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【#Real Voice 2024】 「君へ届く最後の言葉」 4年・中山夏妃

君にとって私は何者になれたのか。


残された期間で我々は何者としてこの組織を去るのか。


始まり

私にとって向いているのか分からないけど
と思いながら入り込んだこの世界

サッカーのルールも今に比べれば最低限しか分かってなかったと思うし

今となってもきっかけはあるけどないような気がして

どちらかというとこの部と出会ったことがきっかけで
先に大きな理由があったわけではないように思う。

丁度今から3年前
私はまだ入部できていなかった。

学年最後の仮入部生だった。

今となれば理解できたり
ありがたいと感じることも
絶対今に繋がる土台を作ることのできた大切な時期だったと思うことも

あの時の私はまだまだ今より未熟で
仮入部期間は辛いと言う感情がとても先行していて
日記などの記録にも残せなかったという記憶がある。

リーグ戦が終了してしまうからと4年生から伝えられて
入部期限が設けられていたあの頃。

ゲバ(紅白戦)を見ながら、ボトルに水を入れていて涙が出てきた。

これが最後のゲバか

来週は私はここにいないのかな
今度見るときは部外者になってしまうのかな
それでもこの場はきっと来週もあるんだよな
みんながこんなにも心を燃やすこの瞬間を見るのはこれが最後か
来週のチームを予想することも見ることも許されない存在になってしまうのかな

入部できなかったら今後みんなに会うこともないんだろうな
これからだっていうスタート地点にも立てずに終わっちゃうのか
(去年の部員ブログでもいつの日かに泣いたことを書いてしまっているが、滅多に泣かないしどちらかというと冷酷なキャラの方なはずです)

そう思って実は泣いてしまったあの日の練習終わりに入部が発表されました。

みんなからは事前予告があると聞いていたのですが、
何も聞いてなかった私は驚きすぎて
信じられなかった記憶と
近くで同期が抱き合って喜んでくれた姿が記憶にあります。

私の入部挨拶の後
当時の新人監督が
「これで今シーズンの入部を終了します。」
と言っていた日から

今日という引退が目前に迫る現在。

本当に最後のゲバの日が来てしまうという感情と
ここまでよく辿り着いたという感情。

現在

現在の学生スタッフは約20名というほぼ3年生の人数と同じで
一学年にも及びそうな人数の大所帯にまで成長

個性が強いとよく言われるア式スタッフですが

それだけなら良かったんですけど

それこそ代替わりした時期から監督とスタッフ(特にマネージャー)についてたくさん話す時間を割いてしまった。

絶対にこのままではいいシーズンを迎えることができないことは明らかな状態

新入生が来る前にどうにかこの状況を打開しなくてはいけないと思って
行動し続けた。
人に向き合い続けていたと思う。

かなり課題が多いこの状況に
嬉しいはずの悲鳴が訪れる。
今までにないほど多くの新入生が訪れた。

来る新入生にア式とはどんな組織なのかを説明し
質問に答える。
シーズン頭は毎日のように新入生と面談をする日々。


様々な部分にまで目を凝らし
問題が起きる前に見つけてはそこにアプローチし続けた。

その中で自分の存在が波消しブロックのようだなと思ってしまうこともあったけど
自分がアプローチしたからその問題はプラスの方向に姿を変えてここに存在している。
悪い未来は私の想定の中だけで消滅した。
よかった。

できるだけプラスに捉えて

4年生として私がやらなければ誰がやるという強い気持ちを持ちながら


私の視点から言うならば
勇気を持って色々なところに踏み込んだ。


チームのためにという考えで行動しているはずなのに

時には伝わらないこともある。

そして、最大限に自分を4年生という型にはめてしまった。

私の感情がなんなら邪魔で
私の感情を取り除いてチームにとってプラスにつながる行動を自分が最大限に肯定したかった。

4年生をしていく中でどの選択肢をとっても大正解がない場合があるということに気づき出してしまった。

その時点では65点と75点の選択肢しか現実的には選択できないものばかり
私がカバーリングできる領域は頑張ってできるだけ埋めていっても届かないものもある。

あと、この「選択する」ということ自体に対して
私の判断が悪いのか、思慮が足りないのか
と思いつつも

私たちはその瞬間を1回しか生きれない訳で
何かを守るということは何かを犠牲にしてしまうこともある。
何かを選択するということは
選択しなかった未来との別れ。

自分自身じゃやりきれないのかもと思って
今まで通り人に相談してみても
なんか違う方向に進んでしまうこともあった。


自分の立場が変化していたことに適応していなかったのは意外と自分自身で
私という立場が安易にブレてはいけなかったということ
自分の声の及ぶ領域に、その意味を自覚しきれていなかったと気づく。

9月のとある日、現在の学生スタッフやチーム全体について改めて考える機会があった。

その時書いた中身をざっと記すと

課題
スタッフ間で意識の差が開いていること、一体感がないこと。
スタッフの人数が増えて、様々なことにチャレンジしたり、各々の色が出ていいところもある反面、スタッフの中での部の向き合い方が違うことによるまとまりの無さが課題だと思う。

理由
人数が多くなって合わないことが多いのは当然かもしれないが、スタッフとしてチームとしてベストを出すためには周囲との協調、リスペクトが必要だという考えを持って、積極的に関わり合う姿勢が全体として欠如してしまっている。
そのため、解決されない問題があるのだと思う。

チームのためにどうするか
ア式の活動の質を高められるように、日々感受性高く取り組み、気付きを行動に移し続ける。学生スタッフという他の部員と少し違った視点や、各々のいい色を出しながら新たな価値を与えられる存在になれるよう努める。

こういうことを考えると
なんか人にベクトルが向いてしまっているような気がして

やっぱり自分にベクトルを向けようと思うと
何もかもが自分のせいのように感じてきて

絶対に違うことまで
あー私のせいか

となんでもよく分からぬ帰着をさせてしまう時期も結構長かった。

ただ、チームのために貢献したいという思いは同じはずなのに。

再会 最下位 再開

先日、1年生の時以来久しぶりにお会いした上赤坂コーチ(ア式蹴球部元コーチ)に

「よく続けてたな!」

と言われて

今の部員からはそんな風には見えない(はず)だけど

確かに一番伸び代たっぷりで立場が危うい最下級生スタッフだった自覚はあり、
そもそもよくここまで続けてこれたなって

(ピッチ内はあの時から得意な方で
めちゃくちゃポンコツとかではなかったと思うのですが
そんなことは問題ではなく、そもそもそんな意図して言っていたのではないはず)

4年生としてスタッフチームがとか組織全体がとか偉そうに頭を悩ませていた訳ですが、
そもそも自分自身の数年前を省みれば、よくやっているななんて思って久しぶりに自分を褒めるというより認めることができたような気がしました。

1年生の時の私は
人としてもスタッフとしてもあまりにも未熟で同期や上級生に沢山支えてもらって

2年生の時の私は
とにかく頑張ろうという気持ちで直向きに前を向き続け

3年生の私は
冷静に組織を見ながら自覚と責任が芽生え

4年生の私は
ア式に来た日からはかなり違う姿に成長したのではないかなと思います。



私の下級生の姿を見たことがないだろう人に
回顧録として。


答え

で、なぜマネージャーを始めたのか
なんで続けられてるのか

多分
というか確実に

「人」です。

え、流石に陳腐に聞こえてしまいそう。
と思いつつもとっても本当です。

理由を長く書こうかどうしようか迷いますが

ちょっとこの部員ブログ長めなので一言で
今の同期でなければ4年間続けることはできなかったと思います。
実は結構
みんなが頑張れる理由であり、支えでした。
感謝してます。

Iリーグ最終節
FC引退試合

ここで何をしたいのか
何を目指すのか

大きい目標でなくても

何のために誰のために
君は今ここにあなたの大切な時間とパワーを捧げているのか
なんて思ってみたり

じゃあ私のこの答えは何なのかと言われれば

1人では目指せない日本一を目指してみたいという仲間に出会えて

その人たちのために自分ができることがあるのかもしれないと知って
頑張ろうと思ったから

大変なことも数多あったけど
自分達が創り上げたものや
それに応えてくれる人がいたり
勝利の瞬間が
私の胸を高鳴らせ続けてくれた。


結果として日本一というタイトルは取れなかったけど

今年の総理大臣杯での全国ベスト8は私たちの代が過ごした4年間で残せた最高成績で

総理大臣杯期間の四六時中ア式な時間がずっと続けばいいのにな
3位以内に入ってインカレ行きたいな
って思ってまだまだ帰りたくないな
と思ってましたが

総理大臣杯での早慶戦

国立競技場での早慶サッカー定期戦は
沢山の人と創り上げた舞台で
間違いなく大学サッカーで1番の試合で

みんなが掴んできてくれた勝利とあの光景は
「感動」という言葉を私に学ばせてくれました。

私が立ってたピッチ中央に1番近い視点からの写真

アミノバイタルカップは初戦からとんでもないPK戦でスタートして

延長戦までいったりしながら
総理大臣杯の出場権を獲得するかがかかった試合でもPK戦で劇的勝利して、

みんなの実力が全てなのはもちろんとして、
ちょっとだけ私も勝利に貢献できたのかなあなんて思ってみたり

総理大臣杯出場権獲得後の喜び

今までもチームのことを考えて行動してきた方だと思っていましたが

今年の試合はどの試合も私が緊張しすぎてしまっているのではないかというか

毎週毎週
日々来る試合へ
心が落ち着かなくて

いくら私の気持ちが強くなったとはいえ

でもそんな気持ちでいても戦えないし
これをプラスの力に変えて1試合1試合に臨む。

このシーズン、
思ったより悪くないはず
めっちゃ最高点を叩き出している訳でもないけど

日々の積み上げが今となっているのならば
進んでいる方向は合ってるような気がする

あとは勝利という結果
勝ち点3を積み上げ
1部昇格に繋げよう。

まだゴールはもう少し先で
最後まで全力で駆け抜けてその先でみんなで笑おう。



道のり

この4年間の
私自身の軌跡を記すならば
少しだけターニングポイントを記すならば

2年生
シーズン頭に学連に興味を持ち、先輩に学連入りたいと伝え、
当時は学連の変革期で学生幹事にはならなかったけれど
今でいう運営担当として1部の有観客試合の運営を沢山経験させていただいた。
大学サッカーに関わる多くの方との交流が増え、視野が格段に広くなった。
これもまた現在まで繋がる私の活動の大事な部分になった。

そして、Iリーグ開幕2日前に突如決まった画像担当
今までAdobeのPhotoshopをダウンロードすらしていなかった私が
スタメン画像など全てを担当することになる。

これが大きなきっかけとなり、
画像制作に目覚め
今まではTOPだけだった試合前投稿などを他のカテゴリーでも始めた。
今までの内定画像に加えて選抜など様々なリリース画像を始めた。

今までの先輩方のこだわりと技術を引き継ぎながらも自分らしさと更なる向上を目指し、
広報として外の世界に伝えることの楽しさ、責任を知ることができた。
選手からも他大学の方からも早稲田の画像について褒めてもらうことが増えて、見てもらえている実感が湧き、やりがいを感じた。
何ならモチベーション高まるって言ってもらえたとき、あのスタメン画像に載りたいと言ってもらえた時はめちゃくちゃ嬉しかった。

Twitter(X)の投稿文面の工夫
様々な投稿を引用したり
今では後輩が沢山投稿しているTikTokやYouTubeの元となったような気がするシーズン前の意気込み投稿だったりを企画して、SNSの運用でよりオリジナリティを出していた。

私発案?動くシリーズです
正方形を寄せ集め


3年生
100周年プロジェクトが本格的にスタート
今まで関わったことのない多くのOBの方々との関わり
ア式蹴球部の歴史を感じながらも
夢を描くような日々の作業に大変ながらも取り組み続けた。
ここ数年で実現できることばかりではなくて、もっと遠くの世代で実行するしかないことも。

そしてここから早慶サッカー定期戦の国立競技場開催についても始動した
準備していく中でどんどん具体的になっていく規模感
あらゆるミーティングや準備が8月25日に繋がったのか。

学年の中では役職として学連(運営担当)を担い
試合運営
選手の登録管理
大会のエントリー
諸々
私のこの操作で選手の出場資格に関わってしまうという
あまりにも試合に直接関わるこの業務の重さに
より一層責任感が増した。

4年生
最上級生
全ての行動に意図があった。
何なら意図がありすぎて自分が自分を操っているようで変な感覚もあった。
好きなものに好きと言えず、嫌なものに嫌と言えなくなった自分がいた。

でも、4年間で1番チームの一員としての活動できている。

なんか偉そうな感じになっちゃうけど、私としての成長なくして後輩にただ姿を見せるのは嫌で
広報業務もピッチ内も
自分の強みをさらに強く
あらゆるところから吸収したり学んだり応用したり
今までやってこなかったことにもチャレンジしてみたり

今まで意外とコツコツ積み上げてきていた土台はしっかりと存在していた。
まだまだ私は成長できるのかもしれない。

あと、2年生の頃から
4年生になったら(可能なものは次のシーズンから)
やりたいこと、変えたいことを些細なことでもメモに書き続けていました。

それらのほとんどは実行できたと思うし
シーズンが終わりを迎えようとする今日まで最大限の今をここに捧げれたと誓う。

全てはチームの勝利に貢献するために。

問い

ここで疑問が生じる
果たして私の想いや考えは届いていたのだろうか?

何事に関しても

一人一人のこともとんでもないくらい考えていたし
もしかしたら今までの上級生も同じだったのかなと思うと

私はその想いを受け取りきれてなかったと思うし

今の私は4年生として伝えようと努めていたようで
その難しさとどこまで伝えてしまうべきかという塩梅に勝手に頭を悩ませました。

ここに限らず
あらゆるもの・ことへの想いは
私の中だけに留まっていたのか
といえば
違う。

私の言動となり行動となり姿勢となりに現れていたと確実に思う。

勝手な気遣いも気づかれぬような行動の一つ一つが積み重なって今があるのだと思うし

それはみんな世の中お互いにそうだとは思うけど。

あと
私はどんなマネージャー、4年生になれたのだろうか。
憧れられるような存在になれたのか
もしや反面教師にしたいような存在になってしまったのか。

やっぱり最後に

なんかまたまた勘違いを呼び起こす部分がある気がするので最後に、
これは4年生として当たり前の勤めであり
その中で私の弱さにより生じてしまった感情であり葛藤だと思います。

そんな弱さに向き合いながら強くなれたと思うし
少しでもア式蹴球部という組織を強くできたなら
少しでも誰かのためになれたらなら
それが私の存在意義だったと思います。


私自身としては、高校生の時にこの大学4年間の日々は全く想像してなくて
宝物がある場所は本当に分からないものだなと思いました。


新しい世界に沢山出会えて
唯一の経験を経て
私の感情がより彩豊かになり
人間っぽくなれた気がします。

こんなにも心が激しく変化して
熱量に溢れたこの環境で共に成長できた
日々がとても幸せでした。

色々な人に伝えたいことはあるのですが
今の3年生スタッフは入部してきた時からとてもパワフルで
全員がエンジンとかアクセルみたいでした。
どちらかというとバランスを取るのがなんだかんだ得意な私とは相性いいんじゃないかなとは感じていました。
今シーズン、色々な気持ちにさせてしまったかもしれないけど、
みんな私が持っていない魅力を沢山持っていて
学ばさせてもらってたし高め合うことのできる存在でした。

そんな素晴らしさを持つからこそ
もう少しだけ周囲に興味や関心を持って
意識を向けて余裕を持って
受け入れる姿勢を持って
いい4年生になってる姿を見れたらなと思います。
応援してます。

あとこれは
本当に選手・スタッフ学年立場関係なく
一人一人が
あともう一歩踏み出してみると
もうちょっとだけ頑張ってみると
チームはいい方向に進むと思います。

当たり前だけど
隣の人が頑張っていれば頑張ろうと思える人もいて
それはちょっと遠くから見ている人の活力になって
その積み重ねが強いチームだと思います。

一部昇格するのは、早稲田だ。



次のブログは石川真丸(名古屋グランパスU-18)です。
みんなから愛されキャラ?いじられキャラ?の彼。
普段多くを語らぬ真丸が秘めた熱い想いを込めたブログに期待してください。

◇中山夏妃(なかやまなつき)◇
学年:4年
学部:スポーツ科学部
前所属チーム:桐光学園高校

【過去の記事はコチラ↓】



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