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【#Real Voice 2023】 「たくさんの想いのために」 3年・梅林頌英


「やり続ける」

2023シーズンの使命であった関東リーグ1部昇格のために、「昇」という字で完成された横断幕に書いた言葉。



自分は弱い人間である。
ア式で3年間過ごし、21年生きてきて、最近つくづく思う。
一人では何もできない。
大した才能や能力なんてない。

その上で、みんながいて自分がようやく存在する。
関わってくれる人、支えてくれる人がいての自分である。

ア式生活3年を迎えた最近、強く気づかされる。
その上で、自分にできることは、「やり続ける」こと。

何をなんて一旦置いといていい。

立ち止まらないで「やり続ける」

これだけ。

あと、365日もない。
立ち止まっている時間なんてとっくになくなったし、
自分だけでは何もできない。
だから「やり続ける」しかない。




2023シーズン。
ア式は関東リーグ2部に降格し、
兵藤さんを新しい監督として迎え、
1年での関東1部復帰を使命として
シーズンを迎えた。


この1年間、色々なことがあったが、
結果はご存じの通り、5位。
2024シーズンも、関東2部で戦うことが決まった。

全てホームの試合で、
はっきり覚えている。
10節 vs 順天堂大学戦
12節 vs 山梨学院大学戦
20節 vs 関東学院大学戦

目の前で勝ち点を取りこぼす瞬間を。
戦っている選手が膝から崩れ落ちる瞬間を。
可能性を残していた自動昇格を失った瞬間を。

自分も全身の力が抜けた。
ピッチで戦ってた選手が一番悔しいことは十分わかってる。
監督や社会人スタッフが学生の全ての責任を背負っている覚悟は底知れない。




自分は今年から、100周年プロジェクトや早慶戦関連、協賛など、ピッチ外からもア式に関わるようになった。
まだ何をとっても遂行はしてはいないが、
どれも価値あるもの。
必ず形にして、未来につなげていく。

ただ実際やってみると、骨が折れることが多い。
その中で経験してわかったこと。

それは、
この組織にはピッチ内外で、
スポットライトが当たる機会は少ない人、
もしかすると当たる機会すらもらえない人たちが、
多くのものを犠牲にして、活動している。
何かを我慢し、悔しさや組織への矜持を大きなエネルギーに変えながら、日々歩んでいる。
彼らと時間を共にして気づかされた。


みんなの日々の活動を、
もっと意味のあり、価値あるものにする。
その責任がある。
それに必要なことは、
サッカーで結果を残さないといけないことを何度も感じた。
痛いほど理解した。
この両輪を回し続けることは難しいが、どちらか片方だけでは回らない。


だからこそ、
あの3試合のラストプレーでの失点は、自分にとってあまりにも辛かった。
そして、それ以上に、自分がその場に立っているのではなく、
応援席から見ていることしかできなかったことがあまりにも悔しかった。




でも、
自分はその程度の人間。
それを実感した。
ピッチ外の活動に全く触れなかったら、
運営に携わる人たちと関わらなかったら、
昨年、降格した時と同じように、
そこまで精神的に食らうことはなかったかもしれない。
初めてこの組織に向き合った結果、痛感させられた。




そんな自分にでもできること。

「やり続ける」

これしかない。
足を止めている時間はない。



2023シーズンは個人としても目標を叶えることはできなかった。

やるせない。
そんな1年。

今年は、Iリーグと社会人リーグの序列が関東リーグの登録関係から変わった。
1年間、社会人リーグに所属した中で、フル出場した試合は1試合もない。
前線の選手として、なかなか結果を残し続けられない。
大事な時に失点し、周りの選手に声をかけられない。


vs 駒澤大学GIOCO
vs FC N.
拮抗し、緊迫し、どっちに勝敗が転ぶかわからない試合で、出場できない現実もあった。


今年の社会人リーグのチームは1,2年生が多く、3,4年生が少数。
スタメンで出る選手も、下級生が大半。
シーズン通して、
・試合の入り
・社会人相手との戦い方
この2つが明確な課題だった。

それも、
自分がピッチの中で変えるチャンスを掴めなかった。
2年間、このリーグで戦ってきたのに、
練習からこの課題に向き合おうとチームに訴えることをしなかった。
「ベンチにいる選手」だからって、発言することを恐れた。
まだ3年だからという甘えを持っていたからなのかもしない。


それでもこれは、2023シーズンの自分の現状であり、現実。
受け入れて、前に進むしかない。



結局、1年間を振り返って思い起こすことは、
自分はまだやれると、悔しさを感じた時のこと。
サッカー選手として、大事な気持ちを持っていた時のこと。

だからこそ、
誰かと比較して劣等感を持つのではなく、
現実をしっかりと受け止め、
過去の自分から、できることが増えていることを実感するだけでいい。
その積み重ねの量をしっかりと増やしていけば。


2024シーズンは少しずつでいい。
着実に「人として」前進する。




そして2024シーズン。
4年生として迎えることになる。
100年目を迎える年に、4年生という立場に立つ。
様々な感情がすでに生まれている。
ア式での4年生という立ち位置は、非常に重い。
100人を超える組織を束ね、同時に100人のこれからの人生を背負うことになる。

3年もこの組織にいると、実感する。
4年生がそのシーズンの結果を決める。
ピッチ内も、ピッチ外も全てにおいて。
4年生の1つ1つの
態度が、
行動が、
発言が、
想いが、
1セッションの練習強度を作り、その練習強度が1日の練習を作り出す。
その練習が、週末の1試合の勝敗を左右し、その1勝、勝ち点3が1年間の結果を決める。
自分たちの1日1日の積み重ねが、ア式の強さを創出し、未来を決める。



だからこそ、すでに始まっている2024シーズン、
4年生という立場を楽しみたい。
4年生という責任ある立場を謳歌したい。


幸いなことに、2024シーズンも自分はこのチームに対して、自分自身に対して、
挑戦するチャンスがある。
自分の想いを叶えるチャンスが残っている。



「関東リーグに出場する」「早慶戦に出場する」



これを達成するためにこの組織に入った。
発言することは覚悟や勇気がいる。
だからこそ、これは自分への戒め。
これらへの欲望は、自分の中で、忘れることなく、消えることなく、絶えず追い続けていく。


でも、
これ以上に、この1年、自分が求め、大切にしないといけないものがある。


「この組織がもう一段階、レベルアップするために。」


関東リーグも、社会人リーグも、Iリーグも全て。
結果に対して、自分のできることを全力で全うする。



そして、
自分は今まで、多くの4年生に大きな恩をもらってきた。
4年生の想いをたくさん受け取ってきた。
自分の心の支えであり、大きな原動力であった。
それを、
与えてきてもらった恩を、今度は自分が与えていきたい。
今までの4年生に対する感謝であり、
それが歴史や伝統として、受け継がれるものであると信じている。



その上で忘れていけないことは、
この1年、自分が示し続けること。
格好悪くても、ダサいと思われても、なんだっていい。
全力でサッカーをやれるのも、あと1年もない。

上手くいっていない選手に寄り添うことで、
その選手が踏ん張って、再び前を向ける一言になるかもしれない。
あと一歩、この一本、その声かけが、
チームに大きな影響をもたらすかもしれない。
走りの最後の最後まで踏ん張ることで、
2023シーズン、試合終盤で失った勝ち点を、来年は積み上げることができるかもしれない。

少しでも、最後だけは、自分の想いを達成するために。



最後にチームとして、
この1年、確実に予期できないことが起こる。
目を背けたくなるような、すべてを投げ出したくなるようなことと必ず出会う。
大きな対立を生むかもしれない。

だけど、起こることは全て組織が良くなるために必要な要素。
だからこそ、そういう時に、
1つずつ、着実に、丁寧に向き合いたい。
向き合えることに喜びと幸せを噛み締めて。




自分のサッカー人生最後の1年は、どんな結末を迎えるのだろう。
引退ブログを書いている時、今よりも成長した自分がいるのだろうか。
その程度の人間である自分が、支えてくれた人々に、何かを残せたと、胸を張っていられるだろうか。
全く予想できない。

だからこそ、




たくさんの想いを胸に、
その「瞬間」、その「時々」を大切にする。

そして、
1歩ずつ、丁寧に、着実に、時を進めていきます。


◇梅林頌英(うめばやししょうえい)◇
学年:3年
学部:文学部
前所属チーム:國學院大學久我山高校


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