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和裁:羽織の縫い方~標準サイズ~ ①印付け

あけましておめでとうございます。
初詣に着物で行かれた方もいらっしゃるでしょうか。
私は元旦までに着物と羽織が間に合わなくなってしまって、そのままおうちで待機することしにしました。

ということで、標準サイズを基準とした羽織を作っていきます。
今日は裁断と印付けです。
大切なことが一つあるのですが、
私が作った羽織は衿を複雑に折るタイプではありませんので、ご了承ください。理由としては、胴抜きの衿が足りなくなるからです。
本来の作り方が必要な方は、書籍や動画でお探しください。
私が作った衿は3重タイプになります。
衿芯も特に入れていません。肩すべりありなので力布も付けていません。
※この印付けは二枚同時に行っています。布を外表にして、両面チャコペーパーを使うことが前提です。

寸法などはこちらを確認してください。






1 用尺について


この羽織は、アンサンブル反物を基準にしています。積もる記事は、こちらを確認してください。



2 印付け(袖)


袖の印付けは、こちらの浴衣と同じになりますが、羽織は50cm、つまり100cmを2枚裁断します。


3 印付け(身頃)



図1 身頃

身頃の印付けをします。
私は、裁断をする前に印をつけてしまいます。なぜかというと、襠と袖口布の長さを前幅の部分で取るからです。残布があるならいいですが、なるべく繋げたくないので慎重に。私は生地の端同士を外表にした状態で型紙を置きます。そして、型紙を、前身頃と反物の幅が10㎝以上確実にあけて(図1)置いて留めてください。私は、縫い代込みで11cmの位置に型紙を置いています。ここが一番慎重になる箇所です。失敗するともう取り返しがつかないので気を付けてください!!
私の型紙には、裾の折り返し分が入っているので、縫い代分を取らずにそのまま印をつけてください。
裁断する際は、しつけ糸かロック用の糸で10㎝の跡をつけてから裁断しています。
これを、左右二枚分作ります。

標準サイズでは、この10㎝部分を袖口布と襠に使うので、図2のように足りる分の長さまで身頃を伸ばして印をつけます。


図2 身頃

ちなみに、袖口布に必要な用尺は一枚およそ50cm、襠は68cm程度。
それが2枚ずつ必要なので、およそ236cm以上必要になります。
なので、両前身頃の間を延長して用尺を確保してください。




4 印付け(襠&袖口布)



図3 袖口布

袖の印付けは、袖口から袖丸み部分までは、端からおよそ1㎝から1.2cmで印をつけるかと思います。袖口布も袖でつけた印と同じ幅で、印付けしてください。これは特に型紙は必要ないので、袖山からそれぞれ23cmに軽く印付けするだけで大丈夫です。



図4 襠

襠も、身頃と同じように型紙に裾折り返し分が含まれているので、下の縫い代は必要ありません。上は、私の感覚では1.5cm以上は縫い代が必要と感じました。特にウールでは1㎝の三つ折りぐけは非常に難しいと感じました。

衿は、後回しにします。


5 肩すべり


私は、家にあった東レの八掛を使いました。印付けは簡単で、肩山からそれぞれ身八口まで[(24cm+9.5)+縫い代1.5cm]×2=70cmの八掛を二枚用意して、型紙をちょうどいい場所において(図5のイメージ)印付けするだけです。
八掛は風呂敷やスカーフに似た生地なので、ツルツルしていて薄い生地ならなんでもいいと思います。


図5 肩すべりの位置



まとめ

今回、ウールでアンサンブルを作りましたが、コテでは全くキセがかからず、仕方なくスチームアイロンに切り替えました。しかし、コテ先がないので小回りがきかず苦労しました。
羽織は手間はかかりますが、難易度高すぎる!ということはありませんでした。次は、身頃と袖口布をつけていきたいと思います。
それでは。



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