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【ラグビー・トップリーグ】2018.9.22 パナソニック対ヤマハ発動機戦の個人的雑感

引き締まったスコアの締まらない試合、と言うべきだろうか。上位争いとしては不満が残るが、お互いに厳しい状況の中、一定のクオリティは見せたと思う。

パナソニックワイルドナイツとヤマハ発動機ジュビロ、ともにナンバーワンへの返り咲きを目指す両者との注目のカードが行われた。力量を考えれば、この試合が事実上の首位決定戦とも言える。また、山沢拓也と五郎丸歩という、人気と実力を合わせた新旧キッカー対決も見所のひとつとなった。

そんな試合は前半早々から動き出す。前半4分、敵陣ゴール5メートル前でヤマハスクラム。これにプレッシャーをかけ、なんとこぼれたボールをパナソニックがターンオーバー。
山沢と五郎丸の初めての交錯は、弾むこぼれ球をめぐる対応だった。対処に手こずる五郎丸を見逃さず、山沢が足を伸ばす。再び転々とピッチをかける楕円球を、山沢はサッカー選手かのように見事なドリブルで前に運ぶ。そして、ヤマハ陣内ゴール前でキャッチをすると、すかさず山田へパス。山沢の個人技とパナソニックに染み付いた攻守の切り替えの早さ。この二つが掛け合わさったスーパートライだった。

前半22分も山沢のハイパントから攻勢をかけ、山田のゲインから最後はサム・ワイクスへと繋ぎトライが決まる。まさに山沢劇場とも言うべき出来。対するヤマハはヘル・ウヴェが再三ビッグゲインを決めるも、ラストパスの精度に欠き無得点。15-0のパナソニックリードで前半を折り返した。

この調子ならばパナソニックの圧勝で終わりそうだが、試合はそうもいかない。
理由は2つ。一つは負傷者が相次いだこと。前半早々に福岡が、後半早々にはガンターが共に脳震盪の疑いで途中交代。試合の良い流れがぷっつり切れてしまった。
もうひとつはヤマハの接点が予想以上に強かったことである。ターンオーバーを繰り返し、相手攻撃の時間を継続させなかった。パナソニックの決定機というのは、よくよく考えてみれば前半のあの2つだけだったかもしれない。裏を返せば、ヤマハはいくら守備で奮闘しても、攻撃のミスでほぼ全てが水泡と化したのである。
そのまま15-0で試合終了。パナソニックが首位のキープに成功した。

少し物足りない上位争いではあるが、不測の事態を考えれば致し方がないか。ただ、現時点ではパナソニックがこのカンファレンスでは一枚抜けていること、サントリー・神戸製鋼・トヨタ自動車との上位争いが楽しみだということ、そして、好調を維持し続ける山沢を日本代表で見たいということ。スペクタクルと引き換えにこの3つを再確認できたという意味では、良い試合だったと結論付けようと思う

どうもです。このサポートの力を僕の馬券術でウン倍にしてやるぜ(してやるとは言っていない)