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「楽しい!」という気持ちに沿って人生の選択をする 大学生がチャレンジ・葛藤を経て気づいたこと

キーパーソン21の学生会員でインターン生でもあった”音ちゃん”こと平岡音葉さん。
いつも笑顔で、チャレンジ精神旺盛の音ちゃんですが、自分が嫌になり思い悩んだ時期があったそう。その背景、そしてどうやって乗り越えたのか、お話を伺いました。

【図鑑No.33】
お名前
平岡 音葉さん(音ちゃん)
お仕事 
大学生(法学部法律学科)
わくわくエンジン
皆で一緒に感情が湧き上がるような瞬間を作ること

失敗も全て認めてくれる幼稚園の先生との出会い


――小さい頃はどんな子どもでしたか?

幼稚園の頃は、おしゃべりで結構おてんばでした(笑)。でも幼稚園の先生は丁寧で優しくて、怒られたこともなく、幼稚園が大好きでした。

学芸会で、私が失敗してずっと笑ってしまい進まない、ということがあったのですが、先生は「そのおかげで他の子もやりやすくなったよ」と言ってくれたんです。みんなの個性をそれぞれ認めてくれて、今でも印象に残っている出来事です。

そのようにとても環境に恵まれていたことと、幼稚園教諭である母の影響もあり、5~6歳からずっと、幼稚園の先生になりたいと思って過ごしてきました。

小学校に入っても、幼稚園の先生になりたいという目標があったし、勉強も結構好きで、楽しく進んで勉強もやっていました。中学受験をしたのですが、幼稚園の先生や保育士の勉強ができる幼児学科がある大学の付属学校を選んで、頑張って希望の中学に入ることができました。

中学と高校も楽しく過ごしました。自分の価値観や個性が確立してきた時期かなと思います。吹奏楽部で頑張っていたのですが、練習についていけず、悔しくて泣いたこともあります。今も負けず嫌いなんです。

のびのび過ごした幼少期

新たなチャレンジ!充実したキャンパスライフが一転…


――とっても順風満帆!あれ、でもなぜ幼児学科ではなく法学部に進学したのでしょう?

高校生の時に、先生に大学の推薦を勧められたことがきっかけです。それまでずっと幼稚園の先生を目指していたのですが、新しいことを学びたいと思っている自分に気がつきました。幼稚園の先生には一度他で働いてからでもなれるよ、と母も応援してくれて。

他に何を学びたいかなと考えたときに、弁護士ドラマや刑事ドラマが好きだったこともあって、法律の勉強をしてみたいなと思ったのです。

元々弁護士になりたい!とか思っていたわけではないけれど、せっかくなら頑張りたいと思って、1年生から弁護士などを目指す研究室に入りました。
みんなで勉強するのは楽しく、研究室ではテストの順位が出たりするのですが、負けず嫌いなのもあって、それがモチベーションにもなっていました。

――なんて意識の高さ!!勉強が楽しいなんて最高ですね。ずっと楽しく続けられていたのですか?

それが、2年生になりコロナが流行し始め、家で一人で勉強しなくてはならず、楽しいと思えなくなってきたんです。

そこで、テストでいい点、いい順位をとることが目的になっていただけで、法律を学びたいわけじゃないのかな、と気づき、進路について迷い始めました。

弁護士になるのか、企業に就職するのか。このまま勉強を続けていれば、弁護士という、いわゆる周りからもすごいと言われる職業につけると分かっているので、もったいないなと思ってしまう自分がいました。

弁護士になりたいかどうか、ではなく、頑張ってきて周りからも期待されているのに、という理由で悩んでいたんです。

また大学の友達もみんな弁護士など目指して頑張っていたので、目指すのやめる、と言うのも抵抗がありました。法学部進学を応援してくれていた親にも言えず。

ただでさえコロナで人とも話せないし、悩んでいるところばかり目が行っちゃって、自己肯定感もどんどん下がっていました…。

家でひとり悩んでいる生活の中で、何か新しいことに挑戦したいと思い、キーパーソン21のインターンシップに参加したんです。


自分の「好き」に気づけた、インターンシップでの様々な出会い


——数あるインターン先の中で、なぜキーパーソン21を選んだのですか?

やはり元々幼稚園の先生になりたかったこともあり、インターンを探すにあたって教育系にしか目が行きませんでした。

ちょうど自分の進路に迷っていたこともあって、キーパーソン21を見つけたとき、大学生でも今後の進路やキャリアなんて決められないのに、それをもっと小さい子どもと考えるってどんな感じなんだろう?と思って、やってみたいなと思いました。

――インターンシップをやってみてどうでしたか?

学校へのキャリア教育プログラムの実施や協賛企業の事前研修などの、準備や当日のお手伝いをやらせてもらいました。

やってみて、子どもたち・教育に関わっているときが純粋に楽しいと気づきました。子どもたちと実際に関わらない資料作成なども、子どもたちの為に繋がるんだと思うと何でも楽しめました。

協賛企業と一緒にプログラムを学校に届ける際には、企業の方の表情の変化を見るのも楽しかったです。事前研修を終えた後や、子ども達に仕事の楽しさを話すなど子どもと関わった後では、充実した表情をされていたのが印象に残っています。

協賛企業のカシオ計算機(株)の社員さんと

自分が本当にやりたいことで、進む道を決めていい


―—キーパーソン21の活動を通して、また、わくわくエンジンを発見して何か変化はありましたか?

はい。キーパーソン21の活動に関わるまでは、何が楽しいかが考えられなくなっている状態でした。
それが、活動を通して自分に立ち返って、本当に楽しい、好きと思えることを考えて、わくわくエンジンを発見し、ポジティブになることができました。

高校生になると大学でどこの学部行くか、大学生になったらどの職業に就くか、を自動的に考えさせられるようになっていて、それで自分のことが分からなくなってしまう。

でも、好きなものやわくわくすることなら高校生でも大学生でもポンポン出てくるので、そこから考えて、自分の「楽しい」という気持ちに沿って自分の道を選べるんだなぁって気づきました。

そしてやっとふっ切れて、法曹志望をやめることを、もったいないと思わなくなりました。
自分が何をやりたいかで進路も考えていいんだって思えるようになったんです。楽しいと思える職業に就くなら、もったいなくないですよね。

キーパーソン21の方々のように、私のことを何も知らない大人に会えたことも大きかったです。周りの友達などには言えなかった進路の悩みも話せたので、それもあって変われたなと思います。


学校でのプログラム実施

——弁護士志望をやめたことに対する、周りの反応は?

驚かれたり、頑張ってきたのにもったいないと言われたりもありましたが、応援してくれる人がたくさんいました。研究室の友達も、「どこ目指そうと変わんないよ」と言ってくれたので、嬉しかったです。

母は期待してくれていた分がっかりさせちゃったかなと思いましたが、私がきっぱりやめると言ったのもあり、応援してくれました。

私自身が弁護士にならないと周りをがっかりさせてしまうと思い込んでいました。でも、周りの人達は、弁護士になるとかいう表面的なことではなく、私の努力や内面を見てくれている、と感じられました。

自分のやりたいことを自分だけでなく、周りも認めてくれていると感じられるようになって、ますますポジティブに頑張れるようになりました。人に恵まれているなと思います。


本当の自分を見つけたら、あとは進むだけ!


――大学卒業後は、幼稚園の先生ではなく、企業に就職する予定なのですね?

はい、進路を考えるにあたり、楽しかったこと、嫌だったこと、どんなことに心が動いてきたのか、尊敬している人など、色々見つめ直して考えてみました。

私はたまたまこれまで先生に恵まれてきましたが、先生や環境に恵まれない子どもたちにも、広くみんなに届くような教育システムやコンテンツを作りたい。
そして、学ぶって楽しいとか、勉強以外で感動したり、楽しいと思える機会を作りたいと考え、就活ではそんな事業を行っている会社を探し、春からは株式会社小学館集英社プロダクションで働く予定です。

――就活は大変でしたか?

就活よりも、弁護士になるか、自分が分からず悩んでいた時の方がよっぽどしんどかったです(苦笑)。就活の前に自分が本当にやりたいこと、軸が見つかっていたので、就活ではそれに向かって計画を立てて進められました。

――社会人になったらやりたいことは?

これまで自分に否定的にならずにこれたのは、小さい頃に否定されることがなかったからだと思っています。子どもの頃楽しいと思えることがその人の軸になってくると考えているので、特に幼児期の子どもたちに対して、発信だったり、コンテンツを作れたらと思っています。
社会人になるのは不安もありますが、今から楽しみです!

編集後記
やりたいことや自分を見失い悩んでいたところから、自分で道を切り拓き、これだ!という道を見つけた音ちゃんは、本当にたくましく、真っすぐな言葉が胸に刺さりました。

きっとコロナ禍もあって更に、同じように悩む子ども、若い人がたくさんいるのだろうと思います。
音ちゃんが「自分のやりたいことを自分だけでなく、周りも認めてくれたことでポジティブになれた」と話していたように、子どものありのままを認め、応援していきたいと改めて思いました。
(ライター・しほ)


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