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【読書日記】1月に読んだエラリー・クイーンのこと

皆さんどうも、ぜとこです。
昨年に読んだ『十日間の不思議』に衝撃を受けてからエラリー・クイーンにどんどんハマって来ています。1月はDMSSで『Yの悲劇』の読書会が開催されたこともあって、それなりにクイーンに触れる機会も多かったので、読んだ作品を軽くまとめておこうかなと思った次第。



●『悪の起源』

1951年の作品。これの前が『ダブル・ダブル』なので、時期としてはライツヴィル代表作の後ということになるでしょうか。
××××の構図や終盤の怒涛の展開など、中後期のクイーンらしさある構成です。
技巧を凝らしたプロットの割には前半のドラマ部分が微妙だったり、ある登場人物の急なキャラ変など粗も目に付きます。オチ含めて終盤の展開は素晴らしく面白かったので、やや勿体なさを感じました。



●『エジプト十字架の秘密』

1932年の作品で、同年に刊行された『ギリシャ棺』と並ぶ国名シリーズの双璧。個人的にはパワフルなギリシャ、切れ味のエジプトといった印象でした。
舞台設定に広がりがあり、顔の無い死体を扱っていることから、同時期に執筆された『Xの悲劇』のエラリー版と言えるところもあるかもしれません。面白かった。



●『Yの悲劇』

1932年の作品。DMSS読書会の為に久しぶりに再読。
クイーンらしく属性で意外性を狙った犯人は流石に覚えていたけど、事件の構図の細かいところは忘れていて、プロットやストーリー展開が魅力的だなぁと再認識しました。
あとロジックが放つ煌めきはクイーンでも最強格なんじゃないかと思ったり……。初読時より大変面白く読め、再読して本当に良かったです。




●『盤面の敵』

1963年の作品。読者に実行犯を明らかにした構成のため、メインとなる謎は「背後で操ってるのは誰か?」というもの。巷で言われているように、『Yの悲劇』のセルフパロディ的なところもあります。
執筆を担当したのがリーではなくSF作家のシオドア・スタージョンで、真相の意外性はあるが、パズラー要素がかなり後退してるのは好き嫌いが分かれるかもしれません。この時代にクイーンがこのオチをやっていたのは純粋に驚きました。



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