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スポーツ観戦との「再会」・その1【20.08.15 横浜FC対湘南ベルマーレ@ニッパツ三ツ沢球技場】

「ゴール裏 西サイドスタンド側」の入口がわからなかった。
いや、ここが「アウェーゴール裏自由席」の箇所である、という認識はあった。なので、これまで「アウェー側入り口」とされていた場所までいき、そこで検温したのだ。でも、QRコードのチケットをスタッフに見せたところ、ここが入口では無いのでして……と断られてしまった。
そこからさらに数分歩いたところ、大型ビジョンの近くに、入口がもう一つあった。僕は再び手を消毒し、検温されて、ようやくスタジアムに入ることができた。
半年ぶりのスポーツ観戦が、遂に復活する!

   ◆

前回の記事でも言及したが、僕は6年ぶりに横浜FCの試合観戦をする。
そもそも、J1の試合を観に行くのは、果たして何年ぶりなのだろうか……? 横浜FCの試合以外だと、観戦はJ2の他のチームだったり、J3やJFLだったり、女子サッカーだったりする。
そういう意味では、日本最高峰のリーグ戦を観に行くというのは、かなり記憶にないくらい久々なことなのである。

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なので、僕は試合を観ていてびっくりした。「横浜FCが、J1のサッカーをしている!」。
普通にレベルは高かった。J2時代と言えば、ロングボール中心のサッカーだったり、ひたすらパスは繋ぐけどシュートに持って行けなかったりと、何とも単純なサッカーを繰り返していたものだった。そういった「単純さ」は全く見られなかった。ちゃんと下平監督の指導がしっかりしているということか。
特にトップレベルっぽさがあるな、と思ったのが「ゴールキックを全く蹴らない」というところだった。噂ではそういうサッカーが一流の世界では流行っていると聞いていた。それが、この試合で見られるだなんて! ただ、スタンドから見ていると、「ボケーっとしていて、パスを出す前にボールをうっかり奪われたらどうしよう?」とも思ってしまうのだが……。

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何ともサッカー観戦初心者っぽい反応を延々と書き続けてしまった。
肝心の試合経過であるが、この日に関しては前半20分で試合は終わってしまった。ボールを奪取すると素早く縦パスを送り、そこに走り込んだ攻撃の選手が数的有利の状況でゴールに向かう。
そんなプレーの繰り返しで、あっという間に4得点。特に2得点を決めた松尾の活躍はお見事だった。長く横浜FCに居て欲しいところだが……。

ただ、ここまで点差が開くと、モチベーションを保つのが難しい。現在の状況を踏まえて、交代枠は5人に増えていた。だが、横浜FCは「反撃のため」とは別の理由で、選手交代を続けていた。大活躍の松尾も後半10分に退いてしまった。次の試合は4日後の水曜日。活躍した選手を次も使いたいとなると、早めに退けなければならないジレンマ……。
そんなこともあり、後半の45分間はアグレッシブさは影を潜め、逆に湘南ベルマーレの反撃を必死に抑える時間が続いてしまった。クリアミスとセットプレーから失点を喫したが、最後まで横浜FCの選手たちは粘り切り、4-2の逃げ切り勝ちで何とかゲームをまとめることができたのであった。

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そんな感じで試合を振り返っていくと、どこが「これまでの延長線上」で、どこが「コロナの影響を受けて新しくなった箇所」なのかが、ちょっとわかり辛かった。試合観戦のブランクが空きすぎている人間だからが故に、それをより感じてしまっているのかもしれない。

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ここまで試合の様子を振り返っていたが、試合以外のところで最も感じたことは何か?
それは「意外とみんな、真剣に試合を観ているな」ということだった。

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声を出して応援してはいけない。そのルールがはっきりしてしまった今現在、スタジアムでできることは、手を叩いて鼓舞することと、ピッチ上のあれこれに睨みを利かせること。その2つしか無かった。その姿には、僕が抱いている思い出のシーンたちとはとても大きなギャップがあった。

僕はサポーターだったとは言え、そこまで大きな声を出して応援するタイプでは無かった。そういう集団とは少し離れた位置から、そっとゲームとゴール裏の悲喜こもごもを見守り続ける。ちょっと斜に構えた人間だった。
でも、この日のスタジアムには、僕と同じような斜に構える人たちしかいなかった。いや、もちろん斜に構えたくなんてないけれども、そうならざる得ない人たちとも言うべきか。
チャントも歓声もブーイングも無い静かな世界。それは、僕がサッカーから離れるキッカケになった「感情を起点としたトラブル」が起こりえない世界とも言える。
では、こういう静かで清らかな世界を、僕は望んでいたのか? そう言われると、やはり答えに窮してしまう。

果たして僕は、サッカーに何を望んでいたのだろうか?
それはゲームが徐々に戻っていく過程を追うことでしか、わからないことなのかもしれない

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