手がたくさんいる。彼らを認め、憧れの目を向けているうちに、自分の武器が周りと大差ない平凡なレベルになっていた。



「現実を受け止める」「周りを認める」「現状を冷静に分析し、自分ができることをやる」
確かにこれらは生きていく上で必要なものだったり、役に立つものだったりする。

だが、サッカーにおいてこれらの思考は自らの成長を止めたり、可能性を奪ったりする。
今の自分がそうだ(無論意識的にしているわけではない)。

今の自分はサッカー選手としてエゴが足りない。お利口さんすぎる。もっと足掻いていいと強く感じた。



「憧れるのをやめましょう」



大谷翔平選手の名言である。
今の自分にとても響く。




憧れてしまえば越えられない。
憧れるのは、もうやめる。





練習後のグラウンドでボールを触る回数よりパソコンを触る回数の方が多かった直近数ヶ月。既に来シーズンの火蓋は切られている。
そして何といっても来年はア式創部100年目である。
これからもっと忙しくなるし、責任やプレッシャー、悩みや葛藤と向き合うことになると思っている。
ただ、今更逃げるつもりもないし真正面から向き合う覚悟はできている。


サッカー、ア式に対して本気で熱中できる最後の1年。


失望させないように全力を尽くすので期待してください。
応援よろしくお願いします。




最後に...


「お前は諦めちゃダメだ。絶対に諦めちゃダメ。お前ならできるから。舩越ならできるから。」


今シーズン縦割りで一緒だった山田怜於くん(4年・山田怜於 / 鎌倉高校)から11/19(日)に頂いた言葉が強く印象に残っている。

自分にしか体現できないもの、自分にしか周りに伝えられないもの、自分にしかア式に残せないものがきっとあると思う。
今まで通りでは足りない。変えるべきところは多々ある。

改めてラスト1年、最後まで闘い続けることを誓う。


◇舩越嶺(ふなこしりょう)◇
学年:3年
学部:人間科学部
前所属チーム:市立浦和高校


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