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伊勢物語

 読書感想文の課題に、この夏は中一の息子と一緒に挑戦してみた。彼が選んだのはクールジャパンを題材としたもの。私はどこかへ提出するわけではないが、お互い日本文化がテーマになるよう思い切って「伊勢物語」を選択した。
 「からごろも」「几帳ごし」、そして「ちはやぶる」など、みやびな言葉の響きがすごくいい。言葉を追うだけで、平安時代へとタイムスリップさせてくれる。唐衣を着たお姫さまが、几帳ごしに男の人とデートをしている。この美しい挿絵が、古典の教科書に載っていたのが、遠い記憶としてよみがえってきた。
 伊勢物語の原文は難しすぎるので、今回は俵万智さんの現代語訳を参考に読み進めた。「むかし、男ありけり」の「けり」は過去の助動詞を表し、と先生のような解説で分かりやすい。枕ことば「ちはやぶる」で始まる歌は在原業平の短歌で、小倉百人一首にも採られていたことも初めて知った。
 伊勢物語のおかげで、古典の優美な世界を楽しめた。時空を超えたいにしえの体験が、いい思い出となった。

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