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【#Real Voice 2022】 「再起」 3年・富永東吾

あなたにとって幸せとはなんですか?

この答えに対しては、十人十色であると思う。

試合に勝つこと、得点を奪うこと、美味しいものを食べること、仲良くしてくれる友達がいること、人から愛されること、素敵な景色を見ることなど。

人によって何が幸せかは異なるし、捉え方は無限大にも感じる。

だからこそ、「自分が感じる幸せをたくさん見つけること」こそが、美しい人生なのではないだろうか。

2022年は、肉離れと膝の手術、入院を経験した苦しいシーズンであり、怪我なくサッカーができたらと、何度も思った。

特に怪我から復帰をした5日後に、膝の怪我をした時には、先が真っ暗で、何もやる気が出ず、「なんでまた俺なんだよ」と絶望に打ちひしがれていた。

なかなか前向きに生活できなかったが、入院生活では、色々な気づきを得ることができた。

入院をすると、自分のような怪我人だけではなく、何かしらの病気を患っている方も同じ部屋にいた。

もう自力では歩けなくなってしまった人、長らくコロナの影響で家族に会えていない人、毎日痛みに耐えながら治療をしている人。

同じ空間で2週間過ごし、聞こえてくる会話や生活音でとても大変そうな雰囲気を感じ、健康であることがいかに幸せか再認識することができた。

世の中には、生きたくても、叶わない人もいる。そんな中で、私は健康で丈夫な体をいただいたからには、辛くて苦しいリハビリにも一生懸命取り組もうと決意することができた。

振り返ると、膝が見たことないくらいに腫れ上がり、毎週膝に注射針を刺し、溜まった血を抜く、過酷な生活をしてきた。弱い私がそんな毎日を乗り越えられたのは、素晴らしい人や仲間に巡り会えたからだと思う。

怪我をした当日に有名なお医者さんがグラウンドにたまたま来ていたため、素晴らしい先生に巡り会うことができ、手術をしていただけたこと。

怪我をした自分に前向きな声をかけてくれたり、食べ物や飲み物を持ってきてくれたり、家まで送ろうとしてくれたり、お見舞いに来てくれる同期がいること。

入院中も気にかけてくれて、心配してくれる友達がいること。

手紙を送ってくれたり、電話をしてくれるおじいちゃん、おばあちゃん、親戚がいること。

常に1番近くで、助けてくれる家族がいること。

全てに感謝をしたい。

そして怪我をしたことで、自分の中で当たり前になりかけ、盲目的になっていた幸せを再認識することができた。

現在はリハビリ中で完治はしていないが、この怪我を通じて、自分自身を成長させることができ、いつかは「この怪我があったから」と言えるまでになりたい。

怪我をしてサッカーを辞めるか迷っていましたが、サッカーを続ける選択をし、ラストシーズンを素晴らしい同期とともに戦います。

この文章を読んでくださった皆さんの中にも、多くのことで悩み、挫折をしている人がいるかもしれません。

自分のことを労りながらも、苦しんだ先に栄光はあるはずです。そして途中で諦めるより、納得できるまで続けた方が人生は美しいはずです。

掴みたい栄光のために私は前へ進みます。

◇富永東吾◇
学年:3年
学部:社会科学部
前所属チーム:早稲田大学本庄高等学院

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