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【コラム】主観的評価と客観的評価(マネジメント分野)

【Co-WARCサイトオープン】

WARCに所属している公認会計士・税理士の皆さんで組織された会計コンサルチームであるCo-WARC(コワーク)のサービスサイトがオープンしました。
是非御覧ください。


はじめに

毎日長文を書き続けてきて思うんですけど、人間ってゾーンありますよね!
ゾーンに入ったときはいくらでも文章を書き続けられるような気がするんですが、書き続けて10時間くらい経つと、目がぼやけてくるので、物理的に書けなくなります😆
あと、ゾーンには反動もあって、次の日の作業効率はたいてい落ちます(笑)

この「ゾーン」に意図的に入れないか、今自分の身体を持って研究中です。
短時間のゾーンをコントロールできれば、作業効率爆上がりすると思うんですよ🤔

なお、ゾーンとは、元々はスポーツ業界で使われていた言葉で、アスリートが時々入ることができる極限の集中状態のことをいいます。
近い将来「明日使える心理学」シリーズでも取り上げることがあると思いますが、認知心理学・教育心理学・組織心理学の分野では、ゾーンとほぼ同じ状態を「フロー(flow)」といいます。
チクセントミハイ(Csikszentmihalyi)さんが1975年に発表した論文で初めて登場した概念です😍
日本語では「没入」「没頭」などと訳されます。

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さて、本題に入りましょう。

読者の皆様の多くは、すでに社会人である方がほとんどだろうと思います。
そして、半数くらいはすでに部下もいらっしゃるでしょう。

我々ビジネスマンは、常に誰かに評価され、それが報酬に反映されていきます。
役職が上に上がっていくと、今度は他者を評価し、報酬の上下を決定しなければならなくなります。

このようなときに「被評価者本人が自己に対して抱く主観的評価と他人が被評価者に抱く客観的評価不一致」が起こると、様々な問題が起きてしまいます。
そこで今回は、主観的評価と客観的評価について、少し考察してみたいと思います😁


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1.主観的評価のお話

まずは人間が自分のことを評価することについて考えていきましょう。

そもそも「主観的評価」とは、自己が自己に対して有する評価のことをいいます。
マネージャーの視点でみると、被評価者本人が自分自身のことをどう評価しているかですね!

この主観的評価は、正直当てになりません😆

人は、自分のことを他者より優れていると錯覚しやすい動物なんですね😨
自分に対する認知にバイアス(偏見、錯覚)がかかってしまうんです。

認知心理学では、このような錯覚を「ダニング=クルーガー効果」と呼びます。
いずれこの用語についても「明日使える心理学」シリーズで詳述します。
ここでは「人間が主観的評価を高くしがち」ということがわかっていれば十分です!

そして、客観的評価が低い人ほど、自分の能力を過大評価する傾向があります😨

主観的評価と客観的評価が一致しない人、特に「他人が自分を認めてくれない」と思っている人は、自分の無能性を理解していない可能性が非常に高いのです😅

そこをまず理解する(させる)必要があります。

私が大好きな「スラムダンク」でも、安西先生がこういうてたじゃないですか。

​「下手くその上級者への道のりは、己が下手さを知りて一歩目」

まさしくこのとおりです。

マネージャー視点でいうと、認知バイアスが強い人を採用してはいけません
間違って採用してしまった場合、どうやって無能性を理解してもらうかを検討する必要が出てきます。

しかし、残念なことに、自己の無能性を理解することは非常に困難です。
なぜなら、そういう勘違いをする人というのは、自分の無能を客観視できないからです😅
そもそも自己の不足・欠点・無能性を認知すらできないんですね……。
認知できないと改善しようがない。

他者と比較して自分が劣っているということを理解できない以上、いくら口頭で説明しても無駄なことが多いのです。
自分を誰よりも美しいと思っている人と同じで、鏡に別の誰かが写ってしまっているのです😨
ある意味怖いことですが、別の視点で見ると、自己防衛本能でもあると思うので、全否定はできません。


一方で、客観的評価が高い優秀な人は、自分の能力を過小評価する傾向があります。
この傾向は、優秀な人間が『自分が簡単にできたことは他人にもできる』と思い込むことによって発生しています。
自分が特別な能力を持っていると気づいていないのです。
マネージャー視点で言うと、こういう人材こそ採用すべきですよね!
めっちゃデキる人なのに「僕なんてまだまだです」といえる人は謙虚で凄い人です😍

まとめると以下のとおりです!

【主観的評価の傾向】
無能な人ほど自分を高く評価し、有能な人ほど自分を低く評価する


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2.客観的評価のお話

次に、客観的評価について考えていきましょう😁
こちらは主にマネージャー視点で考えていきます。

そもそも「客観的評価」とは、他者から見た評価のことです。
マネージャーが、第三者として被評価者をどう評価しているのかということですね😁

この客観的評価も、実は当てになりません🤣

他人の能力や価値というものは、あくまでも相対評価でしかないからです。「相対評価」とは、周りにいる人と比べての評価です。
人間は、自分の周りにいる人間同士を比べて、評価を下しています。
これは、主観的評価でも客観的評価でも同じことです。

そうすると、比べる対象(集団)によって、評価は大きく変わってきます。

例えば、優秀な公認会計士がたくさんいる経理財務部隊で、簿記2級までしか持っていない若い社員がいたとします。

この人の評価が公認会計士より高くなることは、おそらく一生ありません😨
越えられない壁がどうしてもできてしまいます。
一生懸命頑張って簿記1級を取得したとしても、その組織にいる限り、時間単価で公認会計士を超えることはできないでしょう。

相対評価である以上、比べる対象(集団)の能力値が高すぎると、努力を正当な価値として評価しづらくなるのです😅

だからこそ、マネージャーは、被評価者の「目的」を深く理解する必要があります。

仮に、上記の若い社員が、その組織で「公認会計士から会計・財務の実務知識を学ぶ」という目的を持っているのであれば、その習得度合いを評価基準に盛り込んで評価すればよいかと思います。
将来公認会計士試験や税理士試験に挑戦したい若者ならば、組織内での評価が公認会計士より低くても全く問題ないでしょう。

一方で、「組織内で高い評価を得て、高所得を得る」という目的を持っているのであれば、その組織にいさせると不都合が発生しやすくなります。
そういう人は、もっと平均的能力値が低い組織に属するべきです。

評価する側(マネージャー)は、被評価者の目的を考慮に入れた上で組織に組み込む(採用する)ようにしましょう。
採用については、後ほどもう少し深く考えてみます😁

ここまでをまとめると以下のとおりです!

【客観的評価で重要なこと】
客観的評価も相対評価に過ぎない。
被評価者の目的を正確に把握した上で評価する。


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3.主観的評価で気をつけたいこと

社会人である以上、他者からの客観的評価から逃れることはほぼできません😨

いつも誰かから評価されています。

でも、他者からの評価を気にしすぎると、人生がブレます!
そのため、主観的評価をつける際、他者の目を気にしすぎるのはあまりオススメしません

自分が何のために働いているのか、何のためにその組織に属しているのかを常に自問自答することが重要だと思います。

私は、主観的評価と客観的評価の不一致が起こるケースの多くは、属する組織を間違っていることから発生していると考えています。
自分の人生のプランが不明確で、他者の評価に依存しているから、不一致が起こり、不満が生まれるのだろうと🤔
自分の生き方・価値観に合っていて、かつ、相対的に上位に位置することができる組織にいれば、主観的評価と客観的評価はある程度近接するはずです。
そういう場所を探し出す作業が「転職」「就職」なのだと思います。

そうすると、転職や就職の前提に「自己の価値観の明確化」「ライフプランを立てる」という工程があるはずですよね!
ここをすっ飛ばすと、失敗リスクが上がると思うのです😫

自己の価値観の言語化を日頃から試みたり、将来何がやりたいのか、どうありたいのかを家族や仲間と話し合ったりすることで、それらは明確になっていきます。

あくまでも個人的見解ですが、他者からの評価なんて、実際のところどうでもいいことなのです

自分がどう生きたいか、どうありたいのかの方が重要です。

もっとも、これは「ワガママに生きろ」という意味ではありません😆
「価値観の合う場所で、精一杯努力して生きましょう」という意味です。

何を隠そう、私は他人から評価されることが大嫌いです😅
どこの会社でもよくある「目標設定」とか「360°評価」なども心の中では無価値だと考えていますし、心底無駄な時間だと思っています(笑)
山本さんが上司だった頃も「目標設定なしでいいです。報酬も上げなくていいです」と言い続けてきました🙄
私ごときの評価で山本さんの時間を取ること自体が悪です。

そもそも、他者からの評価って、ピントがズレているのです。

例えていうなら、数学が大好きで、それを伸ばそうとしている人間に対して、数学できていない人が「お前は国語の点数が低いからそこを伸ばせよ!」と言っているようなものです😅
根本的にズレている(笑)
会社ではこういうピントのズレたマネジメントが日々行われています。

私は自分の価値観に従った目標を(個人的に)立て、それをクリアすることで能力を伸ばし、その能力を大切な他者のために使って生きています。
会社のために生きたことなど一度も無いですし、これからもそうする気は一切ありません。
常に、誰かに貢献するために生きます。
それは、「貢献≒報酬」という強い信念を持っているからです。
WARCでは山本さんに貢献するため、教育を担当している会社では若手の子たちの将来のために活動します。
それが結局は会社のためになると考えています。

そして、他者に貢献をするためには、貢献できるだけの人間にならなければなりませんので、そうなるために自分の能力を上げ続ける覚悟だけはしっかり持っています。
そのため、毎年、自分が掲げた目標をどの程度達成できたかで主観的評価をつけています。
他者がどう思うか、どう評価するかは二の次三の次くらいで、ほぼ無視しています。

全員がそう生きるべきとまでは言いませんが、少なくとも他者の評価に依存しすぎるのは危険だなと思います。
当てにならない上に人生で邪魔になることが多いので😅

では、主観的評価で気をつけたいことをまとめます!

【主観的評価で気をつけたいこと】
他者の評価を気にしすぎない。
自分がどう生きたいか、どうありたいかが大事。


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4.客観的評価で気をつけたいこと

客観的評価をつける立場にある人の多くは、企業のマネジメント層です。
経営や組織運営を司る人たちですね😁

その方々に、是非とも注意いただきたいことがあります😨

それは、人には個性があるよ!ということ。

当たり前のことを……と思うかもしれませんが、マネジメントを行う際はこれを忘れてしまう人が多いのです。
人間を人間と思わないような冷酷な評価の付け方、言い渡しをすることが往々にしてある。
それは結局、他人のモチベーションを刈り取り、組織の機能性を阻害し、業績を悪化させます😨

大事なことなのでもう一度言いますが、人間には個性があります。
その個性は、それぞれが持つ価値観で構成されています。
より詳しくいうと、人にはそれぞれ価値観があり、その価値観が性格になって、性格が行動として現れ、その行動の集合体が個性となって他者に認識されます

そうだとすると、採用段階で価値観のマッチングを行っておく必要がありますよね!
価値観の段階で全然合わないのであれば、それはもう採用すべきではありません😅
そこがズレていると、主観的評価と客観的評価の不一致が起こりやすくなります。

この難しい作業を任されているからこそ、マネージャーの報酬は高いのです。
採用担当に採用を丸投げしているうちはまだまだです😨
マネージャーの最大のミッションは採用だと言ってもいいくらいです。

ここを真剣にやらないなら、プレーヤーとして活動すべきですし、スペシャリストを目指すべきです。

さて、採用段階で価値観のすり合わせをしっかり行い、無事採用できたとしても、まだ主観的評価と客観的評価の不一致が起こります。
その原因は、目標設定段階でのミスマッチにあると考えられます。

十分な対話を経ずに設定した目標では、あまり効果がないんですね😅
そういう目標設定は、ただただ人件費を無駄にする作業です。
私は、目標設定では、以下のベン図を意識して調整を行っていく必要があると考えています。


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そもそも、会社が人事考課のために行う目標設定という行事は、「本人のやりたいこと」「会社がやってほしいこと」が一致している部分を一緒に見つけ出す作業のことです。

一致している部分じゃないと目標となり得ないと思うんですよ🙄

仮に会社から与えられた目標をやるということであれば、それはノルマであり、強制です。
小学生にやらせる夏休みの宿題と同じです。
誰も楽しくなんてできないでしょうし、良い業績も出にくいです。
かといって、本人のやりたいことのみに着目すると、会社の利益に一切関係のないことをやってしまうかもしれない(笑)

だからこそ、本人のやりたいことと会社がやってほしいことをマッチングさせていくんです😁

鋭い方はもうお気づきかもしれませんが、上記の目標設定の考え方を前提にした場合、本人が「やりたいこと」すらわからない状態だと、目標設定できないのです😨
つまり、そういう人を雇ってしまうと、目標設定に大量の時間を食うことになり、かつ、あまり意味のある目標も決められず、人件費が無駄になるという事態が発生します。
どこの会社でもよく起こっている事象だと思います。

一方で、自己管理がしっかりできているプロフェッショナルばかりがいる組織では、この目標設定自体をほとんど行わなくて良くなります。
会社側が全社的な目標(現実的なものに限る)を明確に掲げれば、あとは勝手にプロたちが分解し、自分たちのやりたいことと一致した目標まで落とし込んでいってくれるからです♫

採用段階でしっかりと価値観の共有ができていれば、そういう組織も夢ではないと思います😁
客観的評価を行う立場になったら、そういう点に気をつけてマネジメントを行うといいかも知れません。

まとめますと、以下のとおりです。

【客観的評価の際に気をつけたいこと】
採用時の価値観マッチングをしっかりと!
目標設定時には、本人のやりたいことと、
会社のやってほしいことの一致部分を探すこと。


おわりに

今日はちょっと私見がたんまり入ったお話でした🤣
しかも、主観と客観というややこしい話をしたので、内容もわかりにくかったかもしれません。
実は、まだまだこの分野には論点が隠れています。
客観的評価と客観的評価の衝突の論点などがそうです。
マネージャーがつけた客観的評価とチームメンバーがつけた客観的評価が一致しない場合に、どういう影響が出るのかなどですね😨
例えば、マネージャーは高く評価しているけど、他のメンバーからはすこぶる嫌われている人がいるケースです。

こういう話をし始めると更に長くなるので、今回は止めました🤣
またの機会にします。

それにしても評価って難しいですよね……。
本当、この世から無くなればいいと思っています。
そもそも私は上司に評価されることも、部下を評価することも、好きではありません。
それを避けたいがために、極力評価をしなくて済むように、目標設定等を行わないでいいような人を組織に引き込みます。
それが最も手のかからない組織だからです。

そのため、採用時の価値観マッチングには長い時間をかけます。
本質的部分で一致していない場合は、見送ります😅
お互いにとって良いことがほとんどないので。

この価値観のマッチングは、一般的には凄く難しいことらしいです🙄
私は長いこと感覚でやっているので『対話の中でわかるじゃん!』と思ってしまっています。
いつかこれを方法論として確立できたら、共有します!

では、また書きます😁


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内容に応じて担当者がお返事させていただきます♫
recruit@warc.jp

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【著者情報】

著者:瀧田 桜司(たきた はるかず)
役職:株式会社WARC 法務兼メディア編集長
専門:法学、経営学、心理学
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Facebook:https://www.facebook.com/harukazutakita
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