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和裁:道中着を作る ④実際に作っていく&手順




実際に自身の道中着を試作した結果、型紙から作ることが出来たので、記録として残していきます。衿は6~15㎝に増やしていくので、どうしても縫い合わせることが必要になりました。衿の型紙には特に問題はなさそうなのですが、縫い合わせることによって決めた幅をキープできない問題があるので、もう少し幅を足してから再アップする予定です。
それでも良ければ。






用意するもの


生地:110cm×4m(または羽尺反物、一反)
裏生地または八掛:並幅(36cm強)×2m弱
さらし:40cm×10㎝
接着芯:同上



印をつけていく


袖は、羽織と作り方が全く一緒なので省略します。38×100cm×2枚と、袖口布50弱×10㎝×2枚、袖すべりの八掛は、肩すべりの余りを用意します。大体20×40×2枚あればいいと思います。

身頃は、76×260cmを2枚用意して、縦に半分に折り、背縫いの部分が縫い代1㎝になるように型紙を置いて、印をつけます。

図1 身頃


衿は、型紙の長さに上下2㎝ほど足した生地二枚に、印をつけます。
反物を使用する場合は、半分に折った生地でも構いません。

図2 衿



1 背縫い


今回はひとつ身なので袋縫いをしません。中表にして背縫いの縫い代1㎝でまっすぐ衿の印1㎝上から裾まで一気に縫い合わせます。今回は二度縫いはしませんでした。左身頃に向かって2㎜のキセをかけます。
肩すべりは、二枚を縫い合わせて身頃とは逆に右身頃に向かってキセをかけます。裾にあたる部分は前後左右三つ折りぐけしておきます。
その後、肩すべりと身頃を外表に合わせて、衿付け位置同士を合わせて軽く糸をつけておきます。
ここで身頃は一旦終了です。




2 袖


袖はほぼ羽織と同じなのですが、袖すべりが付きます。端を処理した袖すべりを袖口布の上に置いて、3枚一緒に縫い合わせるだけです。
その後、袖すべりの部分はくけないでおきます。


図3 袖を縫う




衿をつける

この段階で衿をつけてしまいます。


図4 衿を縫い合わせる

図4の衿生地を中表にして、左ではなく右側の曲線部分を縫い合わせます。
どちらでもいいので、2㎜のキセをかけて、キセ山が2㎜控えた場所にくるように表を外側に返します。(図5)画像ですと、急にカーブが増えているように見えますが、実際には緩やかに増えていくので、キセがかけにくいことはないと思います。


図5 キセ山を内側にする


さらしの裏に接着芯を貼って衿芯を作ります。衿にしっかりとした硬さが欲しいので接着芯を貼りました。

衿を身頃につける前に、裾の両端を折り返して三つ折りぐけをします。これは端から5㎝ほどくけるだけにしておきます。

そして、衿をつけていきます。まず最初に、表身頃につける衿に印から2㎜控えた場所にキセをかけておきます。裏身頃に来る衿にもキセをかけてください。
キセをかけたら、衿の中央と身頃の背中心を合わせて、6㎝幅の部分だけ表身頃と表衿を縫い合わせます。このとき、内側にくる衿を間違えないようにして、片側の衿だけ縫い合わせます。
次に、左右前身頃をぐるぐると巻いて、先に縫い合わせた部分から裾までを中表にした衿の中に入れて3枚一緒に印を合わせます。(図6)マチ針で留めたら、左右を一気に縫います。これは長襦袢や二部式の裾回しと同じ方法です。

図6 前身頃を衿の中に挟む


衿下は浴衣と同じように処理をして折りこんだら、ひっくり返すように衿の中から前身頃を引き出します。
完全に前身頃を引き出したら、もう一度衿にコテをかけます。
そして、さきほど作った衿芯を浴衣と同じように縫い付けて、縫わずにいたままの残りの衿を身頃の中に折りこんで本ぐけしたら、衿付けは完成です。


裾をくける


ここで、脇を縫い合わせます。その後キセをかけたら裾を折り返してすべて三つ折りぐけします。



袖をつける


袖すべりを袖の真ん中に適当にくけつけて、身頃に袖をつけます。袖すべりは袖つけ部分ギリギリでくけます。


脇をくける&紐をつける


袖をつけたら脇や袖周りすべてを耳ぐけします。

紐は、5㎝×40㎝~50㎝の表生地2枚、裏生地2枚を用意して、幅2㎝×長さ40㎝の紐4本を作ります。半分に折って端1㎝で縫ってひっくり返すだけです。
左脇裏と右表衿に裏生地の紐、右脇表と左表衿に表生地の紐をつけます。大体肩山から50cmほどの場所につけて、道中着は完成です。表側に縫い付ける紐は、5角形に折ったり江戸打ちひもを使ったり様々みたいなので、ご自由に。
これで完成です。



まとめ


これで一旦道中着は完成しました。身頃を衿からスルスル引っ張り出すのはとても楽しいのでやってみてください😊
衿は後ほど再アップしておきます。

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