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北朝鮮の核戦力

■宣伝する北朝鮮
 北朝鮮は弾道ミサイル発射施設を復旧させた。しかも世界に見せつけるかのように復旧している。非核化に反する動きを宣伝する北朝鮮は、意図的に緊張を高めようとしている。これは北朝鮮が主導権を持とうと足掻いている証だ。

北朝鮮ミサイル発射施設、復旧「ほぼ完了」 韓国情報機関
https://www.afpbb.com/articles/-/3218343?cx_part=top_category&cx_position=4

■復旧
 北朝鮮は弾道ミサイルの発射施設を復旧させたのは事実。だが実験部隊であり実戦部隊ではない。実戦部隊ならば弾道ミサイル隠す。意図的に見える施設は実験部隊。実験を行うから櫓を組んで発射する。実戦部隊は地下サイロかトラックに乗せて移動させる。

 北朝鮮がアメリカまで届く弾道ミサイルを持っていないならば、実験施設の復旧は必要。北朝鮮が持っているなら見せつける必要は無い。それに必要なのは射程だけではない。目標に着弾する命中精度も必要。

■ミサイル評価
 ミサイルは弾頭・射程・命中精度の3要素を満たすことで評価する。冷戦期の核弾頭は米ソ双方の本土に目標から3000m離れて着弾。この時の核威力はメガトンクラスだった。性能が向上すると目標から100m離れて着弾。この時の各威力は300から400キロトンになった。

ミサイル評価基準の3要素
1:弾頭(破壊力)
2:射程
3:命中精度

 つまり敵国の本土まで届くミサイルだけでは無意味。目標近くに着弾する精度が求められる。離れて着弾するなら核威力は大きくなり、近くに着弾するなら核威力は小さくなる。核威力は命中精度の悪さを補うことが目的で、命中精度と核威力は比例関係に有る。

■発言に注意
 北朝鮮が目的から100m以内に着弾する精度を持ち、核威力がメガトンクラスだと言えば?これは北朝鮮が嘘を言っている証。目標から100以内に着弾するなら核威力は300キロトンクラスになる。北朝鮮が目標から10m以内に着弾すると言えば?この命中精度になると核弾頭は不要。通常弾頭で目標を破壊できる。

 米ソは目標から10m以内に着弾する技術を求めたが成功していない。弾道ミサイルで10m以内に着弾するなら核兵器は不要。低コストで先制攻撃と報復攻撃が行える。実際に巡航ミサイル・トマホークは10m以内に着弾するようになった。するとトマホークは通常弾頭と用いて戦術・戦略兵器として多用されている。

■持っていない場合
 北朝鮮がアメリカまで届く弾道ミサイルを持っていない場合は、これから実験を繰り返して性能を向上させる。次に命中精度が必要で、アメリカでさえ10m以内に着弾する弾頭を持っていない。
 
 北朝鮮の弾道ミサイルがアメリカ本土まで届く可能性は有る。問題なのは命中精度。アメリカ本土まで届いても目標から3000m離れたら被害は少ない。仮に攻撃してもアメリカを怒らせて北朝鮮は地図から消える。

■ミサイル防衛システム
 アメリカはミサイル防衛システムを成長させている。2発連続で迎撃ミサイルを撃てるようになったので、1発程度では驚異にはならない。しかも命中精度が悪いと、北朝鮮はこれから何度も発射実験を繰り返す必要が有る。

 そんなことをすれば、トランプ大統領は怒って開戦の口実にしかねない。これは北朝鮮の悪夢。ミサイル防衛システムの成長は北朝鮮の計画を狂わせている。

■北朝鮮の外交カード
 そうなると北朝鮮がしていることは外交カードを増やす行為。実験施設を複数再開させてトランプ大統領と交渉したい。一つの外交カードよりも五枚の外交カードにしたい。これが北朝鮮の思惑。

 だがトランプ大統領は実験施設を無視して非核化だけを追求。だが無理やり実験施設を外交カードにするから無理がある。ミサイル防衛システムの成長は、それだけの価値を持っている。

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