【特別企画】 ア式✖️応援部 4年生対談〜ラスト1年にかける思い〜 <後編>
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前回のア式✖️応援部 3年生対談に引き続き、今回は4年生対談を行った。ついにラスト1年の集大成を迎えた4年生。ア式と応援部という共に伝統ある組織を引っ張っていく立場となった彼らが、同級生同士だから話せる心の内を語ってくれた。最上級生になった今だからこそ思うこと、ラストイヤーにかける彼らの思いとは。
後編では早慶戦について深掘りしています。早慶戦を通して彼らが何を感じ取ったのか、見どころです!!
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◯意識の変化と葛藤
ーー平田さんはこれまでの活動を振り返っていかがですか?
平田:ア式はどちらかというと不自由なく活動を継続できたかなって思ってる。自分達の活動が当たり前じゃないということを追求したのが、コロナ禍の活動だったかなっていうのはまずあるかな。
ーーありがとうございます。ア式の凄さや、大学に入って全然違ったなと感じたことは何かありますか?
平田:ア式の凄さでいうと、ピッチ外の部分で人間性みたいなものをすごく問われたことかな。
1年生の時は仕事がすごくあったし、ミスがあれば学年ミーティングをして改善策を考えていく中で、学年の一体感が醸成されたと思う。
ーーそうやって今の4年生の一体感が生まれていったんですね。
平田:めちゃめちゃ時間かけてミーティングもしたし、それで同期のヒサ(西堂久俊/スポ科4年/船橋市立船橋高校)とかが活躍しているのを見ると、すごく活力をもらった。
ーーありがとうございます。逆に学年や個人で上手くいかなかったことはありますか?
平田:俺らの学年はすごく色々な意見を持った人がいるから、その中で学年リーダーの徹(柴田徹/スポ科4年/湘南ベルマーレU-18)とかは、どうやって意見をまとめるか、すごく悩んだと思う。
個々の能力に差がある中で、目標がそれぞれ違ったからその辺はすごく難しかった部分かな。
ーー1年生での1番の思い出ってありますか?
平田:それこそ早慶戦だな。ヒサと雄大(山下雄大/スポ科4年/柏レイソルU-18)が出てゴリくん(加藤拓己・令和4年卒)が決めて、すごく感動したけどすごく悔しかったというか...。
あんな(素晴らしい)舞台で同期がプレーしているのを見ちゃうと、自分も出たいなって思った。
ーーコロナ禍に突入して1番感じたことはなんですか?
平田:俺らは部員がトップの応援に行けないから、AとBずらして練習するようになり、AとBで目標や意識のずれが出始めちゃって。そういったところに運営の難しさを感じたね。俺らも当時は2年だったけれど、応援に行けないもどかしさはあったかな。
ーーそれこそ「主務」として、コロナ禍で本当に多忙な毎日を過ごしていたと思いますが、大変だったことはなんですか?
平田:去年で言うと運営のところかなと思う。AとBで練習時間が合わなくてチームごとに固まりがちだったから、どうやってAとBを繋ぎ合わせるかというところは試行錯誤しながら運営していた。
業務的な部分はコロナ禍ですごく増えたね。どうやって「選手」と「主務」を両立するかというところはコロナ禍で求められた部分かなと思う。
ーーありがとうございます。逆にコロナ禍でやりがい、手応えを感じた瞬間はなんですか?
平田:自分的にはやりがいはなかったけれど。怪我していたからね(笑)。
チームでいうと午前にFC、午後に関東リーグがあった時にFCのメンバーが勝って、(関東リーグの選手たちに向けて)『勝てや〜』みたいな動画を撮ってくれたことかな。チームで戦っていると感じた瞬間だったので。
ーーありがとうございます。じゃあ最後に西堂さんに聞いていこうかなと思います。
平田:ばりばり(試合に)出てたからな。
西堂:いや意外と出てないよ(笑)。
ーー1年生の時に感じた手応えだったり、ア式はやっぱりすごいなと思ったところはありますか?
西堂:これ本音言った方がいいよね?(笑)
一同:(笑)。
西堂:1年生の時は正直「苦手だなこの組織」と思ってました。
一同:(笑)。
平田:やばいやばい(笑)。
西堂:そう思いながらサッカーやってるみたいな。
ーーどのようなところが苦手だったんですか?
西堂:今まで育ってきた環境と違って、チームとしてのルールや仕事が細かく決められていて、そういうところに難しさを感じながらサッカーをやる日々が続いていました。
正直試合に出たりしたけどそれは前期だけで、後期はそんなに出ていなくて、ずっとBチームにいたので。1年生の時はア式に適応できていなかったかな。色々な葛藤を抱えながら過ごしていました。
平田:付け足すと、学年の中でこいつ(西堂)は試合に出てるからお前が学年引っ張れよみたいな感じでめっちゃヒサに求めてたから、ヒサ的にはギャップがあったかなって。リーダー的ポジションもすごく求められてたから。
西堂:俺は本来そういう人じゃないしね(笑)。
一同:(笑)。
西堂:1年生が1番難しかったかな。4年生はまだわからないけど。
ーー西堂さんはコロナ禍になって、感じた不安とかあったりしますか?
西堂:ありました。
平田:俺の場合は、サッカーは大学4年間で完結だから、仕方ないなっていう部分のほうが大きかった。でも、プロ志望者の人たちはサッカーが思うようにできない中で不安もあったのかなと思うんだけど、実際どうだった?
西堂:2、3か月くらいあったじゃないですか、ロックダウンみたいなとき。あの時はかなりできることが限られていました。まあいつか終わるだろうみたいに思っていたんで大丈夫だったんですけど(笑)。
でも、サッカーできないストレスみたいなのはありました。サッカーできない期間が、正直これまでの人生の中で1番長かったので…。
ーーサッカーができなかった期間は何をしてたんですか?
西堂:マスクつけて近所を走ったり、筋トレしたり。ちゃんとプロになるっていう目標があったんで、ブレずに取り組めた期間ではありましたね。ストレスはあったにせよ。
平田:この時期だよね?体を大きくしたの。
西堂:そうだね。
平田:コロナ明けたらヒサめちゃめちゃ身体でかくなってた。
西堂:有効活用しました、、自粛を(笑)。
ーー3年生の時にFC東京に内定したことは手応えを感じた瞬間だと思うんですけど、他に何か手応えを感じた瞬間とかありますか?
西堂:1年生の時にはア式に来てよかったなとは1ミリも思えなかったんですけど、今まで過ごしてみてサッカー以外の成長も実感できたし、プロの内定も決まり、本当にア式に来てよかったって思えました。
◯コロナ前の早慶戦とは
ーーここからは早慶戦について振り返っていただきます。1年目の早慶戦、1-0で勝った試合というのはどんなことを感じましたか?
西堂:学生主体で作り上げられることの凄さを感じましたね。
ーー試合に出てる時って、観客の応援とかは耳に入ったりするんですか?
西堂:集中して聞こえないときもあります。
平田:緊張とかしたでしょ?
西堂:いや緊張はしなかった。だけど、やっぱり声が通らないっていうのはあったね。でも、仲間に声は通さなきゃいけないんで…。
平田:(笑)。
西堂:そういう大舞台の難しさみたいなのを、いろいろな人が関わって、素晴らしい舞台を作り上げてくれたからこそ感じることができました。
ーー早慶戦のときにプレーをしていて、できたこと、又はできなかったことってありますか?
西堂:ある意味いつも通りのプレーができたっていうのはありますね。あの時はコロナ前だったじゃないですか。だから、本当に応援の価値や凄みを感じた試合ではありました。
ーーありがとうございます。では平田さん、お願いします。
平田:応援部さんとかの力を借りて、学生が肩を組みながら一体となって試合を応援するってなかなかないし、学生主体の試合運営にすごく興味を持った。
それこそ早慶戦に自分が何も携われていないのがすごく悔しかったから、2年からはもっと運営に入り込もうと思った。もちろん、自分が試合出てやろうってところもあったけど。その辺が1年の早慶戦ですごく感じたことかな。
ーーありがとうございます。では横田さん、1年目の早慶戦はどんなことを感じましたか?
横田:初めて早慶サッカーを観たんですけど、一体感がとんでもなくて、こんなに応援を楽しんでいいんだっていうのをすごく感じました。
その時までは厳しめの応援しか知らなかったので、観客の人が早稲田への愛を爆発させていて、すごく楽しいなって思ったのが印象的でした。
ーーチアの方々はハーフタイムにファンキー加藤さんとのライブパフォーマンスがありましたが、どうでしたか?
横田:その時は、1年生だったので端っこで見ている人たちだったんですけど(笑)。来年、これができるんだなって思ったらすごくわくわくしました。モチベーションになったのは覚えてます。
ーーありがとうございます。では木部さん、1年生の時の早慶戦はどうでしたか?
木部:お祭りみたいな感じで、ああいうのを日本でやってるのは多分早稲田と慶應くらいしかないと思うので、なんかすごく早稲田らしいというか、いいなあと思いました。
ーーありがとうございます。では富山さん、1年生の時の早慶戦はどうでしたか?
富山:観客の雰囲気が野球とかと全然違うなって思いました。学生の数や観客1人ひとりの熱量が凄いなと感じて、応援部も負けていられないなという気持ちで応援していましたね。
ア式蹴球部というものがこんなに学生から愛されているのだなというのを凄く感じました。
ーー実際に楽器を吹いていて、ゴールの瞬間とかって見えているものなんですか?
富山:見えます見えます。
ーーその後、紺碧の空に演奏が移ると思うんですけど、紺碧の空ってやっぱりいいですか?
一同:(笑)。
富山:やはり吹いている側からしても、紺碧の空って、早稲田の学生が選手も観客も含めてぐっと集まれる曲だと思っていて、揺れながら紺碧の空を吹きました。
ーーありがとうございます。ここからは2・3年目の早慶戦について伺っていきます。西堂さん、コロナ禍での開催となった2年目の早慶戦はどうでしたか?
西堂:そうですね、1年目を経験したからやはり物足りなさみたいなのを感じました。しかも引き分けちゃったし、凄く寂しい早慶戦だったなというのは覚えてます。
ーー1-1だったということで、点は決めたと思うんですけど悔しかったですか?
西堂:まず、お客さんがあんまり入っていなかったので、応援はその分すごく頑張っていたという印象でした。でも、声もほとんど出せないし、その点盛り上がりに欠けていた早慶戦だったのかなって思いましたね。
平田:そうだね。盛り上がり的には。試合内容的にも難しさはあったからね。あとは天気が悪すぎた。俺はボールボーイやってたけど、普通に寒かった。
一同:(笑)。
◯物足りなさを感じた2年目の早慶戦
ーーではチアの方にお聞きします。2年目の早慶戦はどうでしたか?
横田:寒かったっていうのは本当にもうそのままです(笑)。それを経験してやはり早慶サッカーはもう汗と、涙だと思ったというのは1つ印象としてあります。
選手は腐らずに一生懸命プレーしていて、一瞬に賭けているのが感じられて、こちら側がその姿に応援されたのを覚えています。
ーーありがとうございます。昨年は10年ぶりの敗戦となった早慶戦でした。平田さんは運営の中心でやっていらっしゃったと思いますが、どうでしたか?
平田:試合に出てないのに、多分サッカー人生で1番悔しかったね。コロナ禍ではあったけれど、西が丘を満員にできて、1年目の早慶戦の雰囲気に近いものになったから、選手達も早慶戦ってこんな感じなんだなって感じられたのは凄く大きかった。
楽器が吹けない制限があった中で、録音したものを流したり、試行錯誤しながらあの雰囲気を作れたっていうのは良かったなって思う。
ーーありがとうございます。では次に、木部さんお願いします。
木部:僕は、実は会場に行けていないんです。行けていない目線からすると、リーダーってやっぱり声を出してなんぼと思っているし、観客の声を引き出すというのがメインの仕事なので、それを禁じられた状態で応援するというのは大変だっただろうなと思います。
ーーありがとうございます。ちなみに富山さんに聞きたいんですけど、当日の録音演奏についてどのような印象を持たれましたか?
富山:私達は演奏に思いを乗せて選手に応援を届けるっていうのを生業としているので、それが出来ないもどかしさを感じましたね。
ーー初めての経験で難しさもありますよね。
富山:現地に応援に行って、選手の頑張りを間近で感じながら応援できたっていうのは、凄く良い経験だったなっていうふうに思います。
あと、早慶戦の前に外池監督が吹奏楽団向けにzoom座談会のようなものを開催して下さって、そこで凄く選手の方々の思いとか考え方に触れることが出来て。当日は出来ることを精一杯やろうという気持ちになりました。
◯繋ぐ4年目への思いとは
ーーありがとうございます。次が最後の質問になります。最後の年もまだコロナ禍ではありますが、ラスト早慶戦に向けての意気込みをお願いします。
横田:早慶サッカーが持つ特有の勢いとか一体感っていうのを、どんな形であれ出せたらいいなって思っています。観客が居ないってなっても、その他のSNSとか事前の選手との関わりとか、そういった所でも出していけるので。
『やっぱり早稲田のサッカーにはかなわない』って思わせられるような応援をすることに意味があるのかなって思うので、そういった所を目指していきたいなっていうふうに思います。
ーーありがとうございます。続いて、木部さんお願いします。
木部:今回、こういう場でア式の方が内部の話とかして下さって、ア式に対する気持ちが結構乗ってきたと言うか(笑)。
今までは、「ただの」って言うと凄く言い方が悪いけど、何個もやる中の1個だったけど、今はより思いを入れて応援が出来るような気がするというか応援したいなって思ったので、今後もこういう機会があればいいな。
平田:嬉しいです。
ーー富山さんはどうですか?
富山:当日、応援団が選手と一体感のある応援を作りたいですし、それぞれを刺激しあえる関係でありたいなっていう風に思っています。
ア式蹴球部の方はサッカーに全力を注いで頂いて、私達も私達なりに技術や思いをどんどん高めて、当日それが会場で合わさって、刺激しあえるような応援が作れたらいいのかなと思います。
ーーありがとうございます。西堂さんどうですか?
西堂:勝ちます!!!
ーー最後、平田さんお願いします。
平田:自分が思い描いている早慶戦は早稲田に関わる人達が一体となって勝ちに行くという所だと思うから、早稲田で一体となった雰囲気をしっかり作り上げていく運営を最大限目指して、最後全員で「紺碧の空」を歌って勝てればいいなって思います。
ーー出なくていいんですか?
平田:野望だけ。一応4年生でベンチとスタメン組を埋めるっていうのが俺の野望だから(笑)。
一同:(笑)。
西堂:すげーな(笑)。
平田:そこはちょっと外池監督にアピールしとくわ。
西堂:4年生全員で?(笑)。
平田:うん、4年生全員で!スタメン・ベンチ全員埋めるくらい意気込んで早慶戦は行きます。
ーー対談は以上になります。本日はありがとうございました。
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応援部との特別企画はいかがでしたか。いろいろな葛藤を抱えながらも、学年で団結力を高め合いながら上級生になっていく4年生の姿が印象的でした。常にチームのことを考えて行動している4年生の、普段は聞けないようなお話が聞けて個人的にとても面白かったです。
また、対談中で応援部の方が、「この対談を行ったことでお互いを知ることができ、より応援に力が入る。」と言ってくださったことが、とても印象的でした。これまでは早慶戦でしか関わる機会がありませんでしたが、これを機に、応援「する側」「される側」として互いのことを思いやり、関わっていけるようになるといいなと思います。
さて、4年生にとっては今年が集大成になります。これまで学年として団結し、時には互いを厳しく牽制しあい、励まし合ってきた4年生は、どのようなチームを作り上げていくのでしょうか。今シーズンの応援部とア式蹴球部の活躍に乞うご期待です!!
これからも応援部とア式蹴球部の応援、よろしくお願いします。最後までお読みいただきありがとうございました。
(インタビューアー:佐藤慧一、編集:平山怜央、渡邊朋恵)
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