見出し画像

【#Real Voice 2023】 「学びの加速度」 3年・原壮温

勉強とは


いきなりですが、こんな問いから今年の部員ブログを始めさせて頂きます。
3年 原 壮温(はら まさはる)です。
最後まで読んで頂ければ幸いです。
また、私の部員ブログに限らず、内容に共感して頂けました際には、ア式内だけではなく、より多くの方のもとに私達の発信が届くよう拡散にご協力頂ければ幸いです。


話を戻し、勉強とは、と言われればおそらく、多くの人は、『知識をつけるための行為』のような定義づけをするだろう。

インターネットで『勉強』の意味を調べてみると、『知識や技能を身につけるために行う学習活動』であると記述されていた。

言葉を崩して言い換えれば

勉強とは、『分からなかったことを分かるようにしたり、出来なかったことを出来るようにするための学習活動』であると定義付けすることができる。
この文章では、この定義のもと話を進めていく。


ここで知らなかったことを知るではなく、分からなかったことを分かるようにすると表現したのは、勉強の意味として、身につけるという言葉が入っていて、その意味は、知識や技能を自分のものにするというものだからである。
つまり、ただ知るだけでは不十分であり、それを活用できるレベルに習得することが求められるのだ。

普段よく耳にする勉強という言葉だが、果たしてこの意味で使われているのであろうか。

では、普段の生活でよく聞く勉強を考えるために、受験勉強を例として考えてみる。

受験の話は関係ないし、つまらないと思う人も多いと思うが、勉強を語る上で一般的によく勉強の代表として取り扱われるものとして受験勉強への言及を許して欲しい。

大学受験などで仕入れた知識の多くは、数回しかないテストで使用するだけのレベルには達していたが、それを自分の生活や人生において活用できないのであれば、勉強であったのかは疑問が残るのではないか。

もちろん、全ての知識が無駄ではないし、私も大学受験を乗り越え、自分の目指す進路へ道を開いたという面で考えれば、十分に活用できたのかもしれない。

だが、先ほどの定義から考えると、私が受験勉強で得たものは、各教科の知識だけではなく、むしろ、1日12時間集中して問題集に取り掛かることのできる集中力や胆力であったり、勉強の質を高めるために行った勉強法の試行錯誤であったり、目標から逆算して必要な努力を考えて行動する力であるように思う。

これらの力は総じて、「勉強をする力」と言えるのではないか。

受験の1年前にそんな力を身につけられると思っていただろうか。

いや、思っていなかった。私は勉強が好きではないし、続けられないかもと思っていた。

だが、実際私が受験期の1年を通して身に付けたものは、そういった「勉強をする力」なのではないか。


私達が通っていた、小学校から高校という学習機関は、多岐にわたる学習科目や一般常識などの知識だけでなく、むしろ「勉強をする力」そのものを付ける機関なのではないか。


受験勉強の話は終わりにするが、このことを踏まえ、勉強について考えてみるとア式の人はかなり多くの勉強をしてきた人の集まりなのではないかと思われる。
サッカーの技術も初めから身につけていたわけがない。サッカーという分野の勉強を長年に渡って行ってきたからこそ、今ア式蹴球部という歴史ある組織でサッカーをするまでに至ったのではないか。


そうであるならば、今の自分を過去からの線で捉えることに価値があるのではないか。

子供の頃、今のようなプレーができると思っていただろうか。中学、高校と比べて、身体的な変化以外の成長はないだろうか。

きっとそんなことはない。

ア式にいる多くの選手は、小学校から今までエリートとしてサッカーをしてきたと思うが、初めからずっと能力が変わらなかったのではなく、成長と同時に勝手に能力が付いたのでもなく、そこには勉強を通して変化してきた歴史があるはずだ。

「過去の栄光に縋るな。」とよく言われるだろう。

その通りである。栄光に縋っても碌なことがない。

そうではなく、過去からの変化を正確に捉えることが必要ではないか。

今の自分はこれまで勉強を通して成長してきた到達点としての自分なのではないか。


そう考えると、これまで勉強を通して成長してきた自分であれば、これからも勉強を通して成長することができるのではないか。

そのためには、意図せずに勉強を行っていた自分を顧みてどんな思考を持って勉強してきたのかを考える必要があるのではないか。

私自身勉強をする力をこれまでつけてきたにも関わらず、それを自覚せずに、浅い思考を繰り返してきた。
大学に入って、2年間苦しいことをやり続けるといった意味合いの努力はしてきた。
だが、それは果たして勉強であったのか。もちろんやり続ける力はついた。しかし、どんな能力を期待してトレーニングをしていたかと問われれば、答えられないだろう。
だからこそ、それは結果となって今シーズン全く活躍できないという結果を生んだ。

このままではいけない。
本気でそう思った。

そこから、自分がこれまでどんな勉強をして成長してきたのか、成功、失敗の要因はなんなのか、必死に考えた。

そして、成功している人がどんな思考のもと、動いているのか必死に学んだ。

ただ真似るだけではない。
なぜそんなトレーニングをしているのか。何を考え、勉強をしているのか。
全力を尽くして考え抜いた。

今自分よりも能力が上の人がいる時に、思考をやめ、勉強にはなりえない努力をし続けても、
その人の成長速度には及ばず、追い越すどころか、差が縮まることもないだろう。


ここで少し、飛躍した話をしようと思う。
日本代表であり、スター選手である三笘選手よりも上手い選手は現在、この組織にはいないだろう。では、去年の1年間で三笘選手よりも、勉強量が多かった選手はいるだろうか。


ビジネスをしている方であれば、この1年イーロンマスク氏よりも多く勉強をした人は何人いるだろうか。

金額ベースである必要はない。できなかったことや分からなかったことを、できるように、分かるようにした量で考えてみるといい。

これは飛躍しすぎだと思う人もいるだろう。比べるところがおかしいと。
だが、この例を帰納的に考えてみればシンプルなものとなる。

今現在、勝てていない人(何を持って勝ちとするか、他人と比べる必要はないなどの議論はおいておこう)に対し、普段の勉強量(学んだ量)も負けている。

そのままいけば、その人に追いつくことも勝つことも永遠に達成でき得るはずがない。

だからこそ、勉強をする必要があるし、勉強の質と量を現在よりもさらに増やすことが求められるのである。今すごい人を特別視しすぎていないだろうか。もう1度どのようにその人を超えるのか、捉え直さなければならないと思う。


これまで、少し一般論的な話が続いたが、あくまでこれはReal Voiceであることを加味し、私の話をしよう。


私はこの文章で定義した意味での勉強が大好きである。


他の何をしているよりも自分が知らなかったことやできなかったことができるようになるということの喜びが勝ってしまう。


強調しておくが、現在自分が成功していて調子に乗ってこんなことを言っているのではない。


もっと言えば現在の私は、私自身が必要としている能力のほとんどを手にしていない。
昨シーズン終了後のオフシーズン。1か月超にも及ぶ長い休みの中、固まった休みも取らずに嫌いな走り込みを続けたが、今シーズンの公式戦は1試合も、1分たりとも出られなかった。この3年間を通し、ただ頑張るだけでは、成功することもあれば、失敗することもある。それどころか、成長さえしないこともあることを嫌というほど学んだ。

それでも、私は現在勉強を繰り返すことで、確実に日々レベルを上げている。
もちろんお世辞も含まれているが、直近で行われた3回のゲバ(部内の紅白戦をア式ではゲバルトと呼ぶ)では、毎度見ていた人から
「めっちゃ良かったよ。」「うまくなったね。」など、周りからの評価ももらえるようになった。
もちろん今シーズン、現在のようなパフォーマンスができたなら、試合にも出られたかもしれない、お世話になった4年生の力にもなれたかもしれない、そう考えると自分の至らなさをつくづく感じる。

だからこそ、今同じような境遇にいる誰かに成長の要素を掴むきっかけが提供できればこの文章を書いた意味となるだろう。

頑張れば成長はするから、とにかく頑張れ。などという言葉には賛同できない。
ただ、成長のためにどのように勉強を重ねるかを考え抜き、弛まぬ実行を重ねていけば確実に勉強する力そのものが付き、成長につながり、やがてそれが成功となるのだと思う。

効率的にやれば大変ではないと言っている訳ではないし、かといって頑張れば報われると言っている訳でもない。


ただ、私はア式蹴球部のみんながすでにこの勉強をする力を付けていると考えるからこそ、それを自覚して、勉強を進めることで、個人の目標、そしてチームの目標に到達することができると思うのである。
これまで勉強を続け、サッカーの技術と共に、勉強をする力を付けてきた、自分なら必ずやれる。そう思える感覚がとても大切である。

「自分ならやれる。」
「俺たちならやれる。」

兵藤さんが試合前に必ずいう言葉である。

来シーズンこの言葉を聞く度に、自分の勉強を振り返ろう。そして、それを信じられるだけの勉強をしよう。


最後に、今シーズンの私の目標

「チームの誰よりも成長する。」

学び続けることで、さらにその学びから得た力を応用することで、加速度的な成長を実現する。そうすることで学びを最大化させることができる。

その結果として、自分の期待する地点まで到達すると信じて。

自分の考える理論を信じ、最後の1年間を戦い抜きます。





--------------------------------------------------------------------------------------

お父さん、お母さん今回勉強について書いてきましたが、これまで、そして今も自分が勉強を続けられる環境を与えてくれた2人にはとても感謝しています。
いつも心配のラインを入れてくれてありがとう。自分の健康についても勉強をして自分の身体に合う生活を送っているので安心してください。むしろ、2人の健康を考えてください。
試合のことをあえて聞いてこないお母さんの優しさも、小学校以来ほとんど試合を見られなかったお父さんが試合を見たがっているのも感じています。本当にありがとう。今年必ず2人に成長した姿を見せます。
杏輔いつも我慢ばかりさせてごめんなさい。文句を言われた記憶もないほど暖かく見守ってくれてありがとう。これまでずっと杏輔の背中を見て負けたくないと思っていました。これからも、兄であり、良きライバルでいてください。


◇原壮温(はらまさはる)◇
学年:3年
学部:教育学部
前所属チーム:都立日野台高校


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?