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行為が忌まわしいのは、それが完了していないから(だけ)なのだ

コーヒーがなぜ、どのように作用するのかは、いまも謎である(中略)カフェイン摂取はカルシウム吸収率のわずかな低下をもたらす(中略)カフェインはアデノシンという神経伝達物質の働きをブロックし、その結果としてほかの神経伝達物質の作用を増強する(中略)またアスピリンやアセトアミノフェンなどの一般的な鎮痛薬の効きをよくし、頭痛や、ときにはぜんそくの症状を急速に鎮める作用もある。

入眠作用があるのはあくまでもコーヒーの香り↓
意味記憶(知識の記憶)やエピソード記憶(出来事の記憶)は、海馬で固定される
カフェインを摂取したほうが、学習内容の記憶がよみがえりやすい

ほんの少しカフェインを摂ることで(摂りすぎは禁物。就寝前一二時間前も避けよう)、気が散るのを大幅に減らすことが可能だ。注意を払う能力を強化し、そこから長期記憶をしっかりと根付かせることもできるようになる(中略)カフェインを摂取しながら学習した場合は、思い出そうとする際にもカフェインを摂取したほうが、学習内容の記憶がよみがえりやすい(中略)意味記憶(知識の記憶)やエピソード記憶(出来事の記憶)は、海馬で固定される。一方のマッスルメモリーは、大脳基底核と呼ばれる脳の部位で一つにつなげられる(中略)同じスキルの学習を続けるにつれ、小脳と呼ばれる脳の部位が、インストラクターのように付加的フィードバックを与える(中略)次第に、動作に修正や微調整が加えられていく。こうしてスキルが上達する(中略)マッスルメモリーの形成には海馬はまったく関与していない(中略)繰り返し練習すれば、それによって脳が変化する。脳が変化すれば、体の動かし方が変わる(中略)熟練の域に達するには一万時間の練習が必要(中略)知っている知識と記憶にある人生経験とが統合されてはじめて、人は賢くなる(中略)急性ストレスは新しい記憶の形成を促進する。理由としては第一に、ストレスが突発的に高まると注意力が増大する(中略)第二に、アドレナリンとコルチゾールは脳と体を総動員してすばやい行動に備えるが、それだけではなく、扁桃体でノルアドレナリンと呼ばれる神経伝達物質の分泌を活性化する。これにより、扁桃体から海馬にシグナルが送られる(中略)場合によってはコルチゾールが海馬にある受容体に直接はたらきかけ、記憶の固定化を促進することもある(中略)残り時間は刻々と減っていき、しかもAを取りたい。こうした急性ストレスのすべてが、覚えようとしている情報の固定化に役立つ(中略)コルチゾールは、アドレナリンよりやや足が遅い、アドレナリンがものの数秒で現場に到着するのに対し、コルチゾールが最も分泌されるのは、ストレッサーが現れてから十五分ないし一時間経った頃である。

極度のストレスに比例して大量のコルチゾールが分泌

人間はストレスを感じると、副腎皮質からコルチゾールというホルモンを分泌します。分泌される量によっては免疫の低下や不妊を招くことが知られていましたが、近年の研究によって、極度のストレスに比例して大量のコルチゾールが分泌されると、海馬を萎縮させることが判明しました。つまり、記憶の管理が正常に行えなくなるのです(中略)海馬の萎縮はさらに記憶の分断も引き起こします。人間のリアリティは記憶によって作られているため、記憶の分断によって複数の人格が共存しているような多重人格の症状が表れるのです(中略)海馬という器官は、強いストレスを受けると比較的容易に壊れてしまいます。それほどの恐怖体験がない場合でも、恒常的なストレスが海馬を損傷させている(中略)多重人格という症状は記憶障害の一種である(中略)認知症では急速に記憶障害が進みます。強いストレスを感じる出来事があって、コルチゾールが出て、海馬が損傷して、ボケる。認知症はこのようなプロセスで発症(中略)認知症の脳の状態は、PTSD(心的外傷後ストレス障害)と同じ状態です。PTSDの人々の脳では、強いショックとなった出来事を忘れようとして、海馬が損傷します。認知症もショックを忘れようとして海馬細胞が痛むのです(中略)この状態が長期間続けばどうなるか。 疲労が回復されずに蓄積し、頭痛や動悸、さらには倦怠感といった諸症状が体に現れるようになり、心臓に負担がかかったり、症状に対する不安が高じて鬱病などの精神疾患に発展したりすることも珍しくありません(中略)情動的情報が長期記憶化するために脳が利用するのは、ほとんどの場合、夢です(中略)完成した夢の絵は海馬や偏桃体によって情動が増幅され、長期記憶として側頭葉に保存されるのですが、ここには大きな問題が存在します。夢は自分でコントロールできないため、負の情動が増幅された記憶になってしまうこともありえるのです(中略)レム睡眠は精神の安定にかかわっています。脳が記憶を整理するのは、精神を安定させるためです。したがってレム睡眠の質が悪い人は、精神的に不安定になります(中略)毎日、浅い眠りしかとれなければ、脳は緊張しリラックスすることができなくなり、それが当たり前になるとIQも下がった状態が続くことにならざるをえません───苫米地英人博士(著書名失念)

一番ベースに生きていくために必要な副腎のホルモンがあり、次に甲状腺が作り出すホルモン↓

副腎はすべてのストレスに反応(中略)ストレスが長期間にわたり蓄積され続けて副腎がダメージを受けてしまうと、その機能の複雑さのために、全身にさまざまな症状が現れる(中略)その結果、健康を害する(中略)副腎は甲状腺とも相関関係があり、副腎の機能が低下すると、甲状腺の働きも悪くなってしまいます(中略)コルチゾールのステロイド薬を免疫抑制剤として投与されるケースが多いのですが、そうすると、いわゆる顔がパンパンに腫れる〝ムーンフェイス〟といった副作用が現れます(中略)副腎の機能が低いと、〝本物の〟更年期の症状がひどくなったり、PMSで苦しむことも多くなる(中略)アジソン病は副腎機能が非常に低い状態で、体に必要なホルモンを必要な量、生産できない重篤な病気です。肌の色が黒くなり、副腎の組織が損なわれることもあり、激しい倦怠感に襲われます(中略)快楽を与えるホルモンとして知られるドーパミンも、副腎で生産されます───スクエアクリニック 本間良子院長(著書名失念)

内臓脂肪をピンポイントで増やす「ストレスホルモン」 ストレス、肥満、代謝性疾患の結びつきの起点にあるのは、副腎(腎臓の上にある臓器)が出す「コルチゾール」ホルモン(中略)コルチゾールは、少量かつ急増期間が短いかぎり、必要不可欠なホルモンだ。だが、大量のコルチゾールに長期間さらされると、ゆっくりとではあるが、最終的に命が奪われる。プレッシャー(社会的、家族的、文化的なプレッシャーなど)に容赦なく見舞われると、ストレス反応は何カ月も、ときには何年も「オン」状態になる。コルチゾールが血流にみなぎると、血圧が上がり、糖尿病につながる血糖値の上昇を招き、心拍数も増える(中略)コルチゾールがむやみに体重を増やすわけではない。コルチゾールが増やすのは内臓脂肪なのだ。これは、心血管疾患とメタボ症候群に関連付けられているタイプの脂肪蓄積(中略)コルチゾールが上昇すると、インスリンのレベルも上昇する。なぜなら、コルチゾールがあなたにものを食べさせると、食べたエネルギーを脂肪細胞に取り込ませようとして、インスリンのレベルが上がるからだ

慢性的に低量のコルチゾールが放出され続けると、肥満と慢性炎症が促進される↓
ウイルスに感染しやすくなり、また創傷の治癒プロセスも妨げられる

ストレスを受けた神経が免疫細胞に影響を与え、それにより免疫細胞に関わるホルモンと神経伝達物質の体内での流れが乱れてしまう(中略)長期間ストレスにさらされ、さらに睡眠不足や極度の疲れがあるとウイルスに感染しやすくなり、また創傷の治癒プロセスも妨げられる

睡眠不足が肥満を導き、糖尿病のリスクを高める

睡眠不足は自律神経の最大の敵(中略)食事や運動を含め、どんなに体にいいことをしていても、質のいい睡眠がとれないと、その瞬間に、自律神経のバランスは崩れてしまいます(中略)怒りで交感神経が高まっていると、副交感神経も対処できなくなり、活性酸素は蓄積してしまう(中略)自律神経が始終乱れていると、体のあちこちに不具合が生じます(中略)怒りとは、激怒だけを意味するものではありません。 イラッとしたり、ムカムカしたり、それも小さいですが怒りです。小さい怒りが積み重なると、心は乱れ、元気を損なっていくのです。この状態を現代の医学用語で説明するなら「自律神経が乱れている」といいます(中略)心が乱れると血液はドロドロになる(中略)動脈硬化が恐ろしい症状であるのは、皆さんもご存知でしょう。心筋梗塞や脳梗塞、脳出血などを引き起こす恐れがあります。脳梗塞や心筋梗塞を起すと、最悪の場合は命を落とします。たとえ命は助かったとしても、後遺症で体に麻痺が残ったり、少し動いただけでも息切れがしたりと、日常生活に支障が出てくる場合も少なくありません───順天堂大学医学部 小林宏幸教授(著書名失念)

脳が感じたストレスは直接、腸内細菌にダメージを与えている

心の病の初期段階の症状としては睡眠障害が目立って増えてきます(中略)睡眠不足になると、食欲を増すグレリンというホルモンが多く分泌されるようになり、飢餓感が増すことがわかりました(中略)睡眠不足が肥満を導き、糖尿病のリスクを高める可能性について、近年さまざまな研究報告が相次いでいます(中略)(※九州大学の須藤信行)教授は生体が有害なストレスを受けると、脳内の視床下部→下垂体→副腎軸を介して腸内細菌に影響を与えていることを明らかにしました。 つまり、脳が感じたストレスは直接、腸内細菌にダメージを与えていることが明らかにされたのです(中略)脳はストレスに弱い臓器です。 ストレスにさらされると、その苦痛を回避するために、目の前の快楽に飛びつくことがわかっています───藤田紘一郎教授(著書名失念)※引用者加筆.

記憶を固定化できるニューロンの数が減り、新たな記憶を形成する能力も阻害される

つねにストレスを抱えていると、海馬のニューロンが徐々に失われていく事態に陥る(中略)対処不能なストレスを絶え間なく経験していると、やがて海馬は萎縮する。記憶を固定化できるニューロンの数が減り、新たな記憶を形成する能力も阻害されるのだ。しかも、ストレスやコルチゾールに継続的にさらされた海馬のニューロンは、脳卒中やアルツハイマー病などの疾患に対しても脆弱になる(中略)睡眠不足になると、心臓病、がん、感染症、精神疾患、アルツハイマー病、記憶障害を発症するリスクが高まる(中略)注意を払うためには睡眠が欠かせない(中略)記憶形成の第一歩は、覚えておきたい対象に気づくことだ。そして対象に気づくためには、知覚し、注意をはわなければならない。新たな記憶の記銘に必要な注意を払うためには、十分な睡眠(中略)新たな記憶の固定化は睡眠によって促進され、睡眠不足によって阻害される(中略)睡眠によってマッスルメモリーも最適化される(中略)昼寝にも効能がある(中略)昼寝によって、最近作られたばかりの記憶のうちいくつかだけでも固定化し、大脳皮質に送ることができれば、新たな学習内容の固定化に必要な海馬のスペースが空く(中略)コーヒーを一杯飲んでから二十分の昼寝をするのだ。目覚めたときには、新たに作られた記憶の多くは固定化され、安定して保持される長期記憶へと変えられている(中略)チョコレートの摂取によって注意力が向上することは実証されている(カフェインを含有するためだ)(中略)慢性ストレス対策を行えば、海馬のニューロン新生が活発になり、記憶力の向上も見込める。

上質のレム睡眠というプラチナサービスを受けた人は、翌日には人心のエキスパートになれる↓

ストレスを強く感じた状況を記憶しておくのは、適応行動のひとつで、進化上あきらかに有用だった。人類が今日まで生き延びられたのは、そうした経験の記憶を共有してきたからであり、とくにコルチゾールが果たした役割は大きい(中略) 少々なら記憶を回路につなぐのに役立つが、多すぎるとそのじゃまをする。そしてあまりに多いと、ニューロンどうしの結合を蝕み、記憶を破壊してしまう───ハーバード大学 ジョン・J・レイティ医博(著書名失念)

真の性格が明確になるのは、ストレスが負荷された苦境にあるとき

ある人間の真の性格が明確になるのは、ストレスが負荷された苦境にあるときで、困難な決断をしなくてはならない状況においてである。

今日では、力があるというのは何を無視するかを知っていることを意味する。

流血に巻き込まれた人全員が、〝単細胞な人たち〟になってしまう───つまり、理不尽で思慮がなくなってしまうのだ。

行為は、最後まで通さねばならない。出発点が何であれ、終わりは美しいだろう。行為が忌まわしいのは、それが完了していないから(だけ)なのだ。


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