経験豊富なロッククライマーは、実際にクライミングを始める前に壁全体を見渡し、自分がホールドをどのように移動し、どんなルートを取るかイメージする(中略)その質が高いほど計画の立案も効率的になる(中略)高度なイメージになると冒頭に導入部があり、末尾や結論やまとめが追加されるが、だいたいそんなところだ。この執筆方法は頭に浮かんだことをそのまま読者の伝えるだけなので「知識口述型」と呼ばれる(中略)要するに、経験豊富なクライマーはホールドの心的イメージが発達しているため、意識的に考えなくても目に入ったホールドに適したグリップがわかる。それに加えて彼らが特定のホールドを見ると、これもまた意識的に考えなくても、対応するグリップの形をとるように脳から手に信号が送られることも明らかになった。