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読んでみました中国本(更新終了)

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※当マガジンは2017年12月末をもって更新を終了致しました。2018年1月からは「月刊『読んでみました中国本』」(http://bit.ly/2zZjM55 200円/月)をご…
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#日本人

【読んでみました中国本】「対岸の火事」と思う人こそ読むべきお話:温又柔「真ん中の子どもたち」

今年の芥川賞候補作となった作品ですね。以前も書いた通り、わたしはおとなになってから小説をほとんど読まなくなってしまったので、この本の存在に気づくのも遅かった。気づいたのは、何を隠そう、芥川賞が決定して日頃中国に関わる知り合いたちがフェイスブック上で残念がっていた時だった。

…遅すぎやろ。はい。

でも、その時初めて「温又柔」という作者の名前を見て、「ペンネーム? にしてはこれまた…」と印象に残っ

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【読んでみました中国本】「目からウロコ」の日本人と中国人の関係 :陳舜臣「日本人と中国人」(祥伝社)

◎陳舜臣「日本人と中国人」(祥伝社)

初版は1971年で、1978年と1984年には別の形式で再度出版され、2005年に再び新装版として出版された。わたしが手にしたこの新書バージョンは、オリジナルを出版した祥伝社から昨年12月に、新たに天児慧・早稲田大学教授のあとがきをつけて復刊されたものである。

日中国交回復が1972年だから息の長い本だ。著者もあとがきで、国交回復への気運が高まる中で執筆し

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