見出し画像

わが家の英語方針(1歳児時点)

世界はもっと大きく、たのしい場所だと知ってほしい

Worldwide KidsサンプルDVDより←

昨今では幼児英語教育について、子どもが小さいうち(何なら生まれる前から)売り込みが激しい。
子連れでショッピングモールに行けばD社の教材の勧誘に遭うのはしょっちゅうだし(いつも子どもの喜ぶミッキーの風船とシールだけもらっているごめんなさい)、「英語どうしているの」と聞かれたりママ同士で話題になることも多く、ここ1年で自分なりに調べたり考えたりしたことをまとめてみよう。

わが家の英語スペック

”わが家”といっても、夫のほうはこれまで英語や海外とは縁遠い人生を送ってきたので、主に私がどう子どもに英語に触れさせたいかということになる。
私自身は、大人になってからの海外在住期間は長いものの(豪1年弱・米5年・英2年)、生粋のバイリンガルでもなんでもない。幼少期に親がケチったため英会話教室なんてものも行かせてもらえず、タダだからとNHK教育テレビの『英語であそぼ』や早見優『アメリカン・キッズ』などを見せられていた。
言語に関する興味は幼少期から高く、外語専門の高校へ進学し、大学もバイリンガル教育をうたうICUと、短期語学留学を経験させてもらったことを含めて環境としては恵まれていたといえる。
それでも実際、海外に出てからネイティブ並みの英語力を身に着けるまでにはハードルがあった。なのでもし将来子どもが英語や海外とのかかわりを望む機会があったら、なるべくスムーズに苦労なく進めるような素地を作っておいてあげたいなと思っている。
とはいえ、ガッツリ勉強するというよりは、早い段階から生活の一部として自然に英語やそのコンテンツがあるような、なるべく自然な形で触れ合うのが理想的だと思っている。そういう視点で国内外の様々なオプションを実践・検討してみた。以下、評価やコメントはあくまで私見によるのでご了承いただきたい。


国内のオプション

1. 英語の子ども向けソング(胎児期~/費用0/推奨度◎)

昔と比べて、無料のコンテンツが簡単に手に入る時代になった。
胎児でも耳は聞こえているというから、妊娠中から無料の音楽アプリSpotifyの”Sing Along”という子ども向け英語ソングのチャンネルを繰り返しかけて、そのうちに自分も歌詞を覚えて一緒に歌っていた。
特に、"Skidamarink"という曲は「朝でも・昼でも・夜でも"I love you"」という歌詞で、英語ならではの"I love you"を沢山伝えられる歌でお気に入りだ。入浴後のお腹マッサージや、生まれてからも子どものお風呂の後の保湿をしながら歌っている。1歳になる息子も当時の曲を聴くと、心なしか落ち着いて耳を傾けているようだ。

2. 英語語りかけ・子守歌(胎児期~/費用0/推奨度〇)

耳慣れの一環として、家庭での英語での語りかけは一番効果が大きいに違いないが、(バイリンガル教育でもよく取りざたされるが)日常の言語とのバランスも難しいと思う。
私一人がランダムに日本語・英語を切り替えるのも脳が混乱するといけないと思い、今のところ英語は限定的に、”英語を話す役”を決めて話しかけている。息子が生まれたときから一緒のミッキーマウスの人形と、新居の子ども部屋に加わった双子の猿の”ウキ“&”モキ“(ニトリのカーテン留め)が、わが家でメインで英語で語り掛ける役だ。彼らと話すときや、英語のDVDを一緒に見るときなどは、私も呼応して英語を話すようにしている。
ちなみにミッキーはアメリカ英語、ウキ・モキは少しニヒルなイギリス英語という細かい設定もあるが、大抵息子(たまに夫)が唯一の観客なので、この涙ぐましい自作自演を誰か褒めて欲しいと思っている笑。
私の発話が完璧なネイティブではなく、親の力量に拠るところが多いため、推奨度としては○とした。

3. 英語の絵本・子守歌(乳児期~/費用$/推奨度◎)

アメリカの友人がありがたいことに英語の定番ロングセラー絵本を沢山送ってくれて(冒頭写真)、日本語の絵本と併せて赤ちゃんの頃から活用している。
0〜1歳時点では、『The Very Hungry Catapillar(はらぺこあおむし)や、寝る前に『Goodnight Moon(おやすみなさいおつきさま)をよく読んでいる。今のところ自然になじんでいるようで、お気に入りのページを自分でめくったりしている。
その他いただいた絵本としては『Where The Wild Things Are(かいじゅうたちのいるところ)『Sylvester And The Magic Pebble』『If You Give A Mouse A Cookie』『Make Way for Ducklings』(※友人の地元ボストンの有名なカモの親子の話)など、大人も楽しく英語の勉強になっている。

子守歌は、生後2ヶ月くらいまで主に私の好きなビートルズをララバイ風にメドレーにして歌っていた。(寝かしつけにすごく時間がかかっていたので、好きな歌を沢山知っていてよかったと思った…。)
中学時代に夢中で覚えた歌詞を今でも割と覚えていて、その頃までの脳の吸収力の凄さに自分でも改めて驚いた。
『Lucy in The Sky with Diamond』『I'm Only Sleeping』『Good Night』など、いい感じで眠くなる曲も意外と多く、ジョンレノンやリンゴスターの歌声を脳内再生しながら(笑)今も定番化して1,2曲歌っている。

4. 英語教材(DVDなど)(乳児期~/費用$$/推奨度△)

「ディズニー英語システム」やベネッセの「Worldwide Kids」などは押しがすごく、メルカリなどで中古も出回っているようだ。
わが家では今のところ「Worldwide Kids」の無料サンプルDVDを繰り返し見せている。1歳を過ぎてから毎朝のようにDVDプレイヤーの前に親を引っ張っていって飽きることなく要求するようになって、同じコンテンツでも絵本を繰り返し読む感じで定着しているのかもしれない。今のところそれで事足りているように思うが、本人はキャラクターの赤い猫Mimiちゃんを気に入っているし、付録の絵本などで補おうかな、と思っている。
体系立ててフレーズなどを覚えていくのは魅力的なので悩むところだが、現代においては次に挙げる無料のYouTubeコンテンツなども豊富だという記事を読んでたしかにと納得し、今のところ40〜100万円かけて大量のDVD+付録教材を購入するのは控えている。
最近では低額の『Miraico English』などもあり、映像や音響がお洒落な印象だったが、コンテンツとしては”日本人が作っている”という印象が強く、英語の言い回しなどもやや気になったーーパトカーの絵が日本仕様だったり、位置の前置詞(under / behindなど)が自然に使われていなかったり、夢についての会話で主人公のお母さんが"Plan carefully and try hard"(注意深く計画してよく頑張りなさい)というセリフなど、欧米だったら"Follow your heart"(あなたの心に従って)とかのほうが言いそうだと思った。

5. YouTube(乳児期~/費用0/推奨度◎)

とにかくインターネットで大量のコンテンツにアクセスできて、ほぼ無料で見放題というのは魅力的である。「The Wiggles」や「Cocomelon」など英語の歌や動画をチャンネル登録して、テレビ画面で流すようにしている。普段テレビ番組(Eテレや『シナぷしゅ』がお気に入り)は一応毎日各1回をルールとしていて、それ以上見たいとせがんだりしたら英語に切り替えることで親の動画を見せている罪悪感も若干薄れる(笑)。
Peppa Pigやきかんしゃトーマス、セサミストリートなど、ストーリー性のあるものも少しずつ見せようと思っている。

6. 英会話教室(幼児期~/費用$$$/推奨度△)

近所でベネッセ英語教室の無料体験があって行ってみたところ、子どもはWorldwide Kidsに出てくるMimiちゃんのパペットに会えてよろこんでいたし、直に外国人の先生(+日本人の先生のサポート)と触れ合えるのはたしかにいい刺激になると思った。
ただ、レッスンは月2〜3回が主ということで、足りない分は家庭で補うようにとDVDがついてくるようで、それで月6-7,000円は高いなという印象だった。
そして、やはり結局日々の働きかけが大事なのだと知った。
英語教室と一言でまとめても様々なスタイルがあり、幼児向けなのにフラッシュカードで単語を覚えさせるばかりのところもあれば、オンラインレッスンは甥っ子がコロナ禍期に受けていたがどうしても講師からの一方的な発話が多くなりがちなようで、「英会話に通わせているから安心」ではないのかなと思う。

7. 英語アプリ(幼児期~/費用$/推奨度◎)

自分も子どもの頃ゲームが好きだったし、英語でゲームして遊ぶ感覚で身についていったら良いだろうとアプリには期待している。
たまたま仕事で触れる機会のあったABCmouse Englishという英語学習アプリは、アメリカで第二言語としての英語を学ぶために開発された、移民の多い本国で高く評価されているもので、対象年齢の3歳くらいになったら良さそうだと今から注目している。月額1,980円程度で豊富なコンテンツに継続してアクセスし放題で、子ども本人だけでゲーム感覚で自分で進められる。ちなみに日本では楽天と提携していてポイントもたまる(笑)。※この記事はステマではありません。
「進研ゼミ」などの家庭学習教材でも最近はオンラインコンテンツを取り入れているので、英語も含まれていたら一緒に検討するかもしれない。

8.インターナショナルスクール(幼児期~小学校低学年/費用$$$/推奨度△)

国内のインターナショナルスクールやプリスクールに通って、英語で欧米基準の教育を受けさせる手もある。高額な授業料や前段階の受験準備も含めてそれなりの投資が必要となるし、なぜ日本にいてわざわざそういう選択をするのか、ぶれない理由が必要だろうと思う。
先日、たまたま通勤電車でインターナショナルスクールの小学生集団に遭遇した。お菓子をボリボリ食べながらゲームをしてFワードなんかをつぶやいていて、たしかに英語は話しているが、それ以外はその辺にいる男子と何ら変わらない印象を受けた(むしろ車内マナーが若干目についてしまった)。
その光景は偶然だったかもしれないし、その学校の特色などもよく知らないで物を言っているので許してほしいが、言語は何であれ、最も大切なのは人間力を磨くことではないかと感じたのだった。
そもそもうちにインターに行かせる余裕はないのだが。
また、日本語と英語のバランスも肝心だと思っている。私の周りのインターナショナルスクールや海外の大学に通った友人は、多くが漢字や日本語のビジネスレター・メールを苦手としていた。ネイティブの日本語力を身に着けるほうが英語より断然難しいと、日本語教育もかじった身としては断言できる。
大学まで日本の教育を受けて、その点をしっかり身に着けられたのはよかったと思う。(それでも海外から帰国後、日本の上司に日本語ーー特に書き言葉がおかしいと指摘されたりしたが。)
日本人という事実は世界のどこにいても変わらないし、英語に加えて日本語も使いこなせておいた方が自分の武器になるし、市場価値が高まるだろう。

国外のオプション

1.親子留学(幼児期・低学年~/費用$$$$/推奨度◎)

たとえ1週間などの短期であっても、その言葉が使われている国で他言語・異文化のシャワーを全身で浴びる刺激は自分の経験を振り返ってもはかり知れない。しゃべらないと生活できないので強制的にスイッチが入るし、実際にどんな場面でどんな単語・フレーズが交わされているか自然に見聞きできることは言語習得として効果が大きいだろう。
親もワーケーションなどをしながら一緒に海外生活体験をするという面で、親子留学は大いに興味がある。英語圏や料金の安くて発音も比較的きれいなフィリピンなども人気だが、仕事などの事情が許せば、子どもが4~5歳になってから1週間~1か月くらい家族で行けたらよいなと憧れている。

2.サマーキャンプ(小学校中学年~/費用$$$$/推奨度〇)

小学校に入ったら夏休みに3週間くらい、アメリカのサマーキャンプに参加して広大な自然の中で過ごせたら最高の体験だろうなと思う。長い夏休みを少しでも有意義に過ごしてほしいと願う共働きの心境もあったりする。
現地のキャンプや集団生活に適応するためには、日本でも事前にキャンプに行ったりカブスカウトに入ったりしての下地作りや、仲間外れになったりしないよう、ある程度の英語力と現地の文化への慣れなどもあらかじめ必要だろう。あくまで本人が希望すればの話だが。

3.海外移住(幼児期・低学年~/費用$$$$$/推奨度?)

マレーシアなどのインターナショナルスクールに入学させるために「教育移住」する日本人も多いと聞く。教育の目的を含めて海外移住という選択がもし可能ならば、私はやはりアメリカを選びたい。”前ならえ・横並び”の画一的な日本の集団的指導ではなく、個人主義でも物怖じしない自己の確立と、様々な人種や文化背景を持つクラスメイトの中で視野を広げて磨いてほしいと思うし、大人になって頭が固くなる前に、色々な人と純粋な友情を沢山築いていってほしい。

まとめ:英語とのキホン的な向き合い方

以上、まだ第1子が1歳時点での方針なので、子どもの成長に合わせて都度アップデートしていけたらと思う。
英語がまったく必要ない人生もあるだろうが、日本国内だってこのご時世どこで外国人と出会うかわからないし、使えた方が断然世界が広がるだろう。
私自身に関していえば、英語やそれを通した会話や思考・人間関係に出会うことで、人生の価値観がだいぶ豊かになったと感じている――たとえば、「頑張って!」の代わりに"Good job!"/ "Way to go!"(いいね!その調子!)とたたえあう言葉がけや、家族同士でも"Thank you" / ”I love you”と言葉で伝えてハグし合うような文化、金曜日にはお客様宛のメールにも”Happy Friday!”(花金バンザイ!)と書いてしまうフランクさや、残業せずホリデーはキチンと取って自分や家族の時間を大事にする習慣など――「言語はアイデンティティ」と言語学の授業でいわれたが、それまでの日本語人生で培ってきた(?)モヤモヤ・あいまいさ・自己犠牲を少し脇に置いて、英語での自分は少しだけ明るくオープンで堂々とした性格になる気がする。(もちろんリアルライフでは英語圏の人だって色々あるだろうが。)
子どもが大きくなるにつれて、狭い価値観の中だけで行き詰らずに、周りや外の世界に目を向けて、幅広い考え方を身に着けてほしいと願っているし、その助けになりうる手段としての英語を、私の人生のバトンの一つとして伝えられたらうれしい。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?