【#Real Voice 2023】 「大学一のセンターバックになるために」 3年・神橋良汰
リーグ終盤になるに連れ、この言葉が頭の中で駆け巡る。
「俺のせいで勝ち点を何個落としたんだ。」
一部昇格の可能性を考えるたびに多くの失点シーンが頭によぎる。なぜ、神橋が出ているんだ。謎に感じている部員も多かっただろう。
今シーズン、ベンチ入り含めて多くの試合に関わり、出場していた身として一部昇格、日本一のタイトルを取れなかったこと、情けなく、非常に申し訳ない気持ちでいっぱいです。
ホーム、アウェー関係なく、グラウンドに足を運んでくださり、熱い声援ありがとうございました。
来シーズンは結果で恩返しできるよう精一杯闘います。引き続き、応援宜しくお願いします。
冒頭に記したように今シーズン、自分の納得いくパフォーマンスをすることができず、不本意な形でリーグを終えてしまった。
情けないプレーをして落ち込んだ日は友達の遊びの誘いを断った。
颯辰（4年・中谷颯辰 / 静岡学園高校）とまつ（4年 主将・平松柚佑 / 山梨学院高校）の方が勝てると本気で思った。
恒例のベンチスタートは居心地が良かった。
他チームの同年代の選手はプロに内定したり、日の丸を背負ってアジア大会に出場している。情けなさから焦りへ変わり、本気で変わらなければプロになれないと思った。
しかし今シーズン、その焦りを感じながらも100%の努力をしたかと聞かれると自信を持ってしたとは言えない。
練習前の取り組みはどうだったのか。
身体の張りや痛みを言い訳にしていなかったか。
もちろん、身体と向き合い、調整することは大事だ。だが、それを口実に楽な選択をしていないか。全部員、もう一度問いただしてほしい。
もう失点は許されない。
試合中、自分でも大袈裟なほどに声を出した。
「俺が全部跳ね返す。全部来い。」
だが、無情にも当たり前のようにまた失点を繰り返す。守備陣として今シーズンは失格だ。何回失点したんだ。きっと応援してくれた全部員が思っていることだろう。
言われなくても自分の未熟さ、成長速度の遅さを痛感している。
後期負けなしという成績は一見よく見えるが、一部昇格、日本一を掲げていたのだから全く誇れることではない。
心のどこかで一年で一部に復帰できるだろうという安直な考えを持っていたのかもしれない。試合残り15分間で7失点。最終節、順天堂大学との試合の前日ミーティングで知らされた事実だ。気の緩みや隙が結果に反映されてしまったのだ。前線の選手が毎試合点を取ってくれるにも関わらず、守備陣のせいで同点に追いつかれてしまう事実は真摯に受け入れなければならない。変わらなければならない、今すぐにでも。
俺はミスを恐れない。
クラブW杯で当時バルセロナの正ゴールキーパーであったビクトルバルデス選手がビルドアップでミスをして失点した。しかし、その後もビルドアップでチャレンジし続け、高パフォーマンスを見せた。試合後のインタビューでペップ監督はビクトルバルデス選手を賞賛した。
「これが我々のサッカーだ。」
世界トップの選手でもミスをする。大事なのはその後だ。ビビって逃げるのとチャレンジし続けるとでは大きな差だ。だから今後もビルドアップはチャレンジし続けるし、果敢にフィードも狙う、カード覚悟で体を投げ出す。
大学一のセンターバックになるために。
大学は失敗を繰り返せる場所だと感じている。プロでミスを繰り返し続けたり、結果を残せなければ戦力外通告となるが、大学ではそのような制度はない。いくら失敗をしても良い場所だ。ただ、その失敗を意味ある失敗にしなければ成長はない。失敗、反省、改善、実行のサイクルを回すことで成長できる。残りの1年間、大きなサイクルを回し、大きな成長を遂げてプロの舞台に行きたい。
もうすでに4年生が引退し、最高学年としての活動が始まっている。正直、ピッチ内外で不安はたくさんある。今シーズンは4年生のおかげでのびのびプレーすることができた。しかし、来シーズンは俺らが4年生となり、チーム運営を行っていかなければならない。来年、必ず一部昇格、日本一という目標を達成するために俺は全力でチームのために闘うことをここで約束する。
強い早稲田を取り戻そう。
ついてこい。
◇神橋良汰（かみはしりょうた）◇
学年：3年
学部：スポーツ科学部
前所属チーム：川崎フロンターレU-18
【過去の対談記事（早稲田スポーツ新聞会 企画・編集）はコチラ↓】
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