【#Real Voice 2022】 「伝えたい。告げたい。」 2年・中山夏妃
2020年までの14年間
ある日、日常の変化とともに
もう1つの大事な軸を伸ばすために
いきなりその日々は終わりを迎えました。
競泳から始まったそのスポーツはシンクロナイズドスイミング(アーティスティックスイミング)
自分を形作ったのはこのスポーツであるというのは紛れもない事実です。
今よりはスポーツ選手っぽい体型で
中高生の私には少しコンプレックスでしたが
競技から離れると
14年間積み上げていたものがたった数ヶ月で全部どこかに行ってしまったような気がして
自分の身体が変化していく感覚に
寂しさと虚しさもあったけれど
今まで自分を覆っていた殻が破れたような気もして
新しい自分に生まれ変わったような気がしました。
早稲田大学スポーツ科学部に進学します。
そう、この流れなら多分みんな納得真っ直ぐの道
実際はちょっと違って
「大学受験」という人生の岐路に関わってくれた人全てへの裏切り。
少し言いすぎたかもしれないけれど
高校を卒業した日に私を知る人の誰が私の今日を想像できただろうか。
こんな書き出しをするほうが正しいような
2021年
文学部から医学部医学科まで様々な学部を受験した
国立大学理系コースにいたのだから
基本は理工学部か医療系
実際自分もそこに向かっているはずだった
自分たちが目指すべきとされていたものに盲目的に走り続けて
ふと周りを見てみたら違和感を感じた
あの時、自分の進路選択に肯定的だった人はあまり周囲にいなくて
早慶上智、国公立に合格出来たから学校からのミッションは達成しただろうと考えて
大きな決断だからこそ
他の人の意見に惑わされずに自分の決断をしたい
と思っていて自分を最大限に正当化した
入学後、この選択に後悔はないが
自分がマネージャーになって
ちょっとだけ今までより自分を中心にしか考えなくていい場所にいることで気づけてなかったことが見えてしまった。
最初に定めたあの志望校に合格できる気も受験する気もなかったのに
そこを目指していると
路線変更は決めていたのに
受験期ギリギリまで
というか受験をした後まで
担任の先生にまで自分の本当の受験について隠していました。
その結果、自分の周囲の人に与えたのは他の人が合格して進学先を決めたときに生まれる感情とは異なるもの。
そんなふうに捉え直してしまった時
正解がなかったからこそ
ちょっと周りの人が思っていた道とは違う方に進ませてもらっているけれど
私はみんなを裏切った。
そんな感情に駆られるようになりました。
臆病な自分には努力不足な自分には
言葉とその行動が一致しなくて
いきなりみんなの前に現れた結果は
見えたことのない思考の裏にあるものでした。
誤解を招きそうなところがあるので
1つ強調したいのが
その選択の内容に問題があったのではなく
自分が選択をする過程に問題があったのだ
と最近気づいたということです。
大きな舵を切るのなら
同じ船に乗っていた人達に伝えなければならなかったという学び
私個人としてはスポーツ好きで自分自身も競技をしてたからなんて思ってたけどそれは学校では見せてなかった私の一面
桐光学園での6年間
通いやすくて設備が良くて幼馴染と同じだから
そんな理由で入学したかもしれないけれど
のびのびと自分が成長出来たのも
ア式蹴球部にたどり着かせてくれたのも母校の影響です。
早稲田大学ア式蹴球部のマネージャーになる物語のプロローグ
まずはア式蹴球部に入部した
そこで2021シーズンは終了しました。
自分としては大いに成長できた2022シーズン
大変なことも多かったけれど
早稲田大学ア式蹴球部のマネージャーとして胸を張って活動できるようになりました。
2022シーズンは自分のマネージャーとしての幅を広げて土台を作りたくて
実際に自分が動けると思ったからこそどこにでも向かいたくて
手の届くところ全てへさらにもう1mmでも伸ばそうという思いで活動していました。
そんな中最近ふと思うこと
今年の立場上
チームの視点から見れば運営の人で
応援している人から見れば早稲田大学ア式蹴球部のマネージャーが試合運営をしてて
自分はア式蹴球部のマネージャーとして運営業務に携わってると思っていて
みたいな
ア式での活動に関係することだけでなくても
1人がAではなくてBにいる、もう1人からはBにいなくてAにいると言われるような
ピッチのライン上に浮いているような感覚
実際にそんな際どい場所に存在しているのかもしれないけれど
曖昧な存在なのかもしれないけれど
とか思っていたのですが
考え直してみると仮入部期間中、ア式蹴球部と外を繋げていけるようなマネージャーになります。
他の組織、社会と人との繋がり
「ア式蹴球部を大きくします。」
と言っていました。
2024年には100周年を迎える歴史と伝統と実績のある重くて既に大きい組織にそんなことを言ってたのは無知が過ぎたのかもしれませんが
それも部員1人1人が積み重ねて来たものであり、自分もその組織に属する以上、責任があると思います。
先日まで監督を務めていた外池大亮さん曰く
今の自分たちの活動は中から外への矢印だけだと
「一方的」だと
発信だけではまだだという話を1か月前くらいにしました
言われた時には理解はできるけど何をしたら良いのか分からなくて
組織として言えばサッカーを軸にしながらどう社会と繋がり、価値を生み出していくか
ア式蹴球部としての存在意義を持つ姿を創造するにはどうするか
その1歩目を踏み出したのが2022シーズンだったのかなと
先ほど書いた「曖昧な」存在というのはア式蹴球部での活動に限った話ではなくて
ちょっと自分が所属している場所から1歩出てみることで
「自分」とイコールのもの(今で言うと早稲田大学、ア式蹴球部、スポーツ科学部)を外から捉え直すような感覚でした。
具体的な話をすると今年度は他学部の授業をかなり受講していて、FIFAワールドカップが行われているカタールの公用語であるアラビア語や
国際教養学部のフランス語の授業を週に4コマ受けてみたり
ア式蹴球部での活動が第1で自分がここに捧げる日々の割合は高くて
そんな中でも個人の成長、レベルアップも追求する中で今まで行ったことないような場所にたくさん出会いました。
そこで出会う人や事柄はほんの少しいつもと違う場所にいるだけなのに
何もかもが違うのではないかと思うほどカルチャーショック
というか出会ったことも見たこともないようなものが沢山
私が去年ア式蹴球部に来た時よりも「違い」を感じることが多くて、
今までの自分にとって新しい場所と思っていたア式蹴球部にいる人たちは案外自分と共通点があって似ているところが多かったのかもと感じるようになりました。
ここに来た時に感じた不思議さは
自分がいた世界
シンクロも中高6年間も別学で弓道部で
分かりやすく違う世界にいて
当然だったのかもしれないです。
自分を形成する周囲に疑問や批判的な思考が生まれることはあっても
その「外枠」は少し俯瞰しないと見えなくて
見る必要がそもそもあったのかなんて分からないけど見てみたくなって
ちょっと1歩いろんな方向へ踏み出しました。
その結果として現在迷子です。
多分。
地図を見ないで目的地に向かっているような
わくわくする迷子です。
自分自身の形成は進んでいると感じるのですが
どこに立っているべきなのかが分からないというか
少しだけ世界が広がったからこそ
自分の存在感のようなものは少しずつ感じるようになっているけれども
その色は見る面によって違って
まだ安定してない存在です。
その不安定さが外のエネルギーを吸収して一回りずつ成長していきます。
マネージャーは1人1人求められる形も目指す形も違うからこそ
意志がある方向に進み続けられると思っています。
そもそも立ち位置なんて必要なくて
進み続ければいいのか
とは思うけど
その不安定さが周囲への不安定さを生むのならどうすればいいのか
欲張りな自分が顔を覗かせて
あれもこれもと
全てを成すためには
自分があと5人分くらい欲しくて
なんていう流石に不可能でしょみたいな結論が出てきて
1番手っ取り早いのは1つに選択を絞ってそこを全力に
なのかもしれないけど
その安定を求めるというよりは
より充実してア式蹴球部に貢献できるように
現在の自分にとっての100を200に出来るように全力で日々を送ろうかなというのが1番今の結論に近いです。
私の「曖昧さ」はどっちつかずだからではなくて
どちらにも跨がっているから、どちらにも存在しているから
自分は架け橋になる
今年はその何かと何かの間に私が存在しただけだから
来年はどっちにもあっちにもこっちにもしっかりと地に足をつけて歩み続けて私が架け橋となれば仮入部期間に発したビジョン達成へ近づくのでは
大学生活は何よりもどこよりも一生懸命頑張ろうということ
改めての決意を述べるのにここまで長く書いてしまいました。
「マネージャー」という言葉から連想されるイメージは人によって違うかもしれないけれど
自分の目指すチームに貢献できるマネージャーへ向かって
1日1日、1ピースずつ手に入れていきます。
終わりに
常日頃、自分の気持ちを言葉で表現するという行為が得意ではなくて
その回避行動として自分の見たものの主観入りの観察結果を伝えるみたいな感じで自分の気持ちとして伝えているような感覚があります。
言葉を意図した通りに伝えること、意図された通りに受け取ることが人より下手だという自覚があります。
論理的な文章の理解力はあるのですが、ちょっと言葉の裏を読もうとしすぎるというか
認知の歪みですかね
いつも発言したことで起きうる最悪の状況を想定して
その結果
伝えるよりは伝えない
と思っていたのですが
意外と伝えた方が良いし伝えないことで生まれる軋轢や勘違いの方が
嫌だな
と感じるようになって
まずは自分が伝えたいことを1つ1つを発信できるよう、
というよりまずは人に伝えることから始めよう。
早稲田大学ア式蹴球部マネージャー中山夏妃
自分に想像できない自分になれるよう、前を向いて進み続けます。